2019年06月18日 花梨のテーブルの映り込み「庭鏡」
1937年に建てられた数寄屋造りの「旧邸御室」が、新緑の時期に合わせ、一般公開された。
昨夏、京都市観光協会主催の「京の夏の旅」にて、大広間に置かれた花梨(かりん)のテーブルに庭木が映り込む光景を、「庭鏡」と呼ばせ、行き成り人を惹きつけた。今年になって、読売新聞が”テーブルの「鏡」、庭園の新緑映す…旧邸御室”との見出しで、追い打ち紹介され、一層知られるようになった。
嵐電・御室仁和寺駅から近い、閑静な住宅街にある旧邸御室へ出向いてみた。 このあたりは、宇多法皇が仁和寺に「御室」を建てたことから、“おむろ”と呼ばれ、吉田兼好などの文化人も住んでいたところである。
受付が始まっていないのに、3人組の訪問客が、入口でたむろしていた。私もこれに続いた。
手持ち無沙汰に突っ立っていると、彼らの中で気の良さそうな人が、「昨年も、伺ったが、今年も再訪した」と話しかけてきた。お互い、花梨のテーブルの映り込みを撮ることを、目当てにしていることを知り、直ぐに打ち解けた。
「ここには、カリン盤が、玄関の衝立と大広間・喫茶室のテーブル計3ツある」と。
「・・・・・・・」
「大勢の人が詰めかけてくるので、大広間に置かれた映り込みを写真に撮り込み、直ぐに喫茶室に潜り込むのだ。誰も来ないのでゆっくりと、椅子と机が空間に浮かぶような不思議な写真が撮れる」と、微に入り細に段取りを教わり、したがった。
喫茶室では、写真を撮りながら、瑠璃光院の映り込みなどの話で盛り上がった。
再び22畳の大広間に戻り、赤色の木肌をした光沢テーブルを覗き込みながら、ガイドから花梨の説明を受けた。
「インドネシア産の花梨は、熱帯雨林で育ったもので、年中夏なので、年輪ありません」。 樹木には年輪があるものだと決め付けていたのだが、・・・・。 確認すると、もやっとした線がみられる程度で、年輪は見当たらず一枚盤であった。
「美しい木肌は何回もうるしを塗って、鹿の角の粉末で磨いて仕上げたものです」と付け加えていた。
「現在では、これほど大きなテーブルは手に入らないので、金額がつけられない」 ・・・・・。
改めて、花梨のテーブルは手入れされた高級家具であることを知り、リフレクション撮影ができることがわかった。
が、いつものことであるが、初めて訪れたところを、何百枚もの写真を撮っても、しっくりいかないものだ。折角、手ほどきを受けたのに、PL調整が甘かったり、構図が悪かったりするものである。やっぱり納得できないので、数日後が再び訪れた。
一般公開の最終日6月9日が迫ってきていたのか、その日は超満員であった。
殆どの人の目当ては、花梨のテーブルに映り込む風景を写真に収めたい様であった。それも、庭の植木と映り込みの植木がシンメトリーとなって鮮やかにハート形を形成する構図である。
あっちこっちから上下左右とさまざまな角度からシャッターを切っていた。だけど、整ったハート形の写真は撮れないようだ。
私は、特上の撮影ポイントを知っていたので、いとも簡単にその場所を陣取って写していると、私も私もと写真機を差し出してきた。次々と写しては手渡してやると、自分がとったかのように満足げに見入っていた。
私も、すこしいい気分になった。





昨夏、京都市観光協会主催の「京の夏の旅」にて、大広間に置かれた花梨(かりん)のテーブルに庭木が映り込む光景を、「庭鏡」と呼ばせ、行き成り人を惹きつけた。今年になって、読売新聞が”テーブルの「鏡」、庭園の新緑映す…旧邸御室”との見出しで、追い打ち紹介され、一層知られるようになった。
嵐電・御室仁和寺駅から近い、閑静な住宅街にある旧邸御室へ出向いてみた。 このあたりは、宇多法皇が仁和寺に「御室」を建てたことから、“おむろ”と呼ばれ、吉田兼好などの文化人も住んでいたところである。
受付が始まっていないのに、3人組の訪問客が、入口でたむろしていた。私もこれに続いた。
手持ち無沙汰に突っ立っていると、彼らの中で気の良さそうな人が、「昨年も、伺ったが、今年も再訪した」と話しかけてきた。お互い、花梨のテーブルの映り込みを撮ることを、目当てにしていることを知り、直ぐに打ち解けた。
「ここには、カリン盤が、玄関の衝立と大広間・喫茶室のテーブル計3ツある」と。
「・・・・・・・」
「大勢の人が詰めかけてくるので、大広間に置かれた映り込みを写真に撮り込み、直ぐに喫茶室に潜り込むのだ。誰も来ないのでゆっくりと、椅子と机が空間に浮かぶような不思議な写真が撮れる」と、微に入り細に段取りを教わり、したがった。
喫茶室では、写真を撮りながら、瑠璃光院の映り込みなどの話で盛り上がった。
再び22畳の大広間に戻り、赤色の木肌をした光沢テーブルを覗き込みながら、ガイドから花梨の説明を受けた。
「インドネシア産の花梨は、熱帯雨林で育ったもので、年中夏なので、年輪ありません」。 樹木には年輪があるものだと決め付けていたのだが、・・・・。 確認すると、もやっとした線がみられる程度で、年輪は見当たらず一枚盤であった。
「美しい木肌は何回もうるしを塗って、鹿の角の粉末で磨いて仕上げたものです」と付け加えていた。
「現在では、これほど大きなテーブルは手に入らないので、金額がつけられない」 ・・・・・。
改めて、花梨のテーブルは手入れされた高級家具であることを知り、リフレクション撮影ができることがわかった。
が、いつものことであるが、初めて訪れたところを、何百枚もの写真を撮っても、しっくりいかないものだ。折角、手ほどきを受けたのに、PL調整が甘かったり、構図が悪かったりするものである。やっぱり納得できないので、数日後が再び訪れた。
一般公開の最終日6月9日が迫ってきていたのか、その日は超満員であった。
殆どの人の目当ては、花梨のテーブルに映り込む風景を写真に収めたい様であった。それも、庭の植木と映り込みの植木がシンメトリーとなって鮮やかにハート形を形成する構図である。
あっちこっちから上下左右とさまざまな角度からシャッターを切っていた。だけど、整ったハート形の写真は撮れないようだ。
私は、特上の撮影ポイントを知っていたので、いとも簡単にその場所を陣取って写していると、私も私もと写真機を差し出してきた。次々と写しては手渡してやると、自分がとったかのように満足げに見入っていた。
私も、すこしいい気分になった。
大広間庭のハート形映り込み

喫茶室の空間に浮かぶ椅子・机




Posted by
nonio
at
17:30
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京都
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