2023年03月14日    比良山と菜の花あれこれ

 季節の移ろいを感じるのは、色の変化で察するようだ。

春夏秋冬の色のイメージは、人それぞれだが、黄色は早春がお似合いの色だ。殺風景な白色は淡泊過ぎ、高級感のある紫色や情熱感のある赤色は、重苦しい。その点、黄色は開放的で受け入れ易いのか、人が集まり易い色のように思える。

 琵琶湖の東側にある第一なぎさ公園には、温かみのある黄色の花が咲き出した。ここは、春の訪れをいち早く感じられるところである。
菜の花畑を背にして比良山系の山々が見え、冠雪の山々と黄色の菜の花の絨毯が絶景を生み出している。週末には、黄色に引き寄せられるかのように大勢な人がやってくる。地域興しの菜の花畑は「黄色い花」でなく「菜の花色」という固有の呼び名もつけられているぐらいだ。

 蓮実香佑氏によれば、昆虫にも花の色に好みがある。黄色い色が「アブ」。白い色が「コガネムシ」。紫色の「ミツバチ」、赤色「チョウチョ」と・・・・・。 
早春になると、菜の花・タンポポなど黄色い花が咲き出す。するとこの色を好むアブが蜜を求めて活動し始める。黄色は、開けっ広げで、どうしても移る気な色でもある。アブが黄色と見れば節操なく飛んでいくので、目移りさせないように、黄色い花のじゅうたんとなって群生しているらしい。黄色は、自然の生態にもかかわっているとは、興味深い。

 一週間後にやってくると、春を告げるあのむせるような甘い香りもなくなり、殺伐としていた。菜の花がバッサリ刈られていたのだ。切り忘れたのか、それとも生き返ったのか一本だけ健気に咲いていたのが、痛々しい。
 風景に黄色がなくなると、誰一人も寄り付かなくなっていた。が、渡り鳥がまだ居ついていた。人の注意の喚起にも使われてる黄色は、やはり、危ない要素を含む色かも。

 なぜ、ひとがここに集まってきたのか、よくわからなくなった。

「そこまで春がきた」との思いで、人が集まってきたとは、考えにくい。
ここに植えられている菜の花品種は、寒咲花菜(かんざきはなな)という名前の早咲きである。人工的作られた春であることを承知の上できている。

 どうも、黄色に集まったとも一概に言えないようだ。

 A友人に同じことをブツケテみると、「白と黄色のコントラスが素晴らしい」一言が返ってきた。
人を惹きつけているのは、日常生活では出会えない、黄色い花と白色の雪の『異彩な空間』を求めてやってきたかもしれない。
黄色の相性の良い色は青紫である。互いの彩度が増し、より鮮やかになる関係である。黄色と白色は、補色関係では無いが、自然界に余り存在しない彩度の大きい特異な風景を醸しだす組み合わせを期待していたようだ。

  ーひとは、複雑な生物であるー

比良山と菜の花あれこれ
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Posted by nonio at 05:59 │Comments( 2 ) 滋賀を歩く 四季
この記事へのコメント
悠ちゃん

そうですね。黄色と青色は、ほぼ補色関係に近いので、相性は良さそうだね。
ただ、季節がまだ冬なので、比良山に冠雪しているので、黄色と白の対比としました。

 いずれにしても、滋賀県ならではの美しい景観がみられ、大層満足しています。
Posted by noniononio at 2023年03月14日 18:09
nonioさん~
春が遣って来た・・・所では有りませんね~~~
東京では 今日14日に桜の開花宣言が去れるようです。
此の黄色い花は カンザキハナナと云うそうです。  悠ちゃんも見に行きましたが… 一月くらい前だったか?  今年は何度も降雪が有り、雪の重みで多くは
倒れていましたね…

それでも健気に黄色い花を咲かせていましたです。

黄色い花と白い雪とのご意見も有ろうかと思いますが、悠ちゃんには 青い空が映えてお似合いだと思います。  人それぞれなんでしょう~~~?
Posted by 悠ちゃん at 2023年03月14日 07:49
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