2014年06月10日   希望が丘の湿地に咲く「いしもちそう」

 希望が丘文化公園が主催している希望が丘ハイキング が平成26年 6月 22日(日)開催される予定です。「湿原の希少植物を見に行く 約12km」の下見に行きました。

 希望が丘の丘陵地帯は、折々の季節にあわせて、次々山野草が咲きます。私は山野草には詳しくありませんが、その都度、名前を教えてもらい既に17ケになりました。毎年新たな出会いを楽しみに、この地を訪れています。雑木林の中を歩くだけで、それはそれでいいのです。が、ここは色んな山野草が咲くところ、あっちこっち探しながら歩くのも一興です。

 今回で18ケ目の白い花を付けた山野草と出合うことが出来ました。その名前が「石持草(いしもちそう)」。この山野草は、まわりの草に紛れて地味な姿をしています。もやっと立ち上がる姿に人気があるのです。子石をくっつけて持ち上げたことから、この名前が付けられたのです。葉にはたくさんの腺毛があり、その先に丸く粘液がついているのです。
でも、小石を持ち上げるための粘液でなく、虫を捕まえ、その養分を利用している食虫植物なのです。この丘陵地はやせ地なので、ミミカキグサ、ホザキノミミカキグサ、コモウセンゴケなどの食虫植物が見られます。
  






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2013年10月27日   希望が丘日本庭園「冬の花わらび」

  希望が丘の「かえでの森」の木々も薄っすらと色づき始めた。
色を揉(も)み出づる紅葉の季節がやってきた。 楓の葉が黄色から橙、朱赤,紅と様々な色に変わっていきます。

 「紅葉色(もみじいろ)」という特定の名前の色はありませんが、赤みの深い蘇芳色は、行きすぎて、後がない。黄檗色はまだ幼すぎます。樹芯部が、仄かな淡桃色と言うのか 淡橙色に染まってきた時が、私にとっては最も素晴らしい紅葉色だと思っています。周辺の緑色の葉が、この淡い色づきを浮き立たせてくれ、自然が織りなす色彩の妙に感じ入っています。

希望が丘の「かえでの森」


 紅葉の時期に開催される天山・笹尾ヶ岳を歩く約8km 中級コース「希望が丘を歩こう」の下見に、参加した。 10月23日は、台風27号と28号が日本列島に向かっており、台風の北上に伴い刺激された前線の影響で、 雨脚が強まるとの予報。その通り、雨にたたられた。が、通称「日本庭園」近くで、昼食を兼ねて雨宿りした結果、また一つ、新たな山野草に出合うことができた。

 職員のHa氏は、すーっと茎が伸びた草花を指さして「『冬の花わらび』と言われています。別名『寒わらび」』だ」と教えてくれた。
 夏の時期には休眠して姿を隠しています。涼しくなるころに姿を現すようです。背の高い胞子葉を花に見立てて、ハナワラビの名が付けられた。冬の花わらびとは、趣がある呼び名をつけたものだ。
「道の駅で、観賞用の盆栽風に仕立てられ、500円で売っていた」と話していた。
 この冬の花わらびは、取り立てた特徴がありません。しかし、眺めていると何処か風情が漂っております。この”さま”が良いので、盆栽や茶花として重宝されているようです。

 さらに、Hiさんは、「地べたにある栄養葉が、紅葉する種類もある。でも、滅多に見かけない」と言っていた。滋賀県レッドデータブック2010年版によれば、葉っぱが赤く染まるアカハナワラビは、「絶滅危惧・希少種」までいかないが「要注目種」に指定されていた。滋賀県では多賀で見かけるらしい。

日本庭園にて「冬の花わらび」







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2013年08月09日   希望が丘のノハナショウブ

 鏡山の南側には、なだらかな丘陵地帯がひろがっています。規模が小さいが、なだらかな起伏の続く地形に、二本の小川があります。谷間を蛇行しながら、絶えることなく清らかな水が流れています。この川沿いに山野草が育っています。

 梅雨時には、すずやかな姿をした”ノハナショウブ”を見ることができます。 今年も昨年と同じところに数本が咲いていました。シダなどの草むらから、葉をつけずにすらっとした細い花茎が伸び、その先に赤紫色の花をつけていました。花の付け根には黄色の筋が観られましたが、この色合が、ノハナショウブの特徴なのです。 葉っぱが剣状の”ショウブ”に似ており、花が咲くので、「ノハナショウブ」と言うようです。取ってつけた「ノ」は重要な言葉なのです。野生種と園芸種の花菖蒲(ハナショウブ)を区別されています。

