2012年06月11日   希望が丘5輪のささゆり

 季節がめぐり、6月に入りました。鏡山山麓に清楚な草姿をした気品を持った「ささゆり」が咲く時期となりました。
 希望が丘の仲間と谷筋を登りながら一本一本と、丹念に咲いているところを観て回りました。
「昨年、ここには2本咲いたのだが、今年はどうか」、「昨年は生長しきっていなかったので、今年こそは」、「太い葉っぱの幼い苗が、育ってきた」など、いたわるように確認していきました。
 この花、清楚な顔をしていますが、ユリ科のなかでも気位が高く、中々、気難しいのです。ここと決めたところでしか、育ち咲かないのです。 従いまして、ひとつの株にひとつの花をつけます。多くて2輪程度です。

 ところで、驚いたことに、ひとつの茎に5輪の花をつけていました。よぼど、その場所の居心地が良かったのでしょう。






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2011年08月30日   祇王井川水辺に咲く昼顔

 盛夏のある日、妓王が平清盛に造らせた祇王井川の水辺に、二輪の花が涼しげに咲いていた。

 この花の名前は、ヒルガオ。花柄のすぐ下にある2枚の葉の変形した苞で包んでいることから、この花に相違ない。 

 朝顔は早朝に咲くが、昼前にしぼむ。これに対して夜顔は夕方、花を咲かせて翌朝しぼむ。そして、昼顔は午前10時頃に咲き夕方に閉じるので、昼顔と言う。花の一生は半日。

 

 小説家の林芙美子(はやし ふみこ)さんの言葉「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」だが、「花の命は半日、女の命は86年」となった。










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2010年07月14日   三上山キノコの女王(キヌガサタケ)

  先日、雨上がり、三上山の山麓の竹やぶで奇妙な容をした「きのこ」を発見しました。キヌガサタケと言う珍しいものです。

 この「きのこ」、私にとってはとても気持ちが悪い姿をしていますが、それでも、姿形があまりにも優雅で繊細なことから「キノコの女王」と呼ばれています。「きのこ」の容の先入観があるのか、私にはそのようにはどうしても見えませんが…。でも、キヌガサタケは中国で「山珍之王」として珍重されてきたものです。


 上の暗緑色の部分が粘液状で悪臭を漂わせ、この匂いに蠅などの昆虫が集っていました。美しい網目のスカートは数時間後には萎れて崩れてしまいました。

 







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2010年06月16日   希望が丘食虫植物(コモウセンゴケ)

 
 私が、希望が丘で食虫植物に出会ったのは、数年前植物観察会に参加した時であった。青年の城からスイセン池に行く途中、比較的日当たりよい土手で、「これがコモウセンゴケです」と説明を受けました。虫眼鏡で見なければ判らないほど小さい植物でした。植物園などで見られる優雅な筒形をした壷を持った食虫植物のイメージと余りにも離れていたので、関心もなく聞き捨てていました。
 
 6月12日、「希望が丘を歩こう」ハイキングに参加しました。この催し22年度は6回計画されています。2回目「湿原の稀少植物を見に行こう」のテーマで開催されました。

 鏡山頂上から青年の城にかけて東南に広々とした山麓が広がっています。そこには、2本の小川が流れ、湿地帯ができ、各種の山野草が生育しています。ここを散策するのです。一般のガイドブックでは紹介されていない秘境がこんな身近なところにあるのかと驚かされます。ただ、山稜を知り尽くした者でなければ、辿りきる事ができません。それほど、手付かずの自然が残っています。


 私は、参加者の最後尾につけ、落伍者などの見張りを兼ねて、参加者の人数確認の役目をしました。「のとの千軒」のコースは、小川も流れ湿地帯もあり、ささゆりを始として色々な山野草が生息しています。
 
 参加者のひとりが、あっちこっちと辺りを頻りに探しだしました。その人だけが遅れ気味になりましたが、あまりにも真剣に探していたので「遅れないように」と催促をしませんでした。

 
そのうち、見つけたのが、「コモウセンゴケ」でした。
 
 先行する団体にお構いなしに、私も土に這いつくばってこの植物を眺め始めました。

 地面から葉茎が放射状に出ていました。葉身はほぼ円形で、一面に長い毛があり、その先端には粘液が付着していました。粘液を出す腺毛があるのでしょう。触るとべたべたしていました。この粘液に虫をつけてしまうようです。粘毛は、虫寄せに関係があるかのようにドギツイ赤色をしていました。

 この一帯は風化した花崗岩は風雨で運ばれやすく土壌が発達しないので、この丘陵地にはやせ地に強い植物ミミカキグサ、ホザキノミミカキグサ、コモウセンゴケ、イシモチソウなどの食虫植物が見られます。
ここ痩せた湿原や岩場では、光合成による炭水化物しか作れず、タンパク質を作るのに必要な窒素成分の補給ができないので、虫を食べてしまうまで進化したようです。

