2010年12月14日 日野菜の栽培と漬物
小生、約50坪ほどの家庭菜園を行っている。毎年必ず育てているこだわり野菜のひとつに、日野菜が挙げられる。一夜漬けの漬物は、絶品だ。紅紫色と白の色彩を楽しみ、「こりこり」の歯切れの感触、そして古風な味わいを五感で感じながら頂いている。
細長く伸びた根はスマートで、地上部に露出したところが、紫紅色になり、地中にあっては白色で、その色の分け目がはっきりしている。太さ2cm、長さ25~30cmの日野菜は、一見大根のようであるが、アブラナ科でカブラの一種である。苦味や渋味・えぐ味など入り混じった特有の風味あるカブラは、肉質が硬く漬物によく合う。
「近江日野町志」によれば、
「日野菜は原と蒲生家の居城音羽城の付近字爺父岨渓と称する地点の野生種にして、葉及び根は紫紅色と帯べる蕪菁の一種なり‥‥」と言う書き出しで、日野菜について紹介されている。
蒲生貞秀が爺父渓にある観音堂に参詣した折に、見つけ持ち帰り漬物にした。色は桜の花のように美しく、風味が良かったので、この漬物を京都御所の公家飛鳥井雅親に贈った。これを柏原天皇に献上し、天皇はこれを大変喜ばれ、「桜漬」と名づけられ、和歌の一首が、貞秀公の元へ送られてきた。
「近江なる 檜物の里の桜漬け これや小春の しるしなるらむ」
これ以来、日野菜の漬物を「桜漬」の名で親しまれるようになり、この歌が日野の誇りとして語り継がれてきた。 その後、日野町の吉村源兵衛という種子商が明治から大正にかけて親子3代に渡り改良を加えて現在のような、細長い日野菜にしたと言われている。
日野菜・小かぶの漬物
こだわりの育て方無農薬栽培と播種時期
問題は、カブラハバチ・ヨトウムシ、アオムシ、コナガ、アブラムシなどの害虫である。特に大敵害虫は、青藍色の甲虫サルハムシである。爆発的に増加した成虫・幼虫は葉を網目状になるまで食い尽くし、幼苗を、枯らしてしまう。日野菜はこれらの虫にとっては、格好の食べ物なのであろう。
通常の栽培時期は8月下旬から9月下旬にかけて種蒔きが行われている。この時期、農薬なしに栽培ができないことを知っている小生にとっては、店頭に並んでいる虫食いのない日野菜を見るたびに「ぞっと」する。
したがって、サルハムシ・コナガの幼虫等が少なくなった10月10~15日頃に、種を撒くようにしている。 早くから頂きたい場合には、9月種蒔きして、僅かであるが被害を受けない苗も残るので、それを育てながら、継ぎ足し種を撒いていく方法をとっている。遅くなると10月下旬ごろの播種栽培となり、ビニールトンネルで育てている。
もうひとつのポイントとして、日野菜は、アブラナ科の野菜の中でも根こぶ病にかかり易く、すんなりと根が伸びない。連作しないようにしている。何れにしても、こだわると手間がかかる野菜である。
土づくり
種まきの2週間前までに、畑の面積1平方メートルあたり石灰150g、牛糞1.5ℓをまき、鍬(くわ)で35~45cmの深堀をして十耕する。
諺に「九耕十耕無毛」ともいわれ、9~10回耕すと、ダイコン・ニンジンなど根菜の表面は「つるつる」の仕上がりになるといわれている。要するに、日野菜の仕上がりを綺麗にしている。

石灰はかき殻の「しおさい」、牛糞は醗酵したものを使用。

種まき 『筋蒔き』
板や棒などの辺を土に押し付け、深さ1cm程度の直線状に凹みをつくり、種を1粒ずつ1cm間隔で条(すじ)まきする。覆土し、たっぷり水やりをする。尚、間引きが大変にならないよう、蒔き過ぎに注意すること。
施肥は「筋蒔き」した10cm横に15cm程度の溝を掘り、ぼかし肥に少々の過燐酸石灰を混ぜたものを一握りつつ施肥し、しっかりと土で埋め戻しをする。尚、ぼかし肥の施肥の時注意事項としては、化学肥料と違って、ぼかし肥は生きている微生物の塊だから、太陽光を遮断しなければいけない。
小生が作ったぼかし肥を化学肥料は過リン酸石灰のみ使用。
ぼかし肥の施肥方法は ぼかし肥の使い方を参照。
間引き
間引きは、日野菜の成長に合わせて少なくとも3回は行う。
双葉が開いたら、生育のよいものを残し、株間を3cm程度に。
本葉が4枚のころ、株間を8cm程度に。
本葉が5~6枚になったら、株間が10~12cmに。
間引くものは、生育が旺盛すぎるもの、葉が欠損したもの、根部の曲がったもの、葉柄の赤味の薄いものを除き、毎回、除草を兼ねて軽く表面を中耕し、株元に軽く土寄せを行う。

