2010年10月14日 艶かしい伎芸天立像
10月6日(水)平城京への遷都から2010年で1300周年を迎えることを記念して開催されている。この平城遷都1300年記念事業を訪れた。
イベントの主会場となる平城宮跡では、平成13年から9年かけて大極殿が復原されていた。奈良時代、ここは、天皇の即位式・外国使節の謁見など国の重要な儀式に使われたところだ。
平城京歴史館のVTシアターは外国使節団が平城京を見た場合を想定し、最先端のVR技術により再現したもので、確かに迫力があり見応えがあった。平日に拘らず、1時間の待ち時間の盛況であった。
これら平城遷都1300年記念事業は、壮麗にして壮大なスケールを感じたに違いがないが、私にとってはそれ以上のことはなかった。
だが、秋篠寺(クリック→地図)に立ち寄った際、ここで、ひと際目を惹かれるのが 「伎芸天立像」だ。断っておくが、私は、仏像に興味を持っているわけでなく、偶然に出会っただけだ。
薄暗い堂内には、本尊の薬師如来三尊像を中心として、不動明王、帝釈天、愛染明王、日光菩薩・月光菩薩、十二神将像、地蔵菩薩、伎芸天などが、安置されていた。これらの仏像なかで、もう一度眺めたくなって足が向いたのが、伎芸天像であった。
手渡された秋篠寺少誌・尊像略記には次のように書かれていた。
「伎芸天像(ぎげいてん)) 頭部乾漆天平時代、体部寄木鎌倉時代、極彩色立像。密教経典「摩醯首羅大自在天王神通化生伎芸天女念誦法」等によって造顕れた経意によれば大自在天の髪際から化生さられた天女で、衆生の吉祥と芸能を主宰し諸技諸芸の祈願を納受したまうと説かれている。古くは各地に於いても信仰されたと思われるが現在では他に全くその遺例を見ず我国唯一の伎芸天像である。‥‥写実的作風は限り無い人間味を湛え古くより美術家文芸家等の間にも広く讃仰者を集めている」
秋篠寺は天皇家とも関連の深い寺院であり、由緒があるのであろう、余りのも硬い表現である。
ここに安置されてある仏像は、撮影禁止である。仏像が、見せられないが残念である。仕方なく、言葉で伝えよう。
伎芸天の右手は上げて人差し指と小指を伸ばし、首をかしげ、やや前傾して伏し目がちのふくよかな美人である。身体を腰で左にくの字に折って居る為に右のお尻が出ている。立像が不安定な中に魅惑を感じる不思議な姿である。
頭には一風見慣れない曲線をもった飾りがあり、オリエンタルな雰囲気も醸し出しているが、ふくよかな顔立ちなどからしては奈良時代の仏像のようだ。どうしても惹きつける仏像だ。仏像様には申し訳ないが実物を眺めれば、妖艶さが漂う姿にトリコになってしまうだろう。
案内係りのお坊さんは、「伎芸天像に憧れて遠くから、わざわざ秋篠寺にやってくる人が居られる」と話されていた。どうも隠れたフアンが居られるようだ。
「どのアングルで眺めるのが美しく見えるのか」と尋ねてみた。
「2箇所ある。正面でなく右側から、左側から」と答えた。
暗闇でゆっくりとしか移動できないが、言われた通りの2ツの角度から眺めると全く別人のようだ。
私は、右斜交いから眺める方が腰にアクセントがあり、魅力的な姿であった。
本当に予期してなかった素晴らしい仏様に会うことができ、驚いてしまった。
今まで、興福寺の阿修羅が大和で最も素晴らしいと思っていたが、この2ツが、大和の恋する仏像となったようだ。
伎芸天立像(クリック)をクリックされたい。少しは分かるかもしれないが、実物に優るものはない。
イベントの主会場となる平城宮跡では、平成13年から9年かけて大極殿が復原されていた。奈良時代、ここは、天皇の即位式・外国使節の謁見など国の重要な儀式に使われたところだ。
平城京歴史館のVTシアターは外国使節団が平城京を見た場合を想定し、最先端のVR技術により再現したもので、確かに迫力があり見応えがあった。平日に拘らず、1時間の待ち時間の盛況であった。
これら平城遷都1300年記念事業は、壮麗にして壮大なスケールを感じたに違いがないが、私にとってはそれ以上のことはなかった。
