2023年07月07日   40年に一度の花が咲いた/水生植物公園みずの森

その日は、日曜日だったのか、滋賀県草津市にある植物園の駐車場が満車になっていた。少し高台にある第2駐車場に行っても、自動車を駐める場所を探し回らなければならなかった。

入場券を購入するのももどかしく、目当ての植物のところに直行した。そこには豊かな緑が広がっており、その中でもニューサイランは一際目立っていた。名前を呼んでみると、その植物は微かに揺れながら返事をした。

「私がニューサイランです。ここは私の新しいホームです」と言った。そして自らの行きがかりを説明し始めた。「私はニュージーランドで生まれ、数年前にここに移植されました。この植物園で育つことで、新たな命を与えられたのです。でもねぇ、美しい花を引き立てる役割を果たすために植え付けられたのです」

「どうして」と相づちを打つと、
ニューサイランは微笑みながら答えた。「実は私は珍しい植物で、滅多に花を咲かせることはありません。─まあ脇役だね─」

「今日はたくさんの人がやってきたのは、どうしてでしょうか」と怪訝な様子で聞き返してきた。
私はその訳を話してやった。
「ユーを世話しているボランティアさんが、6月6日、ニューサイランが花を咲かせている」とTVで放映されたからだ。『30年から40年に一度しか咲かないと言われるニューサイランが、滋賀県草津市にある植物園で初めて開花し、見頃になった』」と騒ぎだしたから人が集まってきた。
「ユーが主役になったのだ」と明かしてやった。

次の日も、気になることがあったので、再び同じところに出向いた。
たまたま、ガイドさんがおられたので、見たことがある葉っぱについて、話しかけてみると、「ニューサイランの葉っぱは、生け花にされている。葉っぱの色は多彩で、ライムグリーンや深緑、シルバーグリーン、銅、赤色など多彩で珍重されている」と説明を受けた。

「なるほどなぁ」と私の疑問が解消した。

花を咲かせ、実をつけて子孫を繋いでいくためには、40年という単位はあまりにも長すぎる。 自然界は、私の理解を遥かに超えているなぁと思っていました。ところが、人の手で株分けされ、園芸種として栽培されることによって、世界的規模で繁殖する術を持ったようだ。植物の生き残りの多様性には驚かされた。 

ただ、寿命を全うするときに、花を咲かせると言われている。もしかしたら、来年も咲くのか、今年だけなのかはまだ分からない。この植物の様子を、少し見守りたいと思っている。














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2021年09月01日   オリンピック大野将平の一言

 
 じりじりと照り付ける真夏の花と言えば、群植された「ひまわり」だ。
 黄色く色付いた大輪が、 盛夏の乾き切った大地に根を張り、こちらを見ている。一斉にすべての大輪が同じ方角を向いている見目姿は、まさに、オリンピックの「金」を目指している選手達のようだ。

  この中で、一本だけ、飛びぬけた「ひまわり」があった。



 新型インフルエンザが世界中で猛威を振るい、パンデミックに陥っている中で、開催された東京五輪。
野党は声高らかに「すぐにオリンピックの停止」をと。また朝日新聞だが、五輪中止を強調する見出しで、反対を表明した。海外の報道でも開催には懐疑的であった。
 これに上乗せするかのように、新競技場の計画白紙から始まり・・オリンピックが始まる直前の開会式の演出担当者解任など、数々のトラブル・不祥事・スキャンダルが、次から次へと続いた。  
 この呪われた五輪を跳ねのけたのは、この男の一言であった。

 8月9日早朝、柔道男子73キロ級の大野将平選手が、オルジョイ選手に勝利し、2連覇金メダルを獲得した。
試合後のコメントは「賛否両論あることは理解しています。ですが、我々アスリートの姿を見て、何か心が動く瞬間があれば、本当に光栄に思います」と。 
 柔道の試合と時を同じに、ストリート文化から発祥したスケートボードの金メダルの若者達も目立った。「試合を楽しんできた」と答えるアスリートが多い中、大野将平は、重厚な存在感を示していた。

 大野将平が金メダル獲得後のインタビューでは、
前回のリオオリンピックで金メダルを取ったということは、倒す相手がいなくなった。
だから、「倒す相手は自分だ」と・・・・・。
修験僧の雰囲気を醸し出していた。
 超一流選手が見せた所作・言葉には、私だけなく大勢の人がパンデミックに立ち向かうエネルギーを授かり感銘を受けたものだ。

