2013年10月04日 千日回峰の「玉体杉」を訪ねる
阿闍梨が先達する一日千日回峰行に参加したことがあった。冷たい雨が降りしきる中、どこをどう歩いたか、やみ路を辿ったのでわからなかったが、心に強くとどまっている光景があった。夜間3時ごろ、眼下に、仄かに明るくなった箇所が忽然と闇夜に現れた。碁盤状の目に沿って明かりがあったので、京の街並みであることを気づいた。
阿闍梨は「ここが大きな杉がある玉体杉(ぎょくたい すぎ)というところだ。京都御所に向かって、玉体すなわち天皇の安泰を祈り、国の平安を祈る」と説明された。
回峰行者はほぼ1000日間歩き続ける荒行を行っている。雨の日、雪が降っても、ひたすら夜中に無動寺谷を出て、比叡山中を駆け巡り戻ってくる。その間、人が寝静まった時、遠くの闇夜に浮かぶように見える一か所に向かって、玉体加持が行われていたのである。修行とは言え驚きであった。
この玉体杉の前の蓮台石が備えられており、回峰行者が唯一腰を下ろして、疲れた体を休め「ほっと」出来るところであった。
山野を駆け巡り、草木にまでお礼をしながら、回峰行者はここで何を考えていたのであろうか。
「自分は何だろう」「何をしにここにきたのだろうか」「何を会得したのか」そして「人間とは何なのか」・・・・・・色々考えあぐねたのであろう、と勝手な想像をした。
友人を誘って、この「玉体杉」に行ってみたいと思った。


ここから双眼鏡を持ち出し、御所を探した。木々が生い茂っているのであろう緑色の箇所が何か所もあった。御所と思われ箇所は、確か四角のはずだが、ひし形に見えたので、あれやこれやと言っていた。休んでいた人が、指さしながら「高野川が見えるだろう。賀茂川との合流した近くの森が、御所だ」と親切に教えてくれた。やはり、ひし形の位置が、御所であった。
以前、阿闍梨が御所から、この「玉体杉」が見えると言っていたので、友人にもそのことを話すと興味を持ったようで、「試してみる」と言っていた。
いずれにしても、祈祷されていた方角が特定でき、何故か、万感胸に迫るものがあった。
少し傾きかかった蓮台石に菊のご紋を模った石の座に座ろうとしたが、友人から「そこは、回峰行者がすわるところ」とたしなめられた。「そうだなー」と言いながら、近くの座り心地のよさそうな樹の根のところに腰を下ろして、一休みした。この辺りの根は、ピカピカに光り、使い込まれていた。蓮台石に座るのは畏れ多いと思う人が多いのであろう。
この日は、横川(よかわ)を経て日吉大社へ降った。万歩計は3万歩以上になっていた。少し遅れた昼食に「味噌煮込みうどん」を作って、良き一日が終わった。
阿闍梨は「ここが大きな杉がある玉体杉(ぎょくたい すぎ)というところだ。京都御所に向かって、玉体すなわち天皇の安泰を祈り、国の平安を祈る」と説明された。
回峰行者はほぼ1000日間歩き続ける荒行を行っている。雨の日、雪が降っても、ひたすら夜中に無動寺谷を出て、比叡山中を駆け巡り戻ってくる。その間、人が寝静まった時、遠くの闇夜に浮かぶように見える一か所に向かって、玉体加持が行われていたのである。修行とは言え驚きであった。
この玉体杉の前の蓮台石が備えられており、回峰行者が唯一腰を下ろして、疲れた体を休め「ほっと」出来るところであった。
山野を駆け巡り、草木にまでお礼をしながら、回峰行者はここで何を考えていたのであろうか。
「自分は何だろう」「何をしにここにきたのだろうか」「何を会得したのか」そして「人間とは何なのか」・・・・・・色々考えあぐねたのであろう、と勝手な想像をした。
友人を誘って、この「玉体杉」に行ってみたいと思った。


ここから双眼鏡を持ち出し、御所を探した。木々が生い茂っているのであろう緑色の箇所が何か所もあった。御所と思われ箇所は、確か四角のはずだが、ひし形に見えたので、あれやこれやと言っていた。休んでいた人が、指さしながら「高野川が見えるだろう。賀茂川との合流した近くの森が、御所だ」と親切に教えてくれた。やはり、ひし形の位置が、御所であった。
以前、阿闍梨が御所から、この「玉体杉」が見えると言っていたので、友人にもそのことを話すと興味を持ったようで、「試してみる」と言っていた。
いずれにしても、祈祷されていた方角が特定でき、何故か、万感胸に迫るものがあった。
少し傾きかかった蓮台石に菊のご紋を模った石の座に座ろうとしたが、友人から「そこは、回峰行者がすわるところ」とたしなめられた。「そうだなー」と言いながら、近くの座り心地のよさそうな樹の根のところに腰を下ろして、一休みした。この辺りの根は、ピカピカに光り、使い込まれていた。蓮台石に座るのは畏れ多いと思う人が多いのであろう。
この日は、横川(よかわ)を経て日吉大社へ降った。万歩計は3万歩以上になっていた。少し遅れた昼食に「味噌煮込みうどん」を作って、良き一日が終わった。
Posted by
nonio
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16:37
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滋賀県の山
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