 希望が丘に咲く”ノハナショウブ”


 6月22日、三田市にある三国ヶ嶽へ行った時に、関西でも有名な永沢寺の花菖蒲園に寄ってきました。3万3000平方mの敷地に、全国各地から選ばれた優良種のハナショウブ650種 300万本が植え付けられていました。ノハナショウブは赤紫色だけの一色だけですが、ハナショウブは、白、黄色、青紫、赤紫と多彩な色合があり、さらに絞りや覆輪などの変化がありました。
 これらのハナショウブは、たった一種類の野生種ノハナショウブから、「よくここまで多数の園芸種が作り出されましたのか」と感心さされました。特に、改良が進められたのは江戸時代後期ですが、もっと古から愛好家たちによって、それぞれの好みに応じて、改良されてきたようです。江戸っ子気分を表現した江戸系、武家の室内で鑑賞するための肥後系鉢で栽培された伊勢系の3系統に大分類され、原種の特徴を強く残す山形県長井市で伝えられてきた長井古種など人の手によって生み出されました。
 
 見事に豊かで艶やかになったハナショウブの花弁を見て回っている内に、ささやかな発見があり、ひとり悦に入っていました。外側の外花被に黄色い筋を見つけました。これは、ノハナショウブが元々備わっていた証なのです。

永沢寺の花菖蒲園のハナショウブの咲き乱れ

 
 今年、高島市今津町深清水の平池に、自生しているアヤメ科のカキツバタを見てきました。カキツバタとハナショウブ(ノハナショウブ)の葉は、剣状で、花の色も紫色でよく似ていました。大きな違いは、ハナショウブの花が抜きんでて咲いていますが、カキツバタの花は、葉の位置より低いことが多く、花の見栄えが、少し悪いようでした。
 カキツバタ園はそれほど多くはありませんが、花菖蒲園は色んな場所に設置され、多くの人に人気があるのは、こんなことが一因かもしれません。

 「いずれがあやめかかきつばた」は、あやめとかきつばたが、似かよっていて見分けにくいとことから来たことわざがあります。これにハナショウブが加わって、アヤメ、カキツバタ、ハナショウブ(ノハナショウブ)が、三つ巴になって見分け方を難しくしています。
確かに、アヤメ科の花は似かよっていますが、花びらの根元に網目があったり、白の筋があるとか、黄色い筋など花弁の色合に違いがみられます。これら子細に観察することにより、微妙な差異を発見しては、その違いを楽しんでいます。



 



Posted by nonio at 14:01Comments(0)山野草 希望が丘

2013年07月02日   希望が丘に咲く「カキラン」

 鏡山山麓には"カキラン"が自生していることを、かなり前から知っていた。その葉っぱなどの姿には出会っていたが、咲いている花弁を観たことがなかった。 "カキラン"の花名から柿のよう姿をしているのであろうかとか。たぶん柿色のように黄色をしているに違いないと色々と思いめぐらしていた山野草のひとつであった。

 私は、希望が丘の「希望が丘を歩こう」のサポートをしており、この鏡山の北側に広がっている台地には、かなり足を踏み入れている。この花とは相当相性が悪いのであろう、中々出合うことが出来なかった。

 25年6月23日(日) 「初夏の花と鏡山の道を歩く」と題した希望が丘を歩こう(ハイキングAコース)に参加し、案内をした。職員H氏がわざわざ、近寄ってきて、「カキランが群生しているところを見つけた」と耳打ちしてきた。

 カキランは、滋賀県のレッドデータに指定している希少種には該当していないことから、絶滅のおそれがない種のようだ。だけど、確実に見られなくなっている。奥まったところの湿地で、初めてお目にかかった。これで、希望が丘に自生している出合った山野草がまたひとつ増えた。
鏡山山麓に咲いたカキラン

  まだ開花していないので、何とも言えないが、この山野草は”とんぼそう”のようだ。蘭の一種だが、花弁がトンボにそっくりなので付けられた少し変わった植物。 
 後日、家内を連れて、"とんぼそう"が開花する時期を見計らって、同場所に訪ねた。森林センターの駐車場まで自動車で行き、そこから歩いて往復15000歩以上を要した。だが、どうしても出合うことできなかった。それも2日かかりだ。

