2016年10月25日    神戸「南京町」にて中国を憂う

 
  「阪急神戸三宮駅」に関西の台所として栄えた神戸のチャイナタウンがある。この南京町には、中華料理店、雑貨店、食材店などが軒を連ね、中国情緒豊かな町並みが東西約270m、南北約110mの狭いエリアに集まっている。日本語・中国語が飛び交い人・人で溢れ返っていた。
賑わう南京町
神戸「南京町」にて中国を憂う
南京町広場
神戸「南京町」にて中国を憂う 
 「南京」と言えば、日本人による南京大虐殺が起こし、中国にとっては反日のシンボルになっている地名。だが、日本の南京町に大勢の中国人が来ていた。この落差は何だろう。本当に、理解し難い国である。
 
  今年3月に公表された内閣府の世論調査で、日本人が中国に対して「親しみを感じない」と「どちらかというと親しみを感じない」を合わした合計の割合が83.2%に達した。1975年から続くこの調査で、過去最悪の数字である。かつては「親しみを感じる」が8割近くもあったのに。 
引っ越しもできない中国とは付き合っていかなければならないので、綴ってみた。
 
 現中国の国際ルール・常識を無視した悪行には、うんざり。数え上げても限がない・・・・。
 
南シナ海が自国の領域 (オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所の裁定は紙くずと切り捨て)
あらゆる分野でパクリ (中国では「山寨」。「パクリ」「モノマネ」「ニセモノ」の意味の中国語)
昨年は「爆買い」が流行語 (日本では心配しながら物を買う必要がない)
サーバー攻撃(オバマ会談で中国のサイバー攻撃に悩んでいるのが習近平というパラドックス )
公害の垂れ流し (G20首脳会談「青空」へ力ずく。)
・チベットやウイグルに対する人権侵害
・軍事増強

膨大な人口を有している中国は、質でなく拡大とか量的なことが、お好きなようだ。

 日本を抜いて世界2位の経済大国にのしあがってきた中国は、軍事力を背景にして、1947年に当時の中華民国が作成した南シナ海の地図に11の破線を初めて登場させた。十一段線は、あまりにも広すぎたと、気が引けたのか9つの線「九段線」内を自国の領海とみなし、権益の領有化を主張。 

 これに対して、オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所の裁定では違法としたが、この裁定を紙クズ呼ばわりしている。他国のものも自国のとものと主張する傍若無人な振る舞いは、世界に後進国のイメージが植えつけられたようだ。

 中国は、日本固有の尖閣諸島の領有権を、強く主張するようになり、中国海警局の船舶は今年に入ってからも連日のように尖閣諸島周辺の接続水域を航行している。これまで中国が南シナ海で行ってきた侵略行為と同じパターンで虎視眈々と戦略的に海洋進出を進めてきている。

 習近平はアメリカと中国で太平洋を2分しよう、と大真面目に豪語している・・・・・。
 四面を海に囲まれた日本の国土面積は約38万k㎡で世界61位。しかし領海と排他的経済水域(EEZ)を含めると世界第6位の広さになっている。日本こそが海洋国家である。 この日本の広い海洋権益を守り抜く必要がある。

 昨年、中国人観光客の「爆買い」が日本の流行語大賞になった。「日本で購入すると、粗悪品をつかまされることがない」と言っている。特に、日本の高級ブランドの中古品は人気がある。彼らは、「日本で本物を買えば、中国に持って帰るとすぐに買い手が見つかる」と。 

 国内では、すぐさまデザインを盗用し、低価格の模倣品・海賊版があちこちから出回る。だから、中国人自身が、自国製品に対して信頼できないのである。悲しいことだ。 つまり、国民には商品・コンテンツにおける知的財産権(特許権・商標権・著作権・意匠権・実用新案権)が大切であるとの意識が薄いようだ。ところが、商標、意匠などを先取りして制度を悪用している。 iPadは、誰もがアップル社の商品名であると思っていた。が、中国でこの名前の商品登録がされていた。この「iPad」をめぐっての商標権が問題となり、法外な金額支払いを要求したことがあった。バカバカしい話だ。

 また、自国で時間と費用が掛かる技術開発するより、手っ取り早いサーバー攻撃にて情報を入手することに精力を注ぐ国である。
2015年10月22日 習近平・オバマ首脳会談で証拠を提示されても、中国のサイバー攻撃に最も悩んでいるのが、習近平本人だと言い切ったパラドックスには恐れ入る。
 面子を重んじる同国は、杭州で4日開幕するG20首脳会談に向けて、工業地帯の中心地にある数百もの工場に、2週間の操業停止を命じた。 力ずくで「青空」を維持しているようでは、何をか言わん。

 現在の中国では基礎的な科学などの進歩よりも、とにかく目先の利益を最優先してきた。しかしながら、この国の長い歴史を振り返ると、決してそうではない。

 8世紀、中国は優れた最新の文化、先進技術を持った東アジアの大国として君臨していた。日本は、船が遭難して遣唐使の帰還率は60%と言われ、何人も命を落としてまで、唐に渡った。遣唐使によってもたらされた情報によって、平城京が建設された。日本の国づくりまで学び尊敬すべき国であった。