 心技体を揃った彼は、一本勝ちにこだわり、勝っても敗者を慮り、余計な感情を一切表さず、儀礼正しく一礼して会場を後にしていた。
いつもは、無表情でコートを去る彼。優勝決定戦の戦いが終わった際には、奥歯を「グイ」と噛みしめるしぐさが、未だに思い出される。

 東京2020で史上最多58個のメダル獲得―金は27個であった。 
各国のメダル獲得数を金銀銅の合計で比較するものと金メダル獲得数だけで評価するものとがある。やはり、多くに国では、金メダル獲得数で各国の順位を決められているようだ。金メダルは、後塵を拝さない座なのだ。銀メダルとは、頂点に届いていないのである。

 でも、私の心に刺さった銀メダリストがいた。
「1番じゃないと嫌なんです」 負けず嫌いの「清水希容」の演舞の表情が忘れられない。
空気を鋭く切り裂く容姿には、鋭い気迫が指先までみなぎっていた。
 あどけない少女の顔から、鬼をも打ち殺す形相に変わっていく表情に見惚れてしまった。
清水は「ここまでくるのにすごく…すごくしんどかった。ここで勝ちたかったですけれど、悔しいです」と流れる涙をぬぐっていた。
実らぬ悔しさをにじませていた。

 私の心に刻み込んでいったアスリートは、この二人。身をもって戦い、言葉を残していった。

最後に、
 人形付きのオリンピック ビクトリーブーケがメダリストたちに贈呈さられた。元々は復興五輪として決まった東京五輪。復興の象徴として、「ひまわり」が用いられた。
宮城県石巻市の大川小学校では70人の子供たちと10人の先生が津波の犠牲になった。犠牲になった小学6年生の女の子のお母さんが「この丘にひまわりが咲いたら、あの子が喜んでくれるかも」と、ひまわりの種が植えられ、毎年ひまわりが咲くようになったと伝えられている。ひまわりには、そんな親たちの願いがあった。
 ところで、東京五輪・パラリンピックの選手村で提供される食事に福島県の食材が使用されることについて、物議をかもしたのが韓国。 
韓国各紙は、「メダルを取ると、放射能危険のあるブーケをもらうことになる」と揶揄していた。バカバカしい話だが。

 ところで、メタリストを受け取った韓国の選手には、ブーケの受け取りを拒否する人物がいなかったのが幸いだ。









Posted by nonio at 16:55Comments(0)気になるニュ-ス

2020年04月20日   なぜ訪問者が増加した/コロナ

  よりによって、4月1日、小生のブログが毎日PV200に満たないのに、あれよあれよという間にPV5732(訪問4792)。この日は、エイプリルフール。誰かのいたずら或いは誤動作と思った。

 念のためにアクセス解析用の「検索キーワード」を開いてみると、 「豊郷町・ウサギと亀」・「豊郷小学校 うさぎとかめ」・「滋賀 豊郷 兎と亀」・「豊郷町 兎と亀」・・・・などの豊郷町と兎と亀に関わる文字で満たされていた。 どうも、小生の豊郷小学校のウサギとカメブロンズ像ブログに殺到してきたようだ。

 10年前、ウィリアム・メレル・ヴォーリズにより設計された豊郷小学校が、老朽化、耐震性に問題があることに端を発し、解体か存続で揺れた。その時、小生、その小学校に興味を持ち訪れたことがあった。鈍い光沢を放っていた「兎と亀」ブロンズ像の写真をブログに載せたものである。

 さて、かんさい情報ネットten. 読売テレビの中で、水曜日にお宝発見!街かど トレジャーのコーナーがある。テンガロンハットを着用した増田氏が関西のいろんな街を訪れ、その街の人々が大切にしている宝物を紹介するものである。
 4月1日滋賀県犬上郡豊郷にある“謎の〇〇と●●”の答えを求めて、歩いたようだ。
ヒントは、イソップ物語の「うさぎとかめ」!?豊里小学校で分かる!?・・・・・。

 豊郷小学校にやっとたどり着いたのだが、コロナ騒動で立ち入り禁止となり、撮影不可となったようだ。このため、「豊郷小学校のウサギとカメブロンズ像」とはどんなものか、躍起となってインターネットで検索。
その結果、我ブログへ数時間の内に5000件ほどアクセスされた。メディアの伝播力と云うのか、ひとの行動とは、本当に恐ろしいものと実感。