 植物は黙っておとなしいと思われていますが、その本性は、極めて獰猛のようです。十分に栄養が行き渡ったのか、小さい桃色の花を咲かしていました。










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2010年04月19日   希望が丘ショウジョバカマ

 2010年4月17日(土)「希望が岡を歩こうハイキング」に参加した。今年の第1回目天山からサイドタウンに一旦抜け、荒川沿いに登り希望の橋を経由して笹尾が岳などの南稜を辿るコースであった。
 
 ショウジョバカマは4月10日(土)、呉枯ノ峰に行った際、伊香高校裏の水道タンクから尾根筋に何本も咲いていたけれど、全く興味もなかった。が、今回、希望が丘のエリア内で見つけたのは、大発見であった。場所は、荒川沿いの「希望橋」下の林道のガレ場である。群生とまでいかないが、かなりの本数に花をつけていた。

 12日、同場所に「いそいそ」と行き、じっくりと花を観ようと思った。花の命は短いもので、殆ど花は萎れていた。かろうじて2~3本赤い花をつけていた。この花の色は、開花後淡紅色であるが、一時的に力を振り絞って赤色に変化する。この花は色が変わっていくのが、おもしろい。
 開花後、花が赤くなるので、能の猩々(しょうじょう)に見立ててこの名前が付けられている。

 何れにしても、あれほど咲き誇っていたのに、1日間があくだけで、色だけでなく姿までかわってしまう…。



 希望が丘に出入りしていると、予想だにしない山野草に出会うことがある。それも滅多に出会わないのが真によい。出会った山野草を一覧表にするのもよいが、頭の中で、あれこれと花姿・咲いているところなど記憶を手繰ることの方がもっと楽しい。



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2009年10月14日   野に咲くジンジャーの花

 
 一雨毎に秋が深まってきました。希望が丘に行く途中に、富波甲の大塚山古墳横に休耕田があります。

 日頃は、私の背丈175cm以上の雑草が生えて、小鳥の巣になっており、小鳥のさえずりを聞きながら通り過ぎていました。
たまたま、雑草の茎の間から白い花が見えたので、踏み入って覗いて見ると、この花が雑草を跳ね除け、群落を形成していました。

 名前が分からないので、山仲間に写真を送り、問い合わせてみた。「甘い香りがするだろう」が決め手となり、「ジンジャーの花」であることが分かりました。希望が丘への道すがら、立ち寄るところが、またひとつ増えました。


  
    



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2009年09月28日   希望が丘のヒナノシャクジョウ希少野生動物種

 鏡山山麓の滝不動の岩場周辺で「ミミカキグサ」を探していたところ、30~40mm程度の白い花が咲いていたので、とりあえず、写真に撮ってみた。花名が分からないので、小生の花好きの友達に問い合わせたところ、分からないとの返事であった。少し経ってから、希望が丘HA氏からEメールがあった。「ヒナノシャクジョウという名前だそうです。翌々日HIさんが写真をとりにいかれたら、もうイノシシに荒らされてなくなっていたそうです」との連絡があった。はじめて、ヒナノシャクジョウとの名前が分かった。

 よく調べてみると、森林の自然が豊かでないと生えないため、環境の指標ともなっている貴重な植物であることが判った。森林の林床で夏場に咲くため、一般にはほとんど目にすることはない。鏡山山麓は、まだまだ人手に染まらない貴重な自然が残っている証しでもあった。

 葉緑素を持たない小型の腐生植物で、日陰に生え、葉は退化している。小型で姿が僧侶の持つ錫杖に似ているのでこの名がある。

壷状白い花が並んでいる姿は、なかなか愛らしい。

 ヒナノシャクジョウは、ふるさと滋賀の野生動植物の希少野生動物種に指定されている。

              ヒナノシャクジョウ(ふるさと滋賀の野生動植物)







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2009年09月22日   第2回四季のハイキング「希望が丘を歩く」

 第2回四季のハイキング「希望が丘を歩く」9月19日(土)に参加した。 一般に鏡山に入山するガイドブックなどでは、鏡登山口から鏡山山頂へ達し、城山まで北稜を通り、希望が丘西ゲートに通り抜けるコースが紹介されている。しかし、このコースでは、鏡山の本当の良さを体験すには、物足らない。

 鏡山頂上から青年の城にかけて東南に山麓が広がっている丘陵地帯は、知る人が知る野趣溢れるところである。起伏がある尾根が鏡山向かって幾重もあり、2ツの善光寺川・荒川を擁した源流がある。規模は小さいが、自然林帯で、倒木も手付かずのまま朽ち、原生林を彷彿させる自然が残されている。そこには、尾根と谷筋の数だけの獣道があり、多分、猪が夜な夜な徘徊しているのであろう..。   

