2015年06月27日    奇天烈な形をしたやぐらネギ(続き)

 
  園芸サークルの会員が親ネギの頭部に小ネギが乗っかった奇妙なネギを持ってきた。 盆踊りなどで、一段高く組み立てられたやぐらのように見えるので「やぐらネギ」と呼ばれている。この独特の姿から「二階ねぎ」、「灯台ねぎ」、「軽業(かるわざ)ねぎ」、「親子ネギ」、「楼葱」などと面白いネーミングがされている。

 ネギは我が家にとって、年中必要な野菜。5月に入ると、普通のネギは”ネギぼうず”ができ、葉が硬くて食べにくくなるこの時期、やぐらネギを重宝している。今では、欠かせない栽培野菜となった。

 ネギと言えば、春になると茎の先に丸く小さな花が集まったネギ坊主ができ、その種が次の世代とへ命を繋いで行くものだと思っていた。種は、全て育つわけではないので、できるだけ多くの種を結実させる。
 そこに割り込んできたのが、やぐらネギである。親ネギの頭に珠芽(しゅが)と呼ばれる一つの小ネギを大事に育て上げる方法を編み出したのである。 とにかく、丈夫な苗さえできれば、どうにでもなるとの戦略である。

親ネギの頭部に小ネギが乗っかった「やぐらネギ」
奇天烈な形をしたやぐらネギ(続き)

 問題は、確かに苗が育つが、親株から落下した小ネギは、あまりにも生息範囲が限られてしまう。 この戦術上、問題がありそうに思えるのだが、・・・・・。
 植物は居場所が決れば一生涯同じ場所に留まるしかない。だから、種は、風によったり、動物にくっついたり、鳥などに食べられたり、より遠くに分散するために、色々な工夫を凝らして生き抜いてきた。だが、やぐらネギはこれらの手だてを捨て、ただ、丈夫な苗作りに専念することを選んだ。
 
 花と昆虫の共生関係は、よく聞く話であるが、ひょとして、やぐらネギは人と共生関係を目指したのであろうか。

 やぐらネギは人間によって、肥沃な場所に移動してもらえる。そんな高等な戦術を意識的に使っているとは思わないが、生き残っていく戦略を珠芽に託して進化させていったら、たまたま互いに利益があったので、そうなっただけだろう。いづれにしても、立派に育っているやぐらネギを眺めていると、「植物はしたたかである」と思えた。

 小ネギの部分は指先で簡単に取れるので、その茎を土に突き刺し移植させると、3日ほどで発芽してきた。

奇天烈な形をしたやぐらネギ(続き) 奇天烈な形をしたやぐらネギ(続き)

 小ネギを肥沃な処に植え付け
奇天烈な形をしたやぐらネギ(続き)




  



 


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Posted by nonio at 07:19 │Comments( 0 ) 家庭菜園
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