2011年06月06日   藤尾の磨崖仏

 「小関越えハイキングコース」は、皆に親しまれ、一度はウォーキングなどで訪れるところである。
長等(ながら)から藤尾を経て京都山科に至る道である。6月2日(木)、磨崖仏も尋ねる「小関越え」フォトウォーキングがあったので参加した。何回かこの小関越えをしたが、磨崖仏を目にした事がないので、是非確認したいと思った。

 「地蔵堂」喜一堂の峠から坂道をしばらく下ると藤尾奥町の寂光寺にやって来た。ここに来て、事情が呑み込めた。普通、磨崖仏は野外にあると思い込んでいたが、これが間違いである事に気づいた。案内されたところは堂内の祭壇の奥に、ひときわ大きな優しい表情の阿弥陀さま、左右にも地蔵さまや観音さまなどの菩薩像が垂直に削られた花崗岩に彫られていた。

その場に待っていると、ご住職が来られ説明を受けた。
「もとは山田堂とも藤尾観音堂とも呼ばれていた。この石仏は露仏だったようです。寺前の道は小関越えに通じる道で、人通りも多くて道行く人が清水を飲んでここで一服したようです。その後、萱葺きの小家が建てられ、坊さんが住むようになった」この説明で、磨崖仏が分らなかった謎が判った。

「今日は、阿弥陀さま、左右にも地蔵さまや観音さまなどが、湿っているので赤味をおび何時もより美しい姿です」とご住職が話されていた。毎日ご尊顔しているのだなーと思われた。
「写真は800円で売っていますが、高いのでストロボをたかずに撮影してください」、と真に気さくなご住職であった。
「今日は、近くまで行ってご尊像をみていって下さい」続けて「花崗岩の風化が激しく、触らないように」と注意をされていた。続けて「中央に銘が刻まれ延応二年(1240年)今から約770年前になります」既に風化が始まっており、顔などに欠損部分もあり、日に日に劣化しているように思えた。

「この磨崖仏は、山から突出した花崗岩(高さ278cm、巾566cm)に、大小あわせて15体の仏像と梵字が彫られています」と磨崖仏の際に座っていた助手の女性が説明をされた。
正面に、大きな立像は、5体だけがおられたが、よく見ると、その上下に小さい尊像も彫られていた。
拝観後、裏側に回りこみ、山から突出した花崗岩が、建物にと取り込まれている様子を見て、納得した。

事前の予約と300円の志納金で拝観することができる。










Posted by nonio at 08:52Comments(0)磨崖仏など石仏