 15~16世紀、ヨーロッパに大きな社会的変革をもたらした三つの発明と言われる火薬・羅針盤・活版印刷術は、いずれも中国伝来のものを改良・実用化したものである。 
 磁石が南北を指すことを発見したのは中国人が最初である。黒色火薬としても知られる火薬の歴史は9世紀、不老不死の薬を探し求めていた錬金術師によって発明された。中国は製紙技術のおかげで書物という形で知識を蓄えることができた。科挙の制度ができて、身分によらず身分に関係なく一般人が出世できる官僚制度を世界で最初に作ったのは中国だ。  ちなみに世界で紙幣を最初に導入したのも中国。それから500~600年遅れて、西欧やアメリカで紙幣が生まれている。これらは、当時の中国の先進性を示すものである。

 現中国の姿から想像できないほど素晴らしい国であった。世界史の中での人類に役立つ技術をリードしてきたのは、間違いなく中国で生まれていた。

 さて、中国がGTP国内総生産世界2位になったとうそぶいている間は、たいしたことはない。 もう一度、模倣でなく、知的財産を優先したサイエンスなどを重視する国になってほしい。

 その国のサイエンスのレベルを表す一つのバロメーターとしてノーベル賞数がある。  

 大隅良典さん、日本人25人目のノーベル賞ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった。 
 会見で大隅さんは、今回の受賞につながった研究を始めたいきさつについて、「人がやらないことをやろうという思いから、研究を始めました。強調したいのは、この研究を始めたときに必ず『がん』の研究につながるとか、『寿命』の研究につながると確信して始めたわけではありません。そういうふうに、基礎研究が転換していくんだということを強調しておきたいです」と述べ、自然科学の分野での基礎研究の重要性を強調しました。
 また、「サイエンスは、どこに向かっているのかがわからないところが楽しいのです。『これをやったらよい成果につながります』と言うのは、サイエンスにとってはとても難しいことです。すべての人が成功するわけではありませんが、チャレンジすることが科学の精神であり、その基礎科学を見守ってくれる社会になってくれることを期待したいです」
と述べている。
 
 ところで、今の中国ではどうだろうか? 

 昨年、医学生理学賞を受賞した屠女史は、平和賞の劉暁波氏(2010年)、文学賞の莫言氏(2012年)に続いて、中国人では3人目のノーベル賞受賞者である。2010年にノーベル平和賞を受賞した劉暁波は、いまだに中国の獄中にいる。また、屠女史は中国初の科学分野の受賞者だ。今後の中国の科学の発展を期待させるに十分だが、称賛よりも批判と疑問の声に取り巻かれている。むしろ嫉みが横行している。

 ノーベル賞に対して、中国の上層部も民衆も、重要視していない。常に損得勘定で相手が敵か味方か懐を探り合いながら、摩擦や衝突や競争を繰り返してきた。だから、信用できるものは金銭である。現在の中国の世態には、ゴールが見えない基礎研究などには、無関心である。

  これに対して、日本では、ノーベル賞受賞者が決まると、号外が出て皆が喜び・祝福する国である。自国のノーベル賞受賞者に対して、尊敬のまなざしを持っている。だから、ノーベル賞の受賞者が多いのも頷ける。 ノーベル賞のパロディ賞であるイグノーベル賞と言うのもある。ここでも、これで日本は10年連続になる素晴らしい成果を収めている。
 世界中のさまざまな分野の研究の中から、他の誰 もやりそうにない、思わず笑いがこぼれるユニークな研究や開発に授与されるものである。今年の日本人が受賞は、立命館大学などの研究者が頭を逆さにして両足の間から見る「股のぞき」をするとなぜ、美しいと感じるのかが、選ばれた。イグノーベル賞まで受賞していることは、日本の国力に余裕すら感じる。

 日本は、何時、役に立つかわからない人類が到達していない未知の世界に挑戦することを称賛する国である。このことが、国力の底力を押し上げる近道であることを、判っているようだ。
 
 中国が、手っ取り早い模倣・技術を盗む方向性から、かつて世界に先駆けて創造的で革新的な国であったように、根っこのところで変貌して成熟するまでは、ほどほどに付き合うことだ。
 それまでは、出来ることなら、中国人がもっと日本に来て、素晴らしい国であることを知ってほしい。

 徹底した反日教育と、量産される「抗日ドラマ」の洗脳にもかかわらず、日本を訪れた中国人の大半は日本を好きになってしまうらしい。

中国メディアの簡書は、中国人女性の旅行記を紹介したこの女性は「一般的な中国人と同じく、日本を憎みながら育った」ものの、周囲で「大げさなほど日本を持ち上げ始めた」訪日経験者が増えたため、先入観抜きで日本を旅してみようと決めたという。
 最初の「ショック」は公衆トイレから始まったという。「普通の公衆トイレ」には窃盗を恐れずトイレットペーパーが2個も備え付けてあり、便座は多機能で、紙は質が良くて水に溶けるため、中国では「紙を流すという非常識なこと」が日本では「常識」になっている、と驚きを綴った。筆者は「一葉知秋(一枚の落葉から秋を知るの意)」という中国の成語を引用し、「ここまで細かなところにまで国民の健康に気配りができるとは」と感心。トイレ1つから日本について多くのことが分かったようだ。


















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この記事へのコメント
爺爺の手習い様

何時も訪問有難うございます。

少し、ブログを綴るのが、おっくになりました。
だから、長らく休んでいましたが、今回発信したところ、
早速、爺爺の手習い様からメールを頂き書く励みになりました。
Posted by noniononio at 2016年10月25日 17:33
こんにちは。
はじめまして。
本日は、内容に納得がいく良いお話をじっくり読ませていただき有難う御座いました。
Posted by 爺爺の手習い爺爺の手習い at 2016年10月25日 14:47
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