小生、化学肥料は滅多にやらないが、成長が芳しくなければ追肥し生長を促してもよい。面積1平方メートルあたり30g程度。 ただし、日野菜は、太く短いものになると、大味となるので、過多の肥料を避けたほうがよさそう。
収穫
葉柄(ようへい)をもって引き抜いて収穫する。小生、細身の1.5cm程度から収穫を始め、その都度、1回に3~4本引き抜いている。

漬け方
日野菜の漬け方には、さくら漬、えび漬、ぬか漬、あま漬、塩漬など色々な漬け方があるが、一夜塩漬けにしたのが、いたって簡単な漬け方で、最も日野菜の固有の味を引き出す食べ方と思っている。
① 洗う
② 半日干す
③ 根と葉に分け、根の先を除いて短冊切り、葉は真ん中の部分だけ使う
④ 塩もみ後に葉を水洗いする。熱湯をかけると味が悪くなるので、水洗いのみ
⑤ 漬物押し機器に半日程度押しておくと水が上がると食べごろ
通常、晩秋霜がおりてきて葉や茎も赤紫色を増した11月初めから収穫される。が、継ぎ足し播種した苗は、12月中旬になっても2葉程度にしか生長していない。現在、ビニールトンネルによる栽培を行っている。これから真冬にかけては、二重テントを施し、ゆっくりと育てて行く。

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細長く伸びた根はスマートで、地上部に露出したところが、紫紅色になり、地中にあっては白色で、その色の分け目がはっきりしている。太さ2cm、長さ25~30cmの日野菜は、一見大根のようであるが、アブラナ科でカブラの一種である。苦味や渋味・えぐ味など入り混じった特有の風味あるカブラは、肉質が硬く漬物によく合う。

「近江日野町志」によれば、
「日野菜は原と蒲生家の居城音羽城の付近字爺父岨渓と称する地点の野生種にして、葉及び根は紫紅色と帯べる蕪菁の一種なり‥‥」と言う書き出しで、日野菜について紹介されている。
蒲生貞秀が爺父渓にある観音堂に参詣した折に、見つけ持ち帰り漬物にした。色は桜の花のように美しく、風味が良かったので、この漬物を京都御所の公家飛鳥井雅親に贈った。これを柏原天皇に献上し、天皇はこれを大変喜ばれ、「桜漬」と名づけられ、和歌の一首が、貞秀公の元へ送られてきた。
「近江なる 檜物の里の桜漬け これや小春の しるしなるらむ」
これ以来、日野菜の漬物を「桜漬」の名で親しまれるようになり、この歌が日野の誇りとして語り継がれてきた。 その後、日野町の吉村源兵衛という種子商が明治から大正にかけて親子3代に渡り改良を加えて現在のような、細長い日野菜にしたと言われている。
日野菜・小かぶの漬物
こだわりの育て方無農薬栽培と播種時期
問題は、カブラハバチ・ヨトウムシ、アオムシ、コナガ、アブラムシなどの害虫である。特に大敵害虫は、青藍色の甲虫サルハムシである。爆発的に増加した成虫・幼虫は葉を網目状になるまで食い尽くし、幼苗を、枯らしてしまう。日野菜はこれらの虫にとっては、格好の食べ物なのであろう。
通常の栽培時期は8月下旬から9月下旬にかけて種蒔きが行われている。この時期、農薬なしに栽培ができないことを知っている小生にとっては、店頭に並んでいる虫食いのない日野菜を見るたびに「ぞっと」する。
したがって、サルハムシ・コナガの幼虫等が少なくなった10月10~15日頃に、種を撒くようにしている。 早くから頂きたい場合には、9月種蒔きして、僅かであるが被害を受けない苗も残るので、それを育てながら、継ぎ足し種を撒いていく方法をとっている。遅くなると10月下旬ごろの播種栽培となり、ビニールトンネルで育てている。
もうひとつのポイントとして、日野菜は、アブラナ科の野菜の中でも根こぶ病にかかり易く、すんなりと根が伸びない。連作しないようにしている。何れにしても、こだわると手間がかかる野菜である。
土づくり
種まきの2週間前までに、畑の面積1平方メートルあたり石灰150g、牛糞1.5ℓをまき、鍬(くわ)で35~45cmの深堀をして十耕する。
諺に「九耕十耕無毛」ともいわれ、9~10回耕すと、ダイコン・ニンジンなど根菜の表面は「つるつる」の仕上がりになるといわれている。要するに、日野菜の仕上がりを綺麗にしている。


