2019年08月11日    樹の節のオブジェ/三上山

 
 嫁の兄貴が言うには、「俺のところにくるなら、せっせと歩け」、と「健康診断は今までの結果に過ぎない」。
だから、自分の健康管理は三上山に登れることを一つのバロメーターにしている。

 ここには、老若男女を問わず大勢の常連者が来られている。御上神社から頂上に登り、反対側の希望が丘に向かって下山する。そして再度登り返すのが正規ルートである。単に頂上に達して下山する人を「ハーフ」と呼んでいる。
 私はハーフの勘定だが、昨年、3日に1回だった。8月現在まで、3.5日とピッチがおちてきている。太平洋高気圧にチベット高気圧が重なり、この猛暑にほとほと・・・・。

 さて、私は頂上までいかず少し手前を到着点と定めている。林間を通り抜けてくる涼風が吹き抜けてくるので、休息場と決めている。ここには、座り心地のいい出来合いの石座もある。 

 7月末、市街では、クマゼミがけたたましく鳴いているが、ひんやりとした森林に覆われたここでは、秋を呼ぶ「ひぐらし」が鳴き始めた。
何処かの高木の一匹が鳴き始めると、それに合わせるかのように何匹も鳴き始め、大合唱となる。やがて、指揮者がいるかのようにぴたりと鳴き止む。ひとしきり静寂がやってくる・・・・・・。
やがてどこからともなく鳴きはじめる。
甲高く、「カナカナカナ…」の鳴き声は、物悲しい響きである。

 ここは、私の魅せられた居場所である。

 不思議な形をした「樹の節」がある。
その時の気分や体調であったり、天候によっても様々の姿に変貌している。
荒れ狂った動物・三上山の守護神・意地悪な精霊にみえたり、思わず自分の忿怒の形相にも重ね合わせたりもした。
自然が織りなすこの造形物には、独特な力が存在し、不思議な世界に導いてくれるものだ。

 今まで見過ごしていただろう、これらの造形物に興味をもったのは、2017年、鯖街道沿いの葛川細川過疎集落で行われた「遺された村の美術館」の案内状の背表紙に写された一枚の写真であった。これを機に、樹の枝が幹から分岐する「節」に心を留めるようになった。

 尚、遠路はるばる東京から辺鄙なこの会場に訪れてきた人に出合った。近くの知人の山小屋に招き、バーベキューで、ひと時の楽しい時間をもった。


樹の節のオブジェ/三上山
樹の節のオブジェ/三上山樹の節のオブジェ/三上山








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Posted by nonio at 16:59 │Comments( 2 ) 滋賀県の山 三上山
この記事へのコメント
「比良の天狗」さんは表参道ですネ。私は、専ら希望が丘の裏側を登っていますので、お会いできませんが、ブログの中でお会いしましょう。
Posted by noniononio at 2019年12月19日 04:44
初めまして。
>単に頂上に達して下山する人を「ハーフ」と呼んでいる。
なるほどー、それならいつもハーフで登ってます・・・。
と言っても、三上山への登山回数は数えたことはなく、
たぶん50~100回位で遠く足元にも及びません。

今までは登りタイムだけにこだわり、天保義民碑~(表登山道)~
山頂まで17分が最速でしたが、それ以降は20分切れれば
良し、現在はそれも切れなくなってタイム無視で時おり登ってます。

この前、約20年ぶりに菩提寺山に登りましたが、展望岩から望む
三上山がこれまた良かったものです。

また、ブログにお邪魔させて頂きますね。
Posted by 比良の天狗 at 2019年12月18日 22:21
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