 谷筋には、夏場でも涸れることなく蛇行しながら小川がさらさらと流れている。川底には、花崗岩が風化し堆積した真砂が真に美しい。小川の周辺には湿地帯もみられ、四季に色々な山野草が咲く。

 小川のほとりで腰を下ろし、小川のせせらぎを耳と肌で感じ、さわやかに通り抜ける乾いた風、時には、しっとりと湿り気のある風のなかでの一休みは、深山幽谷の趣があり、 自然の風情に癒されるところである。 この地の魅力に取り付かれている人は何人もいる。兎に角、一歩踏み入れると、どこに向かって歩いているのか検討がつかないほど、ふところを深く感じる。小生、何回も入山し徘徊しているが、いまだにイメージ通りに歩けない。

今回の案内役は、ここを知り尽くした希望が丘職員H氏である。希望が丘青年の城から鏡山新道を通り、ややうみ坂を経由して標高385m鏡山を目指し、奥鳴谷広場に下山し、モトクロ山を越えて青年の城に戻ってきた。9時出発して16時、森林浴をしながら歩き回った。まる1日、参加者は自然を十分に堪能した。 

 奥鳴谷広場から鳴谷池に流れ込んでいる善光寺川源流沿いにアケボノ草を見つけた。この鏡山山麓で、まさかアケボノ草に出会うとは、思っていなかったので、感動した。

 昨年11月、鈴鹿峠の西側の溝干山・坂下峠へと足を延ばした際、奥深い山中の湧き水が流れ出しているところで初めてアケボノ草に出会った。その時、蟻が一目散にアケボノの草にある2ツの黄緑色の斑点の密に寄ってきたそのときの様子を思い出した。 魅せられた小世界1 アケボノ草

                   奥鳴谷広場付近の川沿いのアケボノ草
 

鏡山一帯の丘陵地は、花崗岩が風化した土壌で、風雨で運ばれやすく土壌がやせており、木が育たないところもある。写真のような特異な裸山も点在している。

                      モトクロ山に遊ぶ




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2009年09月12日   希望が丘のサギソウ

 小生、希望が丘ハイキングのサポータ-をやっていますが、第2回四季のハイキング「希望が丘を歩く」9月19日(土)9:00~16:00計画の実施にあたり山道の整備に参加した。

 従来、青年の城から、鏡山へのルートは、野外活動センターを経由して山頂を目指していた。ほぼ3年前に、希望が丘文化公園の青年の城担当H氏により「鏡山新道」が切り開かれた。この新道が、少し遠回りになっているので、ひとつ手前にルートを造りたいとのことであった。この作業が比較的早めに終わったので、参加していたT氏の案内で「サギソウ」を見に行くことになった。T氏は、希望が丘周辺を熟知し、山野草を育て監視ている人です。 この鏡山の山麓は、小川が流れており、広くは無いが湿地帯があります。そう言ったところに山野草が咲いています。

 小生の庭には、8月上旬にサギソウは咲きましたが、ここ希望が丘では8月20~30日が盛りであるらしい。このサギソウは、業者などにより「ごっそり」もって行かれると嘆いていました。野生のサギソウに出会ったのは、初めてでした。
 自然に育っているので一部枯れかかっていたが、花の上側に2枚の花弁がしっかりと立っており、シラサギの羽(唇弁)に見立てられる細裂したギザギザ部分は不揃いで迫力があった。


参考 サギソウシラサギそれともサギソウ(庭のサギソウ)

                    雑草の中に咲くサギソウ
               一部枯れながら、迫力ある野生のサギソウ
                 山道の切り開き作業



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2009年09月10日   三上山山麓に仙人草

 小生は、四季折々の希望が丘・三上山周辺を飽きもせず、ウォ-キングをしています。 最近、長らく目新しい山野草に出くわさなかったが、9月8日、連日30度を越す暑いさなか三上山山麓で、「ふと」生い茂る木々に目をやると、一隅に見てくれと言わんばかりに、小さな可憐な花が重なり合って咲いていた。それもこんなところと言う場所であった。予期せぬ出会いは、感動深く、そして何の花なのかを調べるのも楽しい。 
 よく観察すると、白い4枚の花弁らしきものがあり、中心には白いひげが一杯あった。また他の植物に覆いかぶさるようにつるを伸ばしていた。

調べていくと、どうもこの花は「センニンソウ」であることが判った。
                   仙人草 花言葉・・・美しい心、安全、無事
 

 花の実全体が、仙人の禿げた頭部に似ており、頭の周囲から白髭があるところから「仙人草」と呼ばれています。

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Posted by nonio at 08:45Comments(0)山野草 希望が丘