"とんぼそう"に出合うのは、来年以降いつまでかかることやら・・・。気長に探すか。










Posted by nonio at 07:52Comments(2)山野草 希望が丘

2013年04月30日   希望が丘のイワカガミ

 私は、 毎年、希望が丘・三上山周辺で、ひとつかふたつの目新しい山野草に出合ってきました。

 4月14日「希望が丘ハイキング」の”まぼろしの城跡”を訪ねてのAハイキングコース(約8km)に参加しました。山城跡がある「もっこり」とした山容の城山から、さくら道峠までの急な登山路の脇で”イワカガミ”を見つけました。雑木の木陰に根元からすーと花茎を伸ばし、筒状の花弁を沢山つけていました。 

 この草花は朽木・湖北などいたるところで出合ってきましたが、身近な希望が丘・三上山周辺で出合えることが、私にとっては、大発見なのです。
 
 岩場に自生し、葉に光沢があるので鏡に見立てられた”イワカガミ”




Posted by nonio at 09:15Comments(0)山野草 希望が丘

2013年04月08日   田中澄江も訪れた三上山の「イワナシ」

  山仲間のSさんから、春先の今頃、三上山に「イワナシ」の花が咲いていると話してくれた。岩場に生え、果実の風味がナシに似ているので、「岩梨」と呼ばれ、三上山頂上より近江花緑公園方面へ下山してくるところにあると教えてくれた。

 ここは、よく通り、何回も出会っていた植物であった。だけど、花名とその姿が一致していなかったので、私の頭の中では、認識された植物には、なっていなかった。4月1日、「ふるさと館」のロッジ前から入山して、見当をつけていたところを2~3か所訪ねながら、直ぐに探し当てた。少し盛り上がった斜面に、淡紅色の可憐な顔をした鐘形の花冠が、私を待っていたかのように大勢で、出迎えてくれた。



 2時間ほどで行ける身近なところである。ご機嫌伺いとの気持ちで再び訪れてみた。あれほど活き活きとしていた花弁は垂れ下がっていた。2日前が、盛りであったことを知った。
イワナシの茎は赤褐色の粗い毛を持ち、葉っぱは地上を這うように横に広がっていた。この小低木は太陽の光を求めて、まっすぐ上に伸びようとはしない意志まで感じられるかのように、地面にへばりついていた。これでも木かと思われるほど小柄であった。余にも風雪の厳しい環境で育ったのであろう。



 さて、田中澄江が、1997に発表した随筆集『花の百名山』愛蔵版の中に、三上山をあげていた。 筆者は、「三上山は432m。まことに低い山であるけれど、その形がいかにも端麗で、全山を被う松のみどりの深さは、もう何十年も前の娘時代の関西への修学旅行の時以来、忘れられない印象を心にとどめている」と述べ、まだ新幹線がない時代、急行列車に乗り1日かかりで近江に来たようだ。

「藤原や霊山の帰りに、バスを待たせて一登りしてびっくりした。イワナシの薄紅の花があちらこちらに咲いていた・・・・」と三上山を紹介。
 筆者が登ったと思われ表登山コースでイワナシだけを求めて辿ってみた。が、一本すら見当たらなかった。念のため、裏登山道から下山したが同じであった。
「本の中で、花盗人を案じて、山の名をかくしたいほどであった」と語っている筆者を報いるためにも、この山中の何処か秘なところで、当時と同じように群生していることを祈っている。
 いずれにしても、北海道から九州まで錚々たる山100の花の中に、三上山の「イワナシ」が含まれていたとは驚きだ。

 









 






Posted by nonio at 08:26Comments(0)山野草 希望が丘

2012年10月29日   希望が丘の山野草アキチョウジ


 10月20日、HI女史に教えてもらった希望が丘の天山山ろくに群生して咲いていた「アキチョウジ(秋丁子)」の写真を撮ってそのままにしておいた。

 その時、筒状の青紫色の花であることは覚えていたが、この花の名前もうろ覚えであった。
その後、たまたま、この花の話がでた。

秋に咲く代表的な花であることを知り、その姿と名前が一致した。
アキチョウジ花言葉は「秘めやかな思い」        


                希望が丘のアキチョウジ






Posted by nonio at 23:42Comments(0)山野草 希望が丘

2012年10月23日   希望が丘の山野草センブリ

 「今日、山野草が綺麗に咲いていた」と耳にすることがあります。そんな時、私は「幸運だったね」と話します。
 と言うのは、想い入れた山野草が花びらを開花させるまで、時間がかかるのです。それも長く続かず一時で萎んでしまいます。
何回も日参して、めぐり逢えるのです。だから、開花状態の山野草に出逢うことは、貴重な出会いなのです。

