2017年04月12日    福寿草が咲く鈴鹿山系入道ヶ岳の井戸谷コース/2017年3月23日

 
 所属 している山グラブの機関誌名が「福寿草」である。 日ごろこの言葉を耳にしているので、山仲間から、「雪が解ける頃、福寿草を見に行こう」とささやかれるとついその気になった。
 福寿草が自生している場所は、藤原岳の九合目付近や霊仙山の西南尾根などの鈴鹿山系の北の方と決め付けていた。ところが、御在所岳より南下した入道ヶ岳で見られるというのである。
目指は、入道ヶ岳の二本松尾根と北の頭から伸びた北尾根に挟まれた井戸谷。非難小屋を通過後、通報ポイント5番と6番の標示板の間である。

 兎に角、半信半疑でこの話に乗った。

井戸谷通報ポイント5番と6番の標示板の間に咲く福寿草
福寿草が咲く鈴鹿山系入道ヶ岳の井戸谷コース/2017年3月23日

 椿大神社を通り越し、少し奥まった井戸谷の広河原に駐車。右にある道標から、椿神社の山の神を通過して沢に出た。この沢を登り詰めると井戸谷避難小屋に到着。目印のスタート地点である。

 ここから注意深く通報ポイント5から6の標示板を探したが、思うように見つからなくドンドン登って行った。
その内、登りの山道に対して反対方向にしっかりした踏み跡を見つけたので、元気でよく気が利くSちゃんがこの脇道を偵察しにいった。

すると、「福寿草も人も・・・・」との声がした。

福寿草が咲く鈴鹿山系入道ヶ岳の井戸谷コース/2017年3月23日 自生している福寿草の様子を見にきたおじさんに出会った。 地元なので、頻繁に来ているようだ。
 「この花も盛りを過ぎ、1週間前ではもっとしっかり咲いていた」と話しかけてきた。
福寿草は、日中、晴れた日に花を開くが、気温の低い日や、夜間は花を閉じてしまう特性がある。終盤を迎えても、花弁の開きも十分でなくなるようだ。

 「他のところにも福寿草が自生しているところが、ありますか」と尋ねると、面倒くさそうに「ここだけだ」。
 「石灰が露頭しているところはここだけ」と説明。福寿草は石灰質の山肌でないと育たないのだ。 おじさんは、「まだ気になる場所がある」と言い残して、頂上に行かずに下山していった。

 兎に角我々は福寿草に出会えて幸運だった。この微妙な分岐点を見逃す人達も多い。頂上で、「福寿草に出合えた」と確認して来た人もいた。

 福寿草は幸福の「福」と長寿の「寿」の2文字を繫いだ、”めでたい”草である。
旧暦の元日に咲く、きわめて鮮やかな黄色い花なので、江戸時代に”福告ぐ草”ともてはやされた。その後、この語呂が悪いとして〝告ぐ”を〝寿”に差し替えられ”福寿草”になった。 このようにありがたい花名を持っているが、強い毒を持つアドニトキシンという成分を含んで自らを守っている。

芽が出 たばかりの福寿草はフキノトウに似ているので、誤食は禁物だ。
なんでも綺麗なもには毒が・・・。気をゆるさなように。

井戸谷の急登を登り切ったところで一休み
福寿草が咲く鈴鹿山系入道ヶ岳の井戸谷コース/2017年3月23日
入道ヶ岳の頂上の鳥居から帰路の北尾根コースを眺める
福寿草が咲く鈴鹿山系入道ヶ岳の井戸谷コース/2017年3月23日
山頂付近はなだらかな笹原にはまだ残雪
福寿草が咲く鈴鹿山系入道ヶ岳の井戸谷コース/2017年3月23日
圧倒的な存在感のある鎌ヶ岳
福寿草が咲く鈴鹿山系入道ヶ岳の井戸谷コース/2017年3月23日
 
 福寿草を観察後、頂上に向かった。アセビの群落の間の道を行けば、笹原になり一気に展望も開けた。三重県側の山では、最も人気のある山で、平日と言うのに、続々と隊を作ったチームがきていた。

下山は、北の頭から東へ延びる尾根を辿る北尾根コースを取った。結構長い下りだった。






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Posted by nonio at 08:15 │Comments( 0 ) 三重県の山
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