 小生が、コロナ問題でこんな形で関わるとは思ってもみなかった。ついでに、知事のコロナ騒動に一言。

 安倍首相が新型コロナウイルスの感染者が急増している東京都など7都府県に緊急事態宣言を発令後、7都府県は、都と同様に幅広い業種に休業を要請することで足並みをそろえた。

 この間、命と経済また緊急事態宣言(休業要請)と補償で、論戦が交わされた。各都道府県知事のちょっとした発言の中に、その人の人間力が見られた。リーダーたるもの、得体の知れない難局に対峙する際、先見の明が何よりも重要と思っているのだが、色んな方がいらっしゃるものだ。

 新型コロナ対応を巡る知事のハッシュタグの一言評価は、誠に凄い。
「#吉村寝ろ」「#百合子ありがとう」「#大村寝てろ」「#井戸起きろ」 「#森田考えろ」 。この評価は小生の考えにぴったりだ。
判らないのが、知事間の内輪話を持ち出した黒岩だ。「#黒岩文句言うだけ」「#黒岩自分で考えろ」などあるが、やはり「#寝言言うな」。

 目の下にクマが出来た吉村知事の「オール大阪で新型コロナのワクチン開発、9月実用化をメドに」とは頼もしい。終息をさせるのはワクチンの開発だ。
国とやり合った小池知事は、「(知事の権限は)代表取締役社長かと思っていたら、天の声がいろいろ聞こえてきて、中間管理職になったような感じだ」と不満を口にした。名言だネ。
名古屋外しの「#大村寝てろ」、他人事のような発言の「#井戸起きろ」、どっちでもよいのが「#森田寝ずに考えろ」。

 最後に、R0再生産数2.5では行動制限する人(p)の計算では割合6割になる。だが、エビデンスに基づいた補正で8割をガンと譲らなかった「8割おじさん」にも「#西浦寝ろ」だ。

 ひとは、本論より、話の端々に興味を持つものである。何気ない言葉に、その人の本音を見抜くものだ。





















Posted by nonio at 05:11Comments(0)気になるニュ-ス

2020年04月10日   シクラメンのフェイク

 手狭な私の部屋に友達からもらった「風らん」の鉢を置いたことがあった。
「風ラン」と呼ばれているのは、「風を好む」ということなのであろう。風に運ばれて、樹上などの風通しの良いところで、暮らす風流な蘭だと思っていた。が、この生き物、只者ではなかった。

 6~7月梅雨頃になると可憐な白色の花を精一杯咲かせた。次いで夕闇が迫る頃になると妖艶なる“かおり”を室内に満たし、私を引き寄せた。
そもそも「風らん」と夜行性昆虫は、気の遠くなるほどの歳月を費やし共進してきた間柄。だのに、「人」まで魅了してくるとは。

 この相棒、長年あれこれ世話を焼いたが、枯死した。

 最近、冬の鉢花の女王とも呼ばれている「シクラメン」の小鉢を身近に置いてみた。
椋佳氏の歌詞の「シクラメンのかほり」から、紅色かかった花が咲いたので、仄かな芳香を期したが、何もなかった・・・・。

 この題名は「・・・・かおり」と思っていたのだが、しっかり読むと「・・・・かほり」。小椋桂の奥方の名前は「桂穂里」。
タイトルから怪しい『小椋桂いたずらに』新潮文庫P90~93をAmazonから取り寄せ、パラパラめくっていると、興味深い記事を見つけた。

   『“シクラメンのかほり”“薄紫のシクラメン”は実在しないものです。これは完全に遊びです。言葉遣いに関しても、「清し」「季節がほほをそめて」「暮れ惑う」等は皆、北原白秋の詩からの借用です』と、本心を吐露していた。
 どうも、伝えたかったことは、未解決の問題が容赦なく過ぎて行く不安定の様子を“時が追い越してゆく”との言葉で言い表したかったようだ。
これに二人を追加したことによって恋歌となり、思わぬ方向に進んだようだ。

時が二人を追い越してゆく
呼び戻すことができるなら
僕は何を惜しむだろ う


 作詞・作曲した小椋佳さんが「この歌が僕の代表曲になるのでしょうか 何か物足りない気がしているんです 未だになぜこの歌が一番評判になったのかわからないです」と綴られている。 1975年に大ヒットし、日本レコード大賞、日本歌謡大賞、FNS歌謡祭などで最優秀グランプリを受賞した。

 「偽り」に固められた「シクラメンのかほり」であった。が、こんな楽しいフェイクはいかが!

