9月15日、民主党は、衆院選マニフェストで明記した「高速道路の無料化」を、北海道と九州で来年度から先行実施する方針を固めたことを明らかにした。利用状況や経済効果をにらみながら、首都高速と阪神高速を除き無料化路線を段階的に拡大していく考えだ。
無料化を先行実施するのは、北海道エリアの581キロ、九州エリアの794キロの交通量が少ない路線だ。
ところで、民主党が目玉に掲げた「高速道路の原則無料化」。国民が大きな期待を寄せているかと思いきや、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が行った合同調査によると約7割が反対という結果が出た。また、9月15日讀賣新聞アンケート調査結果(対象者6万強)、民主党の政権公約で掲げた高速道路の無料化について「賛成」は19%に過ぎず「反対」56%であった。
このような調査結果になったのは、土日、休日などのETC搭載車の高速道路1000円乗り放題で渋滞が例年よりひどくなり、無料化されれば渋滞のさらなる激化が予想されることが、影響したとみられるとの報道があった。
実際、2009年7月18日(土)~20日(月)この三連休に高速道路料金土日祭日の1000円乗り放題を活用して南アルプス鳳凰三山に出向いた。竜王ー韮崎間(名神高速道路・東名高速道路・中央自動車道距離:327.0km )の出来事である。
確かに、この間の通常料金7250円が1000円となった。だが、問題は予定所要時間3時間57分が2倍以上になり、これでは文字通り高速道路とは言えない。尚、途中、大渋滞のあおりをくって、中央自動車道路の中津川インターチェンジに駐車する車が殺到、駐車場に入るだけでも一苦労。女子用トイレは、すざましい長蛇の列となり、苦難の待ち時間となったようだ。無論、レストランも超満員で昼食すらできない。インターチェンジのすべての施設が、完全にマヒ状態に陥っていた。
往路では、遅れてテント泊となり、帰路に於いては、夜中0時を超えてしまい終電車にも間に合わないことになり、仕事に支障をこおむった者もいた。三連休で少しは、渋滞も予想していたが想像を絶する大混乱であった。このようなことからして無料化になれば、主要幹線高速道路では、益々混乱が生じると考えられる。
本来、高速道路は、カーブの曲率を配慮し、高架や盛土などの構造物により直線化させ勾配を出来るだけなくし、山間部でもトンネルを多用して、高速走行を容易にするように建設されている。また信号機も使用しない。正しく、高速道路は、短時間で長距離を走行できるように設計されているのだ。
さて、渋滞が頻繁に起こった。自動車事故や道路工事もなかったのだが、突然「のろのろ」運転になる。そのまましばらく進むと、いつの間にか正常のスピードに戻っている。この繰り返しであった。一般道路での渋滞に遭遇した場合、原因の場所を通過する時「ああーこれが原因か」と確認でき、何となく納得することができたが、高速道路で渋滞を抜けたときに「今の渋滞はなんだったのだろうか」と不思議に思う経験は誰にでもあるだろう。兎に角、どこで渋滞していたのか訳が分からない。これが自然渋滞である。
その原因は、緩やかな上り坂やトンネルによる減速の積み重ねで引き起こされる。
車の少ない道路では、車間距離が十分にあるので、このような自然渋滞は起きない。しかし、車がある一定以上の過密になってくると、自然渋滞が発生する。何らかの原因で一台でも速度が遅くなると、それを見た後続車はブレーキをかける。すると次々と車間距離を保つためにブレーキを踏む、人間であるために少しずつ動作反応が遅れ、タイムラグが生じて渋滞現象が連鎖的に積み重なってくる。
言いたいことは、「本来高速道路の持っている『短時間で目的地に到達できる』機能を発揮させるためには、自然渋滞が頻繁に起こらない程度に車両の乗り入れ台数を制限できる料金にすべし」と考えている。むしろ、乱暴な言い方をすると、土日祭日を有料として、平日を無料化してバランスをとるべきと思う。
鳩山内閣が発足し、マニフェストに従って各大臣が始動し始めた。17日前原国土交通相は、記者会見で、「上限1000円」について「これも社会実験。政権が代わったからと言って、すぐにやめるつもりはない」と当面続ける考え方を示した。無料化については「いろいろな条件をつけて、少し時間をかけて段階的にやっていきたい」と説明。「ETCを買った方がよいのか、やめたほうがいいのか」の質問では、「当面はETCを使った社会実験を続ける」とのこと。
いずれにしても、一言、何が何でもマニフェストを金科玉条とせず、国民の反対の意見も多いことを忘れないでほしい。
参照 産経新聞・讀賣新聞・so-netニュース