2011年04月20日    滋賀県地震起こるの

 滋賀県は、災害もなく、毎日長閑で平和な暮らしをしている。だが、琵琶湖の湖とそれを囲む山に囲まれた風光明媚な景色の下では、牙を剥いて地震が発生するエネルギーが、日々蓄積していることを忘れてはなりません。

 この県の過去10年間、災害対策費は47番目、ということは全国で最下位。嘉田知事は『「それはそれでありがたいことなんですけど」、もう、寛文2年の地震から400年経っている。姉川の地震から100年経っている。ということ考えると、やはり、西岸断層帯抱えている滋賀としては、備えなければいけない』と講演の中で語っていた。

滋賀県地震起こるの
掲載ページ: http://www.santo.co.jp/taishin/shigakenbunp.htm

 1995年、突然活断層が動き、淡路島北部から神戸地区にかけて内陸で発生した、いわゆる直下型の地震が起こった。繁華街の高層ビル、高速自動車の高架の倒壊、新幹線の鉄橋も崩れ、都会災害の恐ろしさを目にした。つまり、阪神・淡路大震災が起こるまでは、近畿圏は地震被害とは無縁だと思っていたが、この時、活断層が動くと、都会ではどのようなことになるのか、見せつけられた。これを契機に、活断層が注目され出した。

 その結果、日本全国至る所に活断層が存在し、中でも本州中部から近畿トライアングルにかけては集中的に分布しており、近江盆地周辺は有数の活断層地帯であることが認識された。しかし、16年経つと「喉もと過ぎると 熱さを忘れる」そんな言葉通り、あれほど恐ろしい地震でも忘れ去っている。そこで、もう一度振り返ることにした。

 南東の方面からフィリピン海プレートが年間4~6㎝の速さで北西方向へ押し寄せている。そして、このプレートは太平洋側の沖合いから海南トラフ付近から近畿地方の下に沈みこんでいる。
このため「東西からの圧縮」を受け近江盆地と琵琶湖が出来上がった。山地は日に日に隆起し、琵琶湖は沈降を続けている。この境目には多くの断層が見られ、いまなお活動している活断層がある。この東西方向に押し縮められ、岩盤が耐えられる限界を超えると地震となる。これが長い年月をかけて繰り返されたところが活断層である。だから、活断層が存在すれば、地震が発生する可能性が強いので注目されるのである。
 
 活断層の目安として、断層の長いものほど大地震が発生した断層であると言われている。それは、今後大地震を起こす可能性があると言える。その意味から、柳ヶ瀬断層・琵琶湖西岸断層帯・花折断層、頓宮断層さらに湖底断層は一級の断層と言われている。

 断層は、岩同士がこすれ合わさっているので雨、水に侵食されやすく、くぼ地となり、人が移動するのに都合の良い道筋である。つまり断層は街道に沿って通っていることが多いので、この街道を眺めてみよう。

 琵琶湖の北余呉湖から街道沿いに通る谷に柳ヶ瀬という集落があり、その名をとって柳ヶ瀬断層がある。近江と越前を結ぶ北国街道(国道8号線と365号線)は断層の地形を利用して、踏み固められたものである。
 比良山脈の東のふもとに西近江路(国道161号線)が走っているが、 琵琶湖西岸断層帯とよばれている断層がある。この地震発生確率は、0.09%~9%と予測され、全国で7番目に地震が起こる可能性の高い箇所と判断された箇所だ。滋賀に地震が来るの(琵琶湖西岸の地震発生確率)
 比良山の西側に、鯖街道(国道367号線)が安曇川沿いに通っている。花折峠から見事なV字谷を見る事ができるが、やはり花折断層の活動と川の侵食により出来上がって地形である。

 これらの断層にまつわる地震が記録されている。柳ヶ瀬断層は1909年(明治42年)に姉川地震(M6.8)を起こし伊吹山のふもとに被害をだした。琵琶湖西岸断層帯は1662年(寛文2年)M7.6で沿岸の水田が琵琶湖の水に沈み、米の収穫量が減ったとの記録がある。また、花折断層は1662年(寛文2年)山津波がおこり、集落が土砂にうまった。

 その他、頓宮(とんぐう)断層は、滋賀県南部から三重県西部に分布する活断層である。水口町(現・甲賀市水口町)から青山町(現・伊賀市)に至る断層で、長さは約31kmある。

 いずれにしても、これらの活断層は今後30年の間に地震が発生する可能性が我が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属すると言われている。
詳細は滋賀県の断層を参照

 京都・滋賀には、古代から中世まで沢山の資料があるので古文書から地震の発生状況が調査検討されている。9世紀~16世紀まではどの世紀にも大地震が起こっていたが、それが江戸時代になると、大地震が減ってしまった。その結果、江戸後期1830年以降現在まで大きな被害地震が起こっていない。この地域の活断層は、古代から中世は活動期で、それ以降は静穏期になっているらしい。逆にエネルギーが溜まっている分、不気味である。

参考資料 近畿の活断層 財団法人 東京大学出版会
     地学のガイド(上)滋賀県高等学校理科教育研究会地学部編
     活断層    岩波新書





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Posted by nonio at 11:42 │Comments( 0 ) 地震
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