 いまや、世界へ広がりつつある新型コロナウイルスによって、新聞・TV・ラジオもずっとコロナウイルスで持ち切り。この不安な状況下では、「トイレットペーパーが不足する」とのフェイクニュースが出た。

 2/27午前10時「トイレットペーパーが中国から輸入できず、品切れになる」という投稿に火がついた。「大半が国産だよ」「落ち着いて」といったデマを否定する投稿が、翌2/28までの2日間で累計32万件にも達した。が、デマと分かりながら、トイレットペーパーの買い占め騒動に発展。 火消が、むしろ、火勢を強めたデマ否定リツイートだった。

 人は噂話が好きで、信じてしまい、色んなことが起こるものだ。

 ところで、全世界で1200万部売れたという「サピエンス全史」ユヴァル・ノア・ハラリ著を読んでみたら。
10万年前の地球にネアンデルタール人など6種類の人類が生存していた。その中で、なぜホモ・サピエンスのみが唯一生き延び、現代文明を築いたか?我ら祖先のホモ・サピエンスは、特別優れた能力を持ち合わせていなかったが、噂話が好きだった。

 
 















Posted by nonio at 06:21Comments(2)四季気になるニュ-ス

2019年12月04日   詩仙堂/5歳少女が綴ったことば

   

 久しぶりに紅葉の詩仙堂に訪れた。ここは、あけっぴろげの室内から紅葉と白砂に丸く刈り込まれたサツキの庭園を眺めることができ、ゆったりとした気分にさせてくれるところである。
 
 一乗寺下り松町バス停で下車した。観光地とは思えない住宅街を進み、 「一乗寺の下り松」を横目に狭い坂道を登っていくと、 すぐに右手に詩仙堂の鄙びた「山門」があった。
 朝早く、観光客が疎らなのに案内人が各路地の角に突っ立っていた。
「観光公害」という言葉も使われ始めた昨今、住民との間に問題を生じないように配置させているのであろう。

 詩仙堂の入り口まで来ると、「史蹟詩仙堂」の石碑があり、葺きの門の正面には 横に長い木版額に、「小有洞」と文字が彫り込まれていた。この門をくぐり、竹林の中の道を行くと石段の上に「老梅関」という門があり、同じように「梅関」の扁額が揚げられていた。その門をくぐりぬけると詩仙堂の建物へと導かれた。 
 ある文人による風流三昧につくられたものであろうが、この日の私にとっては、石段をのぼりつめ、次に石を敷いた小道に出た。その突きあたりに、石段を登り詰めたところに・・・・と、長々二つの門も通過するのは むしろ、陰鬱な気分だった。

 それはさておき、 たどり着いた玄関前に 『生死事大』の木板が飛び込んできた。

 室内に入っていくと、案内役の女の子がいたので、木版の事を聞いてみた。
「時折、このことを尋ねられます。『右から、しょうじ-じだい【生死事大】』」と読みます。
「時は無常に過ぎ去っていきます。今を生きていることが、大切なことであるという教えです」と説明してくれた。
 
「死という字を、『ジ』と読むのですか」と聞き返した。
「生」の字は100以上いや150の読み方があるのだが、「死」という字は音・訓ともに「シ」で、それ以外の読み方がないので、聞き直したてみた。
「そう教えてもらっています」

 そうこうしている内に、読み方などどちらでもよかった。『生死事大』の文字から、5歳の女の子船戸結愛ちゃんが、生死の瀬戸際に立たされ、綴ったことばが脳裏に蠢いてきた。

 朝の4時に起こされて、毎日、ひらがなの練習をさせられていた。

「ママ もうパパとママにいわれなくても しっかりとじぶんから きょうよりかもっと あしたはできるようにするから もうおねがいゆるして ゆるしてください おねがいします
ほんとうにもうおなじことはしません ゆるしてきのうぜんぜんできなかったこと
これまでまいにちやってきたことをなおす
これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだからやめる もうぜったいぜったいやらないからね ぜったいやくそくします
もうあしたはぜったいやるんだぞとおもって いっしょうけんめいやる やるぞ」
「きょうよりか もっともっと あしたはできるようにするから」


 船戸結愛ちゃんが、現世に生き残るための渾身の伝言だったが、もういない。

 山の麓に建てられた詩仙堂には、夜中に出没するイノシシや鹿を追い払うために日本ではじめて「ししおどし」が考案されたものらしい。筒竹に水が注がれ、いっぱいになると傾き石を打ちつけることで、音を響かせるものだが、その響きは、やけに物悲しかった。






