2017年09月20日    ススキあれこれ

 
 通り抜ける風もひんやり感じ始め、虫の鳴き声も聞かれる季節になった。この気配をいち早く気づくのが、「ススキ」。

 尾花がさやさやと風になびき、葉ずれのそよぐ音が、秋の訪れを知らせてくれる。 そのうち穂は白くなって、秋風にほほけて、ほわたが飛び散っていくだろう。
人の背丈ほどのススキは、古来より馴染んできた風景で、枯淡・閑寂の言葉が当てはまる。

 ところで、最近であったススキは手に負えないほど「どでかい」。

 野洲市にある近江富士花緑公園に立ち寄ってみた。
花の端境期になるのか目ぼしい花も少ない折り、私の背丈を遥かに高く花茎を長く伸ばし、絹糸のような光沢をした銀白色の花穂が、しなやかに風にそよいでいた。  
「パンパスグラス」だ。アルゼンチン~ブラジル南部にかけて広大な大草原(パンパス)に生えている草(グラス)という意味である。

 どでかい図体に似合わず、花穂がキラキラと光彩を放っていた。花言葉が、光輝と呼ばれている。

 私は、従来のススキの花穂には持ち合わせていない美しさを持つパンパスグラスを、ススキとして受け入れることにした。

ススキあれこれ
ススキあれこれ

 草津市志那町に鎮座する三大神社から惣社神社の田園帯を散策していた時、大きな緑の塊の上に無数の白い穂が見えるパンパスグラスを見つけた。花穂をつけた姿は見栄えがするのか、公園・花壇や道路分離帯などでも見かける。

 日本には明治に持ち込まれたと言われているが、既に帰化植物となった。

 一昔前、ススキ(芒、薄)は、屋根を葺く材料であったが、今では、パンパスグラスが切り花やドライフラワーとして、室内のインテリアとして用いられている。

 単なるススキだが、時の流れを感じる。  

ススキあれこれ

 私は秋になると妙に、ススキに反応してしまうようだ。

野洲川の「ススキ」に似た風にそよぐ「オギ」




 



同じカテゴリー(滋賀を歩く)の記事画像
タンポポ綿毛の幾何学模様
雑草の赤紫色の楽園
白い花の名前はタムシバ
琵琶湖の鳥たちとの出会い/浮御堂
薹の文字から見るフキノトウ
「新春の光を追いかけて――比叡山と三上山の風景から」
同じカテゴリー(滋賀を歩く)の記事
 タンポポ綿毛の幾何学模様 (2025-05-02 19:19)
 雑草の赤紫色の楽園 (2025-04-26 08:25)
 白い花の名前はタムシバ (2025-04-10 16:27)
 琵琶湖の鳥たちとの出会い/浮御堂 (2025-03-30 17:24)
 薹の文字から見るフキノトウ (2025-03-24 18:23)
 「新春の光を追いかけて――比叡山と三上山の風景から」 (2025-01-30 18:36)


Posted by nonio at 03:22 │Comments( 0 ) 滋賀を歩く 四季
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。