石灰はかき殻の「しおさい」、牛糞は醗酵したものを使用。


種まき 『筋蒔き』
板や棒などの辺を土に押し付け、深さ1cm程度の直線状に凹みをつくり、種を1粒ずつ1cm間隔で条(すじ)まきする。覆土し、たっぷり水やりをする。尚、間引きが大変にならないよう、蒔き過ぎに注意すること。
施肥は「筋蒔き」した10cm横に15cm程度の溝を掘り、ぼかし肥に少々の過燐酸石灰を混ぜたものを一握りつつ施肥し、しっかりと土で埋め戻しをする。尚、ぼかし肥の施肥の時注意事項としては、化学肥料と違って、ぼかし肥は生きている微生物の塊だから、太陽光を遮断しなければいけない。
小生が作ったぼかし肥を化学肥料は過リン酸石灰のみ使用。
ぼかし肥の施肥方法は ぼかし肥の使い方を参照。
間引き
間引きは、日野菜の成長に合わせて少なくとも3回は行う。
双葉が開いたら、生育のよいものを残し、株間を3cm程度に。
本葉が4枚のころ、株間を8cm程度に。
本葉が5~6枚になったら、株間が10~12cmに。
間引くものは、生育が旺盛すぎるもの、葉が欠損したもの、根部の曲がったもの、葉柄の赤味の薄いものを除き、毎回、除草を兼ねて軽く表面を中耕し、株元に軽く土寄せを行う。


小生、化学肥料は滅多にやらないが、成長が芳しくなければ追肥し生長を促してもよい。面積1平方メートルあたり30g程度。 ただし、日野菜は、太く短いものになると、大味となるので、過多の肥料を避けたほうがよさそう。
収穫
葉柄(ようへい)をもって引き抜いて収穫する。小生、細身の1.5cm程度から収穫を始め、その都度、1回に3~4本引き抜いている。

漬け方
日野菜の漬け方には、さくら漬、えび漬、ぬか漬、あま漬、塩漬など色々な漬け方があるが、一夜塩漬けにしたのが、いたって簡単な漬け方で、最も日野菜の固有の味を引き出す食べ方と思っている。
① 洗う
② 半日干す
③ 根と葉に分け、根の先を除いて短冊切り、葉は真ん中の部分だけ使う
④ 塩もみ後に葉を水洗いする。熱湯をかけると味が悪くなるので、水洗いのみ
⑤ 漬物押し機器に半日程度押しておくと水が上がると食べごろ
通常、晩秋霜がおりてきて葉や茎も赤紫色を増した11月初めから収穫される。が、継ぎ足し播種した苗は、12月中旬になっても2葉程度にしか生長していない。現在、ビニールトンネルによる栽培を行っている。これから真冬にかけては、二重テントを施し、ゆっくりと育てて行く。

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Posted by
nonio
at
17:08
│Comments(
3
) │
家庭菜園
この記事へのコメント
annaさん
こんばんは
間引き菜は美味しいです。
ところで、間引く作業が何となく気になります。
殆どの場合、生えすぎで間引く事が多いようです。
たまたま、生えてきた場所が悪かったようで、
こんばんは
間引き菜は美味しいです。
ところで、間引く作業が何となく気になります。
殆どの場合、生えすぎで間引く事が多いようです。
たまたま、生えてきた場所が悪かったようで、
Posted by nonio
at 2010年12月17日 00:36

間引き菜がまた柔らかくて美味しいですよね。。。でも中々そんな貴重な葉っぱは売っていません・・・家庭農園ならではのご褒美ですよね。
Posted by anna at 2010年12月16日 21:01
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