Posted by nonio at 06:03Comments(2)気になるニュ-ス京都

2019年02月23日   2019年スーパームーンの雑記

 
 2019年2月19日夜から20日明け方に「スーパームーン」になることをTVや新聞などでしった。
 月が地球を円軌道で回っている場合には、「スーパームーン」も起こらないが、 2つの焦点を持つ楕円を描きながら回っているので、月が地球に近づいたり遠のいたりしている。この接近した時に見られる満月(もしくは新月)を、スーパームーンと言っている。だから、大きく見え、明るく輝いていると言うのである。

 数年前の一眼レフカメラを持たない私では、この報道に気が動くものでなかった。今回のスーパームーンは、最近、最も近づいた2016年のスーパームーンに次いで2番目に近い距離に接近することを分かった途端、心が躍った。
 
 でも、こんなことに興味のない者にとっては、「スーパームーン、それで・・・・」。

 気ぜわしく過ごしている現代人にとって、毎日の暮らしに月がかかわりを持っていないので、当然の返答だ。が、一昔前の人達は、月と深く関わっていたようだ。
 
 そもそも、昔の「こよみ」は、月が地球の周りを一巡するほぼ30日(29.53日)を基準にして、暦がつくられていた。
月の満ち欠けをもとにして、日付を決め、新月(一日)→繊月(二日)→三日月(三日)・・・ときめ細かく名前も付けられた。月の形をみれば、今日が何日なのわかるほど、月は毎日の暮らしに根付いていたのだ。
明治5年(1872年)に入って新暦に変わるまで、飛鳥時代から実に1000年以上も月を基礎にした旧暦が公式の暦であった。人は実に長い期間、月を眺めて日を追っていたことか。
 
 例えば十五夜とは、9月15日ころに見られる満月のことを指している。月の周期を基準とした"こよみ"では、新月を毎月1日としてほぼ15日で満月を迎えるので、満月の夜のことを十五夜といった。そして、団子を供えて月見が楽しまれてきた。
今では、月を愛でそんな風流な趣向を持った人に出合わなくなった。 太陽の動きを基準にしている現在の暦では、満月の日にズレが生じ、疎遠になったかもしれない。

  小生ごとの子供のころ、月の影を眺めながら、「うさぎ うさぎ なにみて はねる 十五夜お月さま みてはねる~」と歌っていた
「月ではうさぎが餅つきをしている」と教えられ、月にはウサギが住んでいると思っていた。

 1969年、人類が初めて月面を歩いた。隕石の衝突によって生まれた「海」と呼ばれ、黒く見えているところである。月面の中央から東寄りにある海で、月のウサギの顔の模様のところにアポロ11号が着陸したのだ。この放映にしがみ付いたことがあった。
無論、兎はいなかった((笑)

 スーパームーンの写真を撮って、せめて、クレーターや凹凸が描き出す濃淡模様にウサギを描き、月に近づきたいと思った。

 スーパームーンが2月20日、00時54分頃に最高潮に達するのだが、予報では低気圧が通過し、西日本の夜空を雨雲だったので、念のため前日19日に撮っておいた。何枚も撮影条件を変えて撮った。その内の1枚を選んだ。

・撮影モード:マニュアル撮影モード(Mモード)
・望遠レンズ:200mm
・絞り:F8
・シャッター速度:1/500 
・ISO感度:800
・ホワイトバランス:太陽光
・画像サイズ:7952X75304
・三脚

撮影モードをマニュアル(Mモード)にして、絞りをF8くらいに設定。
月は結構明るいので、シャッター時間は1/100~1//800を探った。
ピントを合わせるAFフレームを中央ボタン押しロックオンにして、中心を合わせてシャッターを半押し。
露出補正は3段階連続ブラケットに設定。



 
 今後、月は賑やかになりそうだ。

 米航空宇宙局(NASA)が、月への有人着陸に向けて再び2020年代に完成を目指している。引力の少ない月面を手掛かりにして地球外に出ていこうとしている。また、中国から打ち上げられた無人探査機の「嫦娥4号」が、世界で初めて地球からは裏側となる月面のクレーターに着陸したそうだ。 月面には未来の核融合発電の燃料となるヘリウム3などが大量にあるとされ、これらの資源獲得が狙いだという。

 今や、月は、おとぎ話の世界ではなくなってきた。



 



