2010年04月07日    ソメイヨシノとバナナの将来

 春になると桜前線が北上し、日本列島を駆け抜けていきます。東北南部でも開花の報告が届き始め、滋賀県の中で開花が遅い海津大崎にもちらほらと咲き始めたようです。

ソメイヨシノとバナナの将来 わが野洲市のあっちこっちでも開花し始めました。春の陽気に誘われ何時も歩いている三上山周辺を一周する気になりました。桜は、一気に咲き、一気に散ってしまうからこそ、駆り立てられるように出かけました。

 朝鮮街道沿いの祗王井川土手、銅鐸博物館の敷地内にある弥生の森歴史公園、辻 ダムの堰 、近江富士付近の若宮神社、三上神社、そしていたるところの公園には、桜がいまを盛りに咲き誇っていました。ほんのりと淡い紅色、花びら5枚のソメイヨシノばかり。漢字で「染井吉野」と書き、江戸時代、今の東京都豊島区の染井で吉野桜の名前で売り出されたものです。

 さて、「バナナは、人に食べられることにより繁殖してきた」との怪しげな記事を目にしたことがありました。バナナにとっては、怪しからん表現ですが、これは、本当なんです。
 バナナは熱帯域を中心に世界の広い範囲で栽培され、20世紀末の時点で全世界での年間生産量は約 1 億トン。日本人は週に1本は食べているらしいが、小生は、週に7本食べています。人に食べられるようになったので植栽され、そのお蔭で子孫繁栄となったのです。
 
 バナナの起源は紀元前5千~1万年頃に“偶然できた”種なしバナナなのです。人間によりバナナを挿し木によって広められてきました。人間との共存以外生き延びる術を持っていないのです。したがって、繁殖の術を持たないバナナは、将来絶滅する恐れもあります。

 同じく、ソメイヨシノも最初は1本から始まったものです。
 日本の人々に美しさを与えことによって子孫繁栄してきたのです。江戸時代中期~末期に園芸種として創られたソメイヨシノは、短い期間、花を一斉に一面に咲き、そして散る。日本人の持っている気性にあったのでしょう。種ができないこの花にとっても、人間の手によって以外に広まる手立てがないのです。

 そうなんです。バナナは「食べられるため」、ソメイヨシノは「見られるため」に存在しているのです。自然の摂理に逆らって、人間の欲望を満たすためだけに、創られた植物なのです。この事実は悪いことではありません。が、地球上の自然界にとっての存在理由があるのかどうか正直よく分かりません…。

ソメイヨシノとバナナの将来 ソメイヨシノとバナナの将来

 人との共存の道を選んだソメイヨシノは、明治以来徐々に広まりました。街、公園で見かけるのは、殆どこの花になりました。従来から育っていた山桜は、見かけなくなりました。
 三上山周辺を一周して、山桜に出くわすのは数本に過ぎませんでした。人里を離れた「希望が丘」近くの山林に見られただけです。ソメイヨシノは、葉より先に花が咲き、華やかであること好まれ、いまや日本の桜前線の開花状況が基準にもなり、日本の象徴とされた桜にのし上がってきたのです。
 
 では、ソメイヨシノ誕生までは、サクラといえば山桜でした。開花と同時に赤茶けた若葉が出てきますが、あっちの桜が咲いて散っては、こっちの花が咲く、といったように長期間にわたり、花がぽつぽつと咲きます。
 ソメイヨシノの植栽が普及する前の花見は、このように長期間にわたって散発的に行われるものでした。短期間の開花時期に集中して花見をする必要もなく、おっとりとした花見をしていました。ゆっくりと移り変わっていく花の咲き方、散り方を目にして”はかないものや、うつろいゆく”山桜に美を感じたと考えられます。

 現代では、短期間に、桜の花が一斉に一面に咲き、そして散る。これはソメイヨシノの生み出した光景で、明治以降、創られた光景なんです。この姿に心が揺さぶられソメイヨシノが植え付けられ増え、続けてきたのです。
 桜は、昔から武士道のような潔さを尊ぶ気質にマッチしていると言われますが、およそ150年前にソメイヨシノを見せつけられ新しく生まれたものなのです。

 今は先人により植付けられたソメイヨシノを楽しんでいますが、樹齢は以外に短い。それほど花見に関心を抱かない現代の若者は、国花である桜をどう見ているのであろう。
100年後、いや500年経てば 移り気な日本人の気性からして、どうなるやら…。 








 












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Posted by nonio at 17:28 │Comments( 0 ) 四季
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