2011年11月08日    福井県の経ヶ岳

日付 10月29日
山名 経ヶ岳(福井県)
コースタイム 青少年自然の家 8:45 保月山10:40 杓子岳 11:30
         経ヶ岳13:00~13:15 中岳 14:10 
         青少年自然の家 17:00

 数年前から、滋賀県と福井県の県境にある山々を訪れるようになった。最近では、大野盆地を越えて福井県と石川県の県境に目を向けるようになった。滋賀県から福井県の山々へ日帰りで行くには、朝早く発って、帰りは相当遅くなることを覚悟しなければならない。今回、福井県勝山市と大野市の境にある経ヶ岳(標高1,625 m)に行くには、朝4時起きとなった。経ヶ岳地図

 この山は2年越しの挑戦である。一昨年、同山へ前日泊りがけで、林道「法恩寺線」出合い(ポケットパーク)の登山口まで行ったが、福井県の経ヶ岳 引き返した事があった。一向に雨足が弱まらず、曇天が垂れ下がり視界も悪い。そこで天気予報を確認すると「豪雨注意報」。せっかく、ここまでやって来た気持ちが強かったが、この予報が後押しとなって、大野市の朝市へと向かったことがあった。

 この写真は当時、登山口から撮ったものだ。自然を相手にすると、思わぬ事が起こり、ままならない事が多い。パソコンでゲームをしている訳にはいかない。

 今回、天気に見舞われた。計画では、前回と同様に三角山(799m)の上の山腹を通っているポケットパークから保月尾根のコースを辿る予定であった。

福井県の経ヶ岳 だが、広域基幹林道法恩寺線に崩落が起こったようだ。この林道入口で、たまたま通り合わせた係員によって、通行を拒否されてしまった。

 思わぬ出来事に出くわし、奥越高原青少年自然の家から登ることにした。コースの距離も増し、自動車移動も含めて約2時間が計画より増した。登山口の標識に経ヶ岳山頂に至る標準時間は5時間と表示されていた。結構時間がかかるものと思いながら、杉の人工林の中、よく踏み込まれた山道を出発していった。

 始めは緩い登りだが、直ぐに険しい登りが約2時間続いた。やがて視界が開けた保月山に着いた。ここから、杓子岳の姿が見え、その奥に中岳、経ヶ岳がやっと現われてきた。
一休みして保月山から杓子岳へ向かった。ここから痩せ尾根となり、岩峰には階段が備え付けられ、コースの中で最も急登なところであった。

福井県の経ヶ岳  
 一気に眺望が広がった杓子岳にやって来た。登山道がなだらかな中岳へ、中岳と経ヶ岳との鞍部へ、更に、盛り上がっている経ヶ岳の頂上に向かって、延々と山道が連なっていた。クマザサが生い茂った尾根の稜線歩きとなったが、既に、11時30分。日の入りが早くなったこの時期の引返すタイムリミット12時30分と決めていた。時間が迫ってきた。

 緑の絨毯を敷き詰めたような中岳の中腹に白い人影が見え、先行者に追いついたのかと楽観していた。ところが、ドンドン姿が大きくなって来たことに驚いてしまった。既に、頂上に達し下山してくることが分った。我々は、これから頂上を目指している者にとっては、焦り以外何物でもなかった。すれ違い時、聞いてみると地元の人で朝早く出発したと言っていた。
 更に、経ヶ岳最後の急登になる手前の切窓から見上げると頂上近辺から米粒ほどの人影が点々と見えた。20名近くの中高年の団体であった。石川県と言っていた。これから下山すると、3時には山行を完了させられるようだ。ここにはよく登られるようで、時間配分も手馴れていた。

 我々は、これから上り詰め、昼食を考えると少し焦り気味になってしまった。

福井県の経ヶ岳 
 30分タイムリミットを越えてしまったが、頂上に立った。 山頂から、赤兎山越しに、今年出向いた白山、その続きに別山・三ノ峰の峰々の稜線がみられた。もう直ぐ冠雪し真っ白になるのだが、今は茶色の地肌であった。その反対側は荒島岳がくっきりと雲の中から頭をもたげていた。この美しい光景にしばし「うっとり」としてしまった。

 福井県の経ヶ岳 
 昼食もそこそこにして、下山にかかった。眼下に噴火の名残の火口跡が見られ、「池ノ大沢」と呼ばれる平らな湿地帯が広がり、今仕方辿ってきた中岳、杓子岳へと稜線が伸びていた。ここを通り過ぎ、ふもとまで下山していくには、あまりにも遠く感じられ、少々気が重かった。

福井県の経ヶ岳

 山頂から切窓まで急斜面を急いで下っていった。登り返して中岳を越え、杓子岳の急峻な痩せ尾根を慎重に通り越して、最後の登り返しをして保月山に着いた。下山している最中での登り返しは結構辛いものである。この間3回ほどあった。保月山から法恩寺線林道まで下り調子となり順調に下っていった。ここまで来るともうすぐ。
 
 「ふと」振り返ってみると、下山してきた頂上付近は、既にガスに蔽われていた。山肌が紅葉していることに初めて季節の変わりに気づいた。 我々チーム3人は下山の最中、肉体的なトラブルが起こり、手間取ってしまった。我々が最終下山者となったが、お互い助け合いながら夢中で下山してきた。ここまで下りてきてやっと心の余裕も生まれ、「ほっと」した安堵感になった瞬間であった。

福井県の経ヶ岳 
  
 雑木林の中を下ってコールポイント21を直角に曲がり、舗装林道まで戻ってきた。出発点に戻ってきたのは、日没直前であった。ススキの後方に、山容の美しさから“大野富士”とも呼ばれている荒島岳の全容がみられた。深田久弥が福井県の名峰として「日本百名山」に数えられている。大野市内の各所からこの秀峰が眺められ、大野市民の誇りとしている山である。

 この山に別れを告げ、一路、滋賀に舞い戻った。

福井県の経ヶ岳


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Posted by nonio at 13:42 │Comments( 0 ) 福井県の山
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