2018年01月01日   都道府県別の男性平均寿命の一位が滋賀県

  
 『滋賀県なんでも一番』は、やはり、滋賀県の男性の平均寿命81.78歳が全国一位になったことです。滋賀県民として一つ誇れることができました。

さて、最近平均寿命と健康寿命が取り沙汰されています。 平均寿命が延びても、「健康で生きられる期間」が 延びなくては、意味がないと考える人も多くおられます。

 滋賀県の「健康で生きられる期間」も延びているのだうか

東京大などの研究チームが、発表したところによると、滋賀県が男女合わせた平均寿命と健康寿命が、ともに日本一位だそうです。

 滋賀県民の長寿の秘訣は、旅行・行楽へ出かける人の数が全国1位らしいが、琵琶湖を中心にして、健康に・楽しく・長生きできる環境が整っているからでしょう。

琵琶湖の夜明け





2017年12月14日   初雪の徳山ダム

  
  写真家O氏の案内の下、揖斐川上流に建設された総貯水量日本一を誇る徳山ダム湖に赴いた。ここは観光客が訪れるより、写真愛好家がやってくる、とっておきの場所。

 紅葉を迎えた徳山ダムは、どこを切り取っても画になるところ。何処が撮影ポイントになるかわからないまま、ダムの一番奥のトンネル工事を行っているとこまでやってきた。ダム湖の最深部から撮影ポイントを求め、徳山会館まで行ったり来たり。何百枚ものシャッターを切った。

 一夜明け、雪が降ったのであろう徳山ダムの光景が一変していた。ここにあるのは、茫々たる光景に静けさと澄み切った空気だけ。







 徳山ダムの建設により、「466戸・522世帯(約1,500名)全村水没」という事態に至った。かつて人々の生活の場所を示す本郷地区家並図の石碑の前には、なみなみと湛える湖水が広がっていた。木々の立ち枯れている姿が何とも虚しい。いずれ全てが水没するだろう。

 人気のしない寒々したダムの一番奥のトンネル工事場で、ふと、私の目に留まったのが、「 地図に残る仕事」の表示板だった。
何気ない言葉だが、人気のない山奥で力強く働いている建設屋たちの気迫漂う決意と言うか、万感の誇りが感じられシャッターを切った。








Posted by nonio at 10:28Comments(0)気になるニュ-ス

2017年06月18日   硬貨に関るクイズ

 
 妻が、一円、五円、十円、五十円、百円、五百円の硬貨をジャラジャラ鳴らしながら、
「この硬貨の中で、違いが一つだけある。分かるかな・・・」、とクイズを出しに来た。

 わたしは、6枚あれこれと詮索しながら眺めてみたが、一向に分からなかった。

ヒントを呉れるようにと言うと、
「日本人には違和感がないが、外国人にとっては難しい」。

 再度数字を読み上げながら眺めてみると、・・・・・。
やっと判った。答えは”続きを読む”

 ひらめき・記憶・瞬発力・発想を鍛えるクイズは、脳を活性化してくれるものだ。

一事例の硬貨の写真







続きを読む

タグ :硬貨


Posted by nonio at 16:28Comments(0)気になるニュ-ス

2016年10月25日   神戸「南京町」にて中国を憂う

 
  「阪急神戸三宮駅」に関西の台所として栄えた神戸のチャイナタウンがある。この南京町には、中華料理店、雑貨店、食材店などが軒を連ね、中国情緒豊かな町並みが東西約270m、南北約110mの狭いエリアに集まっている。日本語・中国語が飛び交い人・人で溢れ返っていた。
賑わう南京町

南京町広場
 
 「南京」と言えば、日本人による南京大虐殺が起こし、中国にとっては反日のシンボルになっている地名。だが、日本の南京町に大勢の中国人が来ていた。この落差は何だろう。本当に、理解し難い国である。
 
  今年3月に公表された内閣府の世論調査で、日本人が中国に対して「親しみを感じない」と「どちらかというと親しみを感じない」を合わした合計の割合が83.2%に達した。1975年から続くこの調査で、過去最悪の数字である。かつては「親しみを感じる」が8割近くもあったのに。 
引っ越しもできない中国とは付き合っていかなければならないので、綴ってみた。
 
 現中国の国際ルール・常識を無視した悪行には、うんざり。数え上げても限がない・・・・。
 
南シナ海が自国の領域 (オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所の裁定は紙くずと切り捨て)
あらゆる分野でパクリ (中国では「山寨」。「パクリ」「モノマネ」「ニセモノ」の意味の中国語)
昨年は「爆買い」が流行語 (日本では心配しながら物を買う必要がない)
サーバー攻撃(オバマ会談で中国のサイバー攻撃に悩んでいるのが習近平というパラドックス )
公害の垂れ流し (G20首脳会談「青空」へ力ずく。)
・チベットやウイグルに対する人権侵害
・軍事増強

