2012年05月23日    葛城山満開ツツジ報道にモノ申す

 大阪府千早赤阪村と奈良県御所市にまたがる葛城山(959m)の山頂付近で、ツツジが満開となる時期を狙って出かけた。 3月下旬、この実施に先立って、下見に行った際、「今年のツツジの見ごろ時期は5月19日頃」との情報を得た。早速、26日(土)の計画を1週間早めて19(土)に変更した。
当日、借り上げバスで、野洲駅を7時に出発し、葛城山ロープウェイ登山口を目指した。 

 バス内では、やはり、ツツジが話題になった。A君「5月17日の讀賣新聞では、燃えるような赤…葛城山のツツジが満開となった」と書かれてると話のきっかけをつくった。
続けて、B君も『朝日新聞のトップ紙面で、新緑の山に広がるレッドカーペットの葛城山でツツジが満開となった」と同様の記事があったと相槌を打った。
更に「今日の日程に変更したリーダーは、素晴らしい」と賛辞を送っていた。この話を聞いていたリーダーも「今日にしてよかった」と言いながら、満更でもない様子であった。

 この話でもちきりになった。C君は 「NHK関西のニュースでは、ツツジを見ようと多くの登山者でにぎわっているようだ。 この時期は、多い日で1日に5000人以上が訪れているらしい。きょうも多くの登山者が、いっぱいになっているのとちがう・・・」と話し始めた頃から、おかしくなってきた。

「5000人がロープウェイ乗り場に押し寄せてくると、どうなるの」。事態の深刻さが、全員理解し始めた。  
葛城山満開ツツジ報道にモノ申す 野洲から葛城山のロープウェイ近くの駐車場に、バス所要時間を2時間弱と想定していたのだが、国道165号線辺りから大渋滞におちいり、大幅な時間の遅れが起こった。
 県道30号線を進み櫛羅(くじら)交差点まで、遅々として進まなくなってしまった。駐車場が満杯なのであろう。前進する距離は、気の毒に全く関係のない紛れ込んだ自動車が抜けていくか、断念しUターンした自動車分がけ、前に進む程度になってしまった。

 バス内の全員の雰囲気も険悪になってきた。
「本当に今日中に頂上へたどり着けるの?」「日程をずらしたのが、どうだったか!」など、今までの和やかな雰囲気が一変。 とりあえず、バス内で昼食を済ませ、これからの実行動時間を確保することになった。

 この櫛羅交差点まで2~3km手前で、昼食も済ませ、バスを捨てて徒歩に切り変え、山頂を目指すことになった。すでに、12時に近くになっていた。 葛城山満開ツツジ報道にモノ申す 櫛羅交差点で県道30号線を右折し、県道213号線の山道になる分岐点までやってきた。「駐車場の待ち時間3時間。ロープウェイ時間4時間」と絶望的な看板が立てかけられていた。
 それでも、県道213号線は上る車で数珠繋ぎであった。ロープウェイの待ち時間に耐えられなくなったのであろうか、下ってくる車もあり、道路がごった返していた。我々は、車の隙間をかいくぐって上へ上へと登って行った。
 ロープウェイ乗り場は、待ち人で溢れていた。我々は、これを見やって、計画通り、北尾根コースを辿ってツツジ園を目指した。14時40分目的地に到達。途中休憩も「そこそこ」にして登り詰めた。
 やっと辿りついたツツジ園は、苦労した甲斐あって「一目百万本」のキャッチフレーズ通り見応えがあった。ヤマツツジなどが斜面を真っ赤に染め上げていた。

葛城山満開ツツジ報道にモノ申す 

葛城山満開ツツジ報道にモノ申す 下山は櫛羅コースをとって、観光バス駐車場に戻ってきた。ドライバーの話では、14時、所定の予約してあった観光バス駐車場に入れたようだ。したがって、バスで野洲から葛城山ロープウェイまで2時間弱のところが7時間となった

 ドライバーさんは、我々チームが意外に早く下山してきたに驚いていた。いや「日頃鍛えているワイルドな集まりだ」と、安堵感も手伝ってそう答えた。 観光バスの駐車場から脱出したのは、
我々チームが一番であった。バス専用駐車場には、まだまだ、お客を待つバスで埋め尽くされていた。

 既に、16時30分を過ぎているのに、車内越しから、登ってくる対向車が目えた。 一旦、報道されると、我も我もと押し寄せる行為には、あきれてしまう。このようなことからして、新聞・TVなどの報道陣は、煽るようなことをせず、節度ある報道があるだろうと怒りさえ感じた。

 私の子供の頃、生駒山の山麓で育った。春になると自生した山ツツジが咲き乱れていた。それ程、気にもかけずに、山ツツジをあるがままの姿を眺めていたものだ。山続きの葛城山、金剛山も同じであった。小生にとっては、これほど混じりけのない大規模なツツジだけのツツジ園は見事であったが、同時に不自然の異常さが見られた。人々は、「この管理された自然をよしとし、人々が群がる時代に変わってきたのだ」とつくづく感じる。年をとり過ぎたかもしれない。

 


タグ :一目百万本

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Posted by nonio at 06:27 │Comments( 0 ) 奈良の山
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