 希望が丘の天山の山麓に、センブリの花が咲きました。半月ほど見守りました。花びらに淡紅色の筋が5本入っていました。この縦のストライブ模様により、花全体が引き締まり、清潔感が漂っています。秋に咲く希望が丘の中で、この花が一級品です。

 センブリはどこにでも咲く山野草。でも、私にとっては、身近な希望が丘に咲いていることに、値打ちを感じているのです。「何時咲くのか。何時咲くのか」と楽しみに通います。



         わずかに膨らんできたつぼみ


 この山野草は胃腸の薬草でした。「良薬口に苦し」の謂れの通り、千振(せんぶり)は千回振りだしても、煎じ液は苦味が消えなかった。このことから、和名はせんぶりと言われるようになった。

 それにしても、この気品に満ちた姿をしている山野草に苦いイメージのあるせんぶりの名前は、可哀そう。






タグ :天山


Posted by nonio at 12:03Comments(0)山野草 希望が丘

2012年10月16日   ワレモコウの話

 ワレモコウとは、いつぞやこの文言に出会っているようだ。が、この言葉が単なる普通名詞なのか、それともどこかの固有名詞ではないかと思ったりしていた。 

 10月 14日希望が丘公園で、3回目自然観察会が行われるにあたって、下見を実施するとの連絡がHa氏からあった。講師がHi女史。彼女は、このあたりの丘陵地帯・里山の地形を掌握しながら自生している山野草を知り尽くしている。日ごろから、各季節に咲く山野草の居場所を駆けめぐっているひとである。何回か一緒したことがあるので、山野草に造詣が深いことは常々知っていた。
  
 9日午後スポーツセンターから、天山の山麓・源流コースを辿り、山野草を求めて探索した。次から次と名前を説明してもらった。15程度の写真を撮りながら、メモを取っていった。そのうち、メモするのも諦め、聞き流しながらどんどん進んでいった。彼女に申しわけなかったが、ほとんどの名前は、忘却の彼方・・・・。

 だが、ただひとつだけ、心に留まった名前があった。茎をすらーと伸ばした、その先の穂状の可憐な花を指しながら「これがワレモコウだよ」と説明された。どこかで聴いたことがある懐かしさが込みあがる言葉であった。

 楕円形の穂は、暗紅色に色づいていた。よく観ると、なぜか寂しさが漂っていた。







 







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2012年07月08日   鏡山山麓のシライトソウ

 鏡山の山麓には、さまざまの野草が育っています。ササユリ・サギソウ・アケボノソウ・リンドウ・・・・・など四季が廻るにつれて山野草が咲いています。ここは、知る人が知る山野草が咲く楽園なのです。

 鏡山の頂上から南側に向かって手つかずの箱庭のような自然が広がっています。大きいとは言えませんが、この丘陵地帯には、二つもの小川があります。荒川と善光寺川が、谷間を蛇行しながら湿地帯を形成しています。絶えることなく清らかな水が流れ、入り組んだ湿地地帯を常に潤しています。この川べり沿いにひっそりと山野草を育んでいます。
 ここに一度足を踏み入れた人は、この素晴らしい清流と森林が織りなす世界に魅せられ、何回もここを訪れるようになります。その一人が、私なのかもしれません。
 
 今まで希望が丘一帯に咲く山野草を紹介してきました。これが最後だと思っていても毎年、真新しいものに出会います。
 
 白糸草は、春になると時折、林や森のヘリに見かけます。比較的、草に深く覆われた場所や湿ったところで出くわすごく有り触れた草花です。が、ここ鏡山山麓で目新しい植物を発見することに、私は驚きを覚えます。私にとってはここで出会う山野草に意味があるのです。旧知の友に出会ったような楽しさを感じるのです。その植物の名前を知った時、さらにその植物に愛着を持ってしまいます。

 花は、主軸が長く伸びた穂先に、白い花びらをつけていた。糸のように細い小さな花が穂状になって咲いていました。このブラシのような形状をした花を、植物学用語では「穂状花序(すいじょう‐かじょ)」と言うらしい。





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