膨大な人口を有している中国は、質でなく拡大とか量的なことが、お好きなようだ。

 日本を抜いて世界2位の経済大国にのしあがってきた中国は、軍事力を背景にして、1947年に当時の中華民国が作成した南シナ海の地図に11の破線を初めて登場させた。十一段線は、あまりにも広すぎたと、気が引けたのか9つの線「九段線」内を自国の領海とみなし、権益の領有化を主張。 

 これに対して、オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所の裁定では違法としたが、この裁定を紙クズ呼ばわりしている。他国のものも自国のとものと主張する傍若無人な振る舞いは、世界に後進国のイメージが植えつけられたようだ。

 中国は、日本固有の尖閣諸島の領有権を、強く主張するようになり、中国海警局の船舶は今年に入ってからも連日のように尖閣諸島周辺の接続水域を航行している。これまで中国が南シナ海で行ってきた侵略行為と同じパターンで虎視眈々と戦略的に海洋進出を進めてきている。

 習近平はアメリカと中国で太平洋を2分しよう、と大真面目に豪語している・・・・・。
 四面を海に囲まれた日本の国土面積は約38万k㎡で世界61位。しかし領海と排他的経済水域(EEZ)を含めると世界第6位の広さになっている。日本こそが海洋国家である。 この日本の広い海洋権益を守り抜く必要がある。

 昨年、中国人観光客の「爆買い」が日本の流行語大賞になった。「日本で購入すると、粗悪品をつかまされることがない」と言っている。特に、日本の高級ブランドの中古品は人気がある。彼らは、「日本で本物を買えば、中国に持って帰るとすぐに買い手が見つかる」と。 

 国内では、すぐさまデザインを盗用し、低価格の模倣品・海賊版があちこちから出回る。だから、中国人自身が、自国製品に対して信頼できないのである。悲しいことだ。 つまり、国民には商品・コンテンツにおける知的財産権(特許権・商標権・著作権・意匠権・実用新案権)が大切であるとの意識が薄いようだ。ところが、商標、意匠などを先取りして制度を悪用している。 iPadは、誰もがアップル社の商品名であると思っていた。が、中国でこの名前の商品登録がされていた。この「iPad」をめぐっての商標権が問題となり、法外な金額支払いを要求したことがあった。バカバカしい話だ。

 また、自国で時間と費用が掛かる技術開発するより、手っ取り早いサーバー攻撃にて情報を入手することに精力を注ぐ国である。
2015年10月22日 習近平・オバマ首脳会談で証拠を提示されても、中国のサイバー攻撃に最も悩んでいるのが、習近平本人だと言い切ったパラドックスには恐れ入る。
 面子を重んじる同国は、杭州で4日開幕するG20首脳会談に向けて、工業地帯の中心地にある数百もの工場に、2週間の操業停止を命じた。 力ずくで「青空」を維持しているようでは、何をか言わん。

 現在の中国では基礎的な科学などの進歩よりも、とにかく目先の利益を最優先してきた。しかしながら、この国の長い歴史を振り返ると、決してそうではない。

 8世紀、中国は優れた最新の文化、先進技術を持った東アジアの大国として君臨していた。日本は、船が遭難して遣唐使の帰還率は60%と言われ、何人も命を落としてまで、唐に渡った。遣唐使によってもたらされた情報によって、平城京が建設された。日本の国づくりまで学び尊敬すべき国であった。

 15~16世紀、ヨーロッパに大きな社会的変革をもたらした三つの発明と言われる火薬・羅針盤・活版印刷術は、いずれも中国伝来のものを改良・実用化したものである。 
 磁石が南北を指すことを発見したのは中国人が最初である。黒色火薬としても知られる火薬の歴史は9世紀、不老不死の薬を探し求めていた錬金術師によって発明された。中国は製紙技術のおかげで書物という形で知識を蓄えることができた。科挙の制度ができて、身分によらず身分に関係なく一般人が出世できる官僚制度を世界で最初に作ったのは中国だ。  ちなみに世界で紙幣を最初に導入したのも中国。それから500~600年遅れて、西欧やアメリカで紙幣が生まれている。これらは、当時の中国の先進性を示すものである。

