2022年06月25日    雪中の白い大粒イチゴ

 
  大粒イチゴつくりの挑戦などを行ってきたが、もうひとつだった。それ以後、イチゴつくりをしなくなっていた。
一昨年、碁敵から「イチゴの苗があるが、いかが」と。あまり乗る気になれなかったが、断る訳もなかった。10株ほど、譲り受けたところ、よもやの大粒だった。 
しからばと、ランナーで子株を育ててみる気になり、150株ほど一人前の苗に仕上げた。あまりにも多かったが、その“生”捨てるには、忍びない、すべて植え付けた。

 さて、イチゴ栽培で学んできたことは──“冬場を越す前に、イチゴのクラウンを大きくさせる”──一点だった。
このポイントに沿って、完熟堆肥をすき込んだ畝の準備、新芽が出やすくさせる方法などあれこれきめ細かい世話を怠ることなく行うと、みるみる冠部が、がっしりしてきた。
 秋分のころ、花芽をいくつもつけた。昼間より夜間の時間が長くなるとイチゴは休眠に入るのだが、根強く育った株の様子がどうもおかしい。窒素・リン酸が効きすぎたようで、寒さが増しても花芽が膨らんできた。

 5月ごろ収穫を目指した露地栽培をしていたので、せっかくの花芽だったが、次々と摘花した。怪我の功名というのか、いくらか摘みわすれがあった。
10㎝程度に大きくなった大粒が葉っぱに隠れていた。このイチゴの品種名は知らないが、アントシアニンを合成できない、もしくはしにくい品種なのであろうか。赤くならずに、白いイチゴがいくらか混じっていた。

 赤色のイチゴは、いかにも美味しそう。「暖色系」でない白いイチゴは、あえて「食べてみたい」とは思わないと色である。酸っぱくて、硬そう。でも、兎に角珍しいので、5ケ白いイチゴをそのまま育てた。

 我が家では、私は作る人、食べる人は家内。この珍しい白いイチゴをうまそうに食べていたので、私も、大粒をぱくりとかじってみると、驚くべきことに甘かった。そして柔らかく、さっぱりした感触であった。

 そうなんです。 雪中をくぐり抜けたイチゴは、この寒さに順応して、しなやかな甘い成分を作り出していた。

 自らの成分である炭水化物から「糖」を作り出し、体内の水分に溶か込むと、0℃以下になっても凍らない。この自然界の摂理を心憎いが、知っているようだ。また、どれだけ、糖を作ればよいのかとの問いかけにも、凝固点降下度は溶質粒子の質量モル濃度に比例していることもしっていたかも。

雪中の白い大粒イチゴ
雪中の白い大粒イチゴ

 話が変わるが、私の自動車は、エンジン起動時、カーナビで「今日は何の日か」と知らせてくれる。私にとって何の日なのかどっちでもいいことなのだが、聞こえてくるからつい聞いてしまう。

 1月15日は「いちごの日」と言っていた。「“いい”1“いち”1”ご5」の語呂合わせである。本来、イチゴは5月ごろ実をつけるのだが、今では11月頃から店頭に並び始め、クリスマスやお正月の食卓を彩る「寒い時期の果物」ともなっている。このようなことから、寒い時期にイチゴが獲れると思っている人が如何に多いことか。
 イチゴは、秋が深まり、夜が長くなると休眠する。だが、ビニールハウスの中で夜中電灯を灯されると、気の毒に、昼が長くなったと覚醒させられている。
  単に、毎月15日を「1“いち”1“ご”5」にしておけばよいのに。ひとは身勝手で、酷な生き物だ。


 



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Posted by nonio at 06:24 │Comments( 0 ) 家庭菜園
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