2010年09月25日    宇宙の見えない暗黒物質

  人類が、夜空に瞬く星を見ながら、宇宙にはどれだけの天体があるのだろうか、宇宙はどの位の拡がりをしているのであろうか、そして宇宙は何時生まれて、将来どのようになるのだろうかと宇宙に想いを馳せる人も多い。

 NHKのクローズアップにて、国谷宏子がダークマター(暗黒物質)を取り上げた。宇宙誕生のカギを握るといわれる正体不明の物質。今、世界中の科学者たちが血眼になって、その解明に挑んでいる宇宙研究の最前線に迫るテーマである。

 異質なテーマであったが、yahoo検索ランキング でも2010年9月14日急上昇ワードランキング に登場しており、意外にも関心が高い。
また「ダークマターなんて漫画みたいな訳のわからないものを研究するために、またしても私たちが汗水垂らして働いて稼いだお金の一部が使われているということを知り、呆れを通りこして、強い憤りを覚えました。…どうでしょうか?皆さん、そう思いませんか?」や 「国谷裕子キャスターでも、ダークマターが8割以上とか80%以上などと言ってた。 間違ってるじゃん!… ゲストの立花隆もちゃんと注意すればいいのに」などのお叱りもあり、様々の反響もあった。

 私も、ダークマターについては、かなり前からその存在は知っていたが、「これまでの分子や原子に全く当てはまらない周期表のない、未知の素粒子と考えられている」との話には興味を抱いた。
 衛星の観測によって、宇宙全体の物質エネルギーのうち、74%が暗黒エネルギー、22%が暗黒物質で、人類が見知ることが出来る物質の大半を占めていると思われる水素やヘリウムは4%ぐらいしかないと言われている。原子の電子配置に並べられた周期表の元素は、宇宙に存在する物質の殆どだと思っていたが、逆に、未知なのであった。

 このダークマターは、80年ほど前から天文学者が気づいていた。星が一生を終えて赤色矮星や褐色矮星などになったものであろうと安易に考えられていた。観測装置が発達すれば容易に見つかるだろうと考えられてきたのだが、いまだに測定すらできていない。その結果、日本をはじめ世界中の科学者たちが「ダークマター(暗黒物質)」と呼ばれる物質の発見に躍起となっているのだ。

 アメリカ・ミネソタ州のスタンフォード大学中心の研究チームは、ダークマターと半導体の原子がぶつかった時に発生する100万分の1度の熱を捕らえようとしている。
 スイス・ジュネーブのCERN(欧州原子核研究機構、セルン)、世界最大の科学実験プロジェクトで直径9kmもある粒子加速器を使って、陽子を光速まで加速して、それを正面衝突させてビッグバンと同じ状態を作り出し、そこから生まれるダークマターを見つけ出そうとしている。

 この夏、日本では、岐阜県奥飛騨の山中のトンネル内に作った実験施設「XMASS」で、ダークマター発見をめざした壮大なプロジェクトが動き出した。キセノンという物質が、ダークマターに弾き飛ばされることによってごく弱い光を発する、この光を観測することによってダークマターの存在を実証しょうとしている。このXMASSは極めて高い感度を持っており、最も期待されているチームだ。「来月始まったとたんに、発見という大ニュースになるかも」と言っていた。

 立花隆氏は「これまで考えられていた物質世界とまったく違う次元の話が、今、できようとしている。そういう話で、一挙に物理学の世界のパラダイムが大きく変わる、そういう劇的な時間にわれわれはいるっていうことだろうと思いますね」と締めくくっていた。

 もうすこしダークマターについておさらいをしておこう。

 400年前、教会の教えで宇宙の中心は地球でなければならなかった。地動説を唱え罪に問われたガリレオは「それでも、地球は回っている」と言って自分の無実を世に訴えた。ここから宇宙の科学的な探求が始まった。この地動説が受け入れられてからも、主役は地球から太陽に移ったが、宇宙の中心は太陽系であった。天の川の銀河系が注目されるまでまだ時間がかかった。測定技術が向上し遠い恒星の世界がわかりだすと、太陽は、銀河系の中央にあるのではなく、ただの平凡な星である事がわかってきた。

 20世紀前半、約2000億 - 4000億個の恒星が含まれている太陽系を含んだ銀河系以外にも別の銀河があるのかどうかが天文学者の最大の関心事であった。これに決着をつけたのが、エドウィン・ハッブルであった。
 天の川銀河の隣の銀河であるアンドロメダ銀河までの距離が天の川銀河の幅より大きい事を立証。つまり、遠くにある星座が別の銀河であることが分かってきた。この巨大な円盤状の天体が、大宇宙には無数に散らばっていることも判ってきた。 
 そして宇宙が膨張していることが分かってきた 彼は銀河の光の波長分布が、全て赤い方向に動いていることに気づいた。これは、銀河の光が、宇宙の膨張によって引き伸ばされたことを示していたのだ。いままで、宇宙は、永遠に変わらないものと考えられてきた概念を根本から覆し、膨張する宇宙として認識された。
 更に、1933年ツッピキーが銀河の集まり「銀河団」の動きを観測していて、他の銀河より20倍も早いスピードで動く銀河をみつけた。銀河団では、銀河は互いの引力で引きあっているが、スピードが速ければそれだけ強い引力が必要だ。だが、銀河団の引力だけでは、この銀河の動きを説明できなかった。「何かがある」と。ツッピキーが「行方不明の物質」と呼んだ。ダークマター(暗黒物質)である。宇宙は何でできているのか?という壮大なナゾ解きがはじまった。1980年代から宇宙の運命とも絡んで天文学者・物理学者の関心事になった。しかし、この暗黒物質の正体が見えてこないのである。

 宇宙の膨張が「加速」するか「減速」するかでナゼそれほど大騒ぎするのか。それは宇宙の運命を大きく変えるからだ。減速すれば、銀河と銀河の間の距離はだんだん小さくなっていき最後にはぶつかり崩壊し、巨大なブラックホールとなって終わってしまうかもしれない。加速を続ければ、銀河と銀河の間はどんどん離れていき物質、エネルギーも希少な宇宙になる。これを決めるのが、どれだけのダークマターがあるかによって左右されると考えられている。このダークマターの発見によって、宇宙の創生の秘密などが明かされるのではないかということで、世界中で必死の研究が行われているのである。

 ところで、その後宇宙の成り行きより、地球が危うい。これから、数十億年後には、太陽は、水素の核融合が進み、外側の大気が膨らみ大きな巨星になるから地球には人類が住めなくなるのだが。

 いずれにしても、人類は、天の川の銀河系の辺境の場所から最古の星の年齢130億年を眺めながら、宇宙を数学の論理と観測技術を駆使し理解しょうとしている。人類も宇宙そのものの素材から出来上がっているのだが、この宇宙に存在している知的生命によって、宇宙の姿を解き明かすところが、妙に興味深い。むしろ、宇宙がそれを待っているのかもしれない。








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Posted by nonio at 12:04 │Comments( 0 ) 役に立つ情報
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