私の幼少のころは、生駒山系の山麓に住んでいた。この近くの私市への遠足と言えば、「くろんど池」であった。そして、磐船神社の洞窟巡りは何故かよく覚えていた。窮屈な洞窟が怖かったのであろう。
今では、新しくできた「星のブランコ」の吊り橋が、主役になったようだ。木床板の吊り橋は延長280mもあり、最高地上高50mの高さ。 特に、紅葉の季節になると「関西版 紅葉特集2015|ランキング|eoおでかけ」のナンバーワンになるとの話もあるので、出掛けてみた。紅葉の時期には早すぎたようだが、平日に拘わらず、大勢のひとで賑わっていた。
吊り橋といえば、元々山間での生活基盤を支えるため、深い谷に架けられたものである。植物のかずら(葛)を使って架けられた吊り橋はノスタルジックな雰囲気を持っている。今回訪れた巨大な建造物は、本来の目的から逸脱した観光のために、付けられたものである。東海自然歩道や生駒縦走歩道、ダイヤモンドトレイルなどをつなぎ、約300kmにおよぶ長距離ハイキングコースの一つの目玉として1997年松尾橋梁(株)、により製作され、完成当時は国内3番目であった。両岸にかけ渡したケーブルに桁を吊った人工美を一目見るため、人が集まってくるようになった。吊り橋も時代が進むと、その使い処が大層変わるものだ。
巨大な吊り橋の空中散歩の渡り始めは、高度感で「大丈夫だろうか」との思いがあり、ワイヤーのキンク・形くずれ、ターンバックルのねじ部の締まりなど気になった。が、高度感に順応してくると、進む歩調も早まってきた。
吊り橋とは揺れることが魅力である。揺れがなければ吊り橋とは言えない。兎に角、堅牢に見えたが、揺れた。我々仲間がひとかたまりとなって、リズムよく歩いていくと、これに同調して横揺れが生じてきた。この揺れを止めようとして、歩調を変えても、中々止まらないものである。この揺れる橋で、みんなで緊張感を共有したことが、結構楽しかった。