だが、秋篠寺(クリック→地図)に立ち寄った際、ここで、ひと際目を惹かれるのが 「伎芸天立像」だ。断っておくが、私は、仏像に興味を持っているわけでなく、偶然に出会っただけだ。
薄暗い堂内には、本尊の薬師如来三尊像を中心として、不動明王、帝釈天、愛染明王、日光菩薩・月光菩薩、十二神将像、地蔵菩薩、伎芸天などが、安置されていた。これらの仏像なかで、もう一度眺めたくなって足が向いたのが、伎芸天像であった。
手渡された秋篠寺少誌・尊像略記には次のように書かれていた。
「伎芸天像(ぎげいてん)) 頭部乾漆天平時代、体部寄木鎌倉時代、極彩色立像。密教経典「摩醯首羅大自在天王神通化生伎芸天女念誦法」等によって造顕れた経意によれば大自在天の髪際から化生さられた天女で、衆生の吉祥と芸能を主宰し諸技諸芸の祈願を納受したまうと説かれている。古くは各地に於いても信仰されたと思われるが現在では他に全くその遺例を見ず我国唯一の伎芸天像である。‥‥写実的作風は限り無い人間味を湛え古くより美術家文芸家等の間にも広く讃仰者を集めている」
秋篠寺は天皇家とも関連の深い寺院であり、由緒があるのであろう、余りのも硬い表現である。
ここに安置されてある仏像は、撮影禁止である。仏像が、見せられないが残念である。仕方なく、言葉で伝えよう。
伎芸天の右手は上げて人差し指と小指を伸ばし、首をかしげ、やや前傾して伏し目がちのふくよかな美人である。身体を腰で左にくの字に折って居る為に右のお尻が出ている。立像が不安定な中に魅惑を感じる不思議な姿である。
頭には一風見慣れない曲線をもった飾りがあり、オリエンタルな雰囲気も醸し出しているが、ふくよかな顔立ちなどからしては奈良時代の仏像のようだ。どうしても惹きつける仏像だ。仏像様には申し訳ないが実物を眺めれば、妖艶さが漂う姿にトリコになってしまうだろう。
案内係りのお坊さんは、「伎芸天像に憧れて遠くから、わざわざ秋篠寺にやってくる人が居られる」と話されていた。どうも隠れたフアンが居られるようだ。
「どのアングルで眺めるのが美しく見えるのか」と尋ねてみた。
「2箇所ある。正面でなく右側から、左側から」と答えた。
暗闇でゆっくりとしか移動できないが、言われた通りの2ツの角度から眺めると全く別人のようだ。
私は、右斜交いから眺める方が腰にアクセントがあり、魅力的な姿であった。
本当に予期してなかった素晴らしい仏様に会うことができ、驚いてしまった。
今まで、興福寺の阿修羅が大和で最も素晴らしいと思っていたが、この2ツが、大和の恋する仏像となったようだ。
伎芸天立像(クリック)をクリックされたい。少しは分かるかもしれないが、実物に優るものはない。
Posted by
nonio
at
18:55
│Comments(
2
) │
ウォーク
この記事へのコメント
パルさん
こんばんは
秋篠寺は秋篠宮との関係があります。したがって、伎芸天像の説明も
硬い表現なのでしょう。
是非、機会があれば、右斜交いから眺めてください。それから、興福寺の阿修羅も。
こんばんは
秋篠寺は秋篠宮との関係があります。したがって、伎芸天像の説明も
硬い表現なのでしょう。
是非、機会があれば、右斜交いから眺めてください。それから、興福寺の阿修羅も。
Posted by nonio at 2010年10月19日 23:49
こんばんは!
大極殿は、まだ見てませんので一度は見ておきたいです~^^
秋篠寺は秋篠宮のご成婚後に行きましたら、このお寺と深い関係が有ると説明されていた様に思います!
その時美しい伎芸天像にもお会いしました・・・今度はnonioさの恋する気持になって、もう一度ゆっくりお目にかかりたいと思います。
大極殿は、まだ見てませんので一度は見ておきたいです~^^
秋篠寺は秋篠宮のご成婚後に行きましたら、このお寺と深い関係が有ると説明されていた様に思います!
その時美しい伎芸天像にもお会いしました・・・今度はnonioさの恋する気持になって、もう一度ゆっくりお目にかかりたいと思います。
Posted by パル at 2010年10月19日 19:21
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