原発 避難範囲 30kmの経緯

nonio

2011年03月29日 23:31

 最近の政府などが公表してきた事実関係を列記してみた。

3月15日避難範囲
 菅首相は、福島第1原発から半径20km圏内の完全な避難と、新たに20km~30km圏内の屋内待避を求めた。
3月19日放射性物質が検出 
 福島県川俣町の酪農家が提出した牛乳と、茨城県内の6市町村のホウレンソウから基準値を超える放射性ヨウ素などの放射性物質が検出されたことが、首相官邸記者会見で枝野官房長官より発表された。いずれも原発から半径30kmの区域外の地域でとれたもの。
3月20日半径30km区域外で放射性物質規制値超す 
 食品のサンプル調査で、栃木県でも宇都宮市など4市町のホウレンソウから暫定規制値の最大約2・8倍の放射性ヨウ素や、規制値の1・6倍にあたる放射性セシウムが検出された。
3月21日ホウレンソウとカキナなど4県に出荷制限指示
 ホウレンソウとカキナ産地のJAは21日、出荷の自粛を決めた。政府も同日、福田知事に対し、原子力災害特別措置法に基づき当分の間、出荷を制限するよう指示した。
厚生労働省は21日、福島県飯舘村(いいたて)の水道水から規制値の3倍を超える1kg当り965ベクレルの放射性ヨウ素が検出。
3月23日、金町浄水場の放射性ヨウ素 
 東京都水道局は金町浄水場(江戸川水系、葛飾区)の水道水から、国の基準を超える放射性ヨウ素が検出されたと発表した。食品衛生法に基づく暫定規制値で、放射性ヨウ素が水道水1キログラム当たり100ベクレルを超える場合は乳児の飲用に使わないよう求めているが、210ベクレルが検出された。都は同浄水場が水道水を供給している23区と武蔵野、町田、多摩、稲城、三鷹5市の全域に対し、水道水で粉ミルクを溶かしたり、乳児に飲ませないよう呼びかけている。
 

 この間の報道された事実関係を掻い摘んで整理すると、避難範囲を半径10kmから20kmに拡大した後に、3月15日、新たに20km~30km圏内の屋内待避を求めた。19日、突如、ホウレンソウ、水道水質の放射性ヨウ素などの放射性物質が検出され公表された。それも、福島第1原子力発電所から北西約40kmも離れた場所である。その時、なぜこんなにも離れた場所にと思っていた。引き続き、関東圏で金町浄水場等の水道の放射性ヨウ素が問題になった。この場所も意外であった。

 どうも、福島第1原発周辺の風は、北西方向と南西方向の向きの季節風が吹くのであろうと推測した。この風下に当たるのではないかと密かに思っていた。余談だが、小生、登山をしている。自然を相手にしていると、その地域の季節風の風強さ・吹く方向については、人並み以上に敏感に感じ取れるのである。

 3月23日朝の官房長官会見で「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)」の試算内容が発表された。余りにも、避難範囲外の放射性物質データが続出したので、公表に踏み切ったのであろう。

 予測システムはSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)と呼ばれているもので、最新の風向きや風速のデータを加えて計算されている。同センターによると、11日の地震発生約2時間後から、東京電力・福島第一原発について計算を始めた。放射性のヨウ素や希ガスについて、放出量の見積もりを何段階かに変化させて計算し、被曝予測データを、原子力安全委員会に報告していたという。

 「生データを公表すれば誤解を招く」として明らかにしたくなかったようだ。 つまり、政府は、福島第1原発付近の季節風がどの方向に吹くのか、判っていたのにも拘らず、下隠しにして、単純に同心円の20km~30km圏内の屋内待避を設定した。
始めにしっかりとした風の方向を考慮した大きめの避難範囲を設定さえしておけば、問題がなかったのに、逆にドンドン広がっていく範囲設定は、このようなつじつま合わせの発言になってしまう。

 25日、枝野官房長官は「20km~30km圏内の住民の自主避難を積極的に促すように関係市町村の指示した」というのである。その理由が「物資が届かない状況を踏まえた柔軟な対応は国としても積極的に指示する」と言うから信用ならない。 まして、「自主避難」と言われてもどう解釈すればよいのか、よくわからない。

  
 



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