2011年03月09日    車谷不動磨崖仏

 滋賀の地名については、「石の多いところ」を意味する「シカ(石処)」に由来するという説がある。確かに、「石」に関わる地名として石山、石部があり、「岩」に関わる地名として岩根がある。

 滋賀県湖南市(旧・甲西町)には、野洲川の北側に東西に丘状の岩根山がある。別名、十二坊とも呼ばれている。この山の周辺には磨崖仏が多くあることで知られている中で、岩根山中腹の車谷という谷間にいった。
道標探しで、花園・花園東口・岩根から朝国辺りをうろついていたところ、岩根小学校←クリック近くで不動磨崖仏の案内があったので、川沿いの山道を上っていくと、突如、磨崖仏が現れた。

 表示板には、高さ620cm・幅198cmの自然石に彫られ、像高425cm・肘幅210cm・顔幅80cmという大きな磨崖仏で、右手には長さ230cmもある宝剣を持って立つ。江戸時代の作といわれ、通称「車谷不動」と呼ばれていた。
 
 そもそも、不動明王は「お不動さん」の名で親しまれているが、いきどおりいかっている顔をした恐ろしげな姿である。最も救い難い者でも脅し、威圧して力ずくで救うために、忿怒(ふんど)の姿をしている。また、悪魔を降服させ、様々な難関を打ち破る極めて積極的な大日如来さまである。

 車谷不動明王像は、目鼻立ちもしっかりしていることからして、まだ摩滅もない。顔は憤怒相をし、右手に宝剣を持ち、左手に縄を持っている。右足は大地に置き、左足は膝を軽くまげていた。見上げるような大きな磨崖仏であるので、確かに迫力がある。だけど、不動明王←クリックは睨み、牙もあり恐ろしい顔付きをしているのだが、この車谷不動明王さんは差し迫ってくる「おどろおどろ」さに欠けるように思えた。
ところで、磨崖仏の手前には小さなやしろが設けられ、花が手向けられていた。地元の人達に大事にされているようだ。

車谷不動磨崖仏 

車谷不動磨崖仏



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Posted by nonio at 11:51 │Comments( 0 ) 磨崖仏など石仏
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