 現中国の姿から想像できないほど素晴らしい国であった。世界史の中での人類に役立つ技術をリードしてきたのは、間違いなく中国で生まれていた。

 さて、中国がGTP国内総生産世界2位になったとうそぶいている間は、たいしたことはない。 もう一度、模倣でなく、知的財産を優先したサイエンスなどを重視する国になってほしい。

 その国のサイエンスのレベルを表す一つのバロメーターとしてノーベル賞数がある。  

 大隅良典さん、日本人25人目のノーベル賞ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった。 
 会見で大隅さんは、今回の受賞につながった研究を始めたいきさつについて、「人がやらないことをやろうという思いから、研究を始めました。強調したいのは、この研究を始めたときに必ず『がん』の研究につながるとか、『寿命』の研究につながると確信して始めたわけではありません。そういうふうに、基礎研究が転換していくんだということを強調しておきたいです」と述べ、自然科学の分野での基礎研究の重要性を強調しました。
 また、「サイエンスは、どこに向かっているのかがわからないところが楽しいのです。『これをやったらよい成果につながります』と言うのは、サイエンスにとってはとても難しいことです。すべての人が成功するわけではありませんが、チャレンジすることが科学の精神であり、その基礎科学を見守ってくれる社会になってくれることを期待したいです」
と述べている。
 
 ところで、今の中国ではどうだろうか? 

 昨年、医学生理学賞を受賞した屠女史は、平和賞の劉暁波氏(2010年)、文学賞の莫言氏(2012年)に続いて、中国人では3人目のノーベル賞受賞者である。2010年にノーベル平和賞を受賞した劉暁波は、いまだに中国の獄中にいる。また、屠女史は中国初の科学分野の受賞者だ。今後の中国の科学の発展を期待させるに十分だが、称賛よりも批判と疑問の声に取り巻かれている。むしろ嫉みが横行している。

 ノーベル賞に対して、中国の上層部も民衆も、重要視していない。常に損得勘定で相手が敵か味方か懐を探り合いながら、摩擦や衝突や競争を繰り返してきた。だから、信用できるものは金銭である。現在の中国の世態には、ゴールが見えない基礎研究などには、無関心である。

  これに対して、日本では、ノーベル賞受賞者が決まると、号外が出て皆が喜び・祝福する国である。自国のノーベル賞受賞者に対して、尊敬のまなざしを持っている。だから、ノーベル賞の受賞者が多いのも頷ける。 ノーベル賞のパロディ賞であるイグノーベル賞と言うのもある。ここでも、これで日本は10年連続になる素晴らしい成果を収めている。
 世界中のさまざまな分野の研究の中から、他の誰 もやりそうにない、思わず笑いがこぼれるユニークな研究や開発に授与されるものである。今年の日本人が受賞は、立命館大学などの研究者が頭を逆さにして両足の間から見る「股のぞき」をするとなぜ、美しいと感じるのかが、選ばれた。イグノーベル賞まで受賞していることは、日本の国力に余裕すら感じる。

 日本は、何時、役に立つかわからない人類が到達していない未知の世界に挑戦することを称賛する国である。このことが、国力の底力を押し上げる近道であることを、判っているようだ。
 
 中国が、手っ取り早い模倣・技術を盗む方向性から、かつて世界に先駆けて創造的で革新的な国であったように、根っこのところで変貌して成熟するまでは、ほどほどに付き合うことだ。
 それまでは、出来ることなら、中国人がもっと日本に来て、素晴らしい国であることを知ってほしい。

 徹底した反日教育と、量産される「抗日ドラマ」の洗脳にもかかわらず、日本を訪れた中国人の大半は日本を好きになってしまうらしい。

中国メディアの簡書は、中国人女性の旅行記を紹介したこの女性は「一般的な中国人と同じく、日本を憎みながら育った」ものの、周囲で「大げさなほど日本を持ち上げ始めた」訪日経験者が増えたため、先入観抜きで日本を旅してみようと決めたという。
 最初の「ショック」は公衆トイレから始まったという。「普通の公衆トイレ」には窃盗を恐れずトイレットペーパーが2個も備え付けてあり、便座は多機能で、紙は質が良くて水に溶けるため、中国では「紙を流すという非常識なこと」が日本では「常識」になっている、と驚きを綴った。筆者は「一葉知秋(一枚の落葉から秋を知るの意)」という中国の成語を引用し、「ここまで細かなところにまで国民の健康に気配りができるとは」と感心。トイレ1つから日本について多くのことが分かったようだ。