落花生 栽培・炒り方
落花生の栽培と料理
店頭には、南京豆がすごく安い値段で並べられています。粒揃いの如何にも美味しそうな南京豆でも、袋の裏を見ると「中国産」と書かれています。でも、「大丈夫かな」と思いながら、つい買ってしまいます。
安全を期して国産といえば、千葉産になります。特に、八街(やちまた)産の「千葉半立」は南京豆の最高級品種として、人気があります。甘さ・風味・香り、いずれも抜群です。値段も相当なものです。
これ以上に美味しい南京豆を手にする事もできます。
「渋皮がピンク色で触っただけで剥がれ、渋皮が口に入っても余り違和感もない極上の南京豆」こんなものが食べられるのは、まさに自分で栽培することです。コストを考えると国産品より高価になるでしょう。
ところで、 南京豆は、地豆・ 唐人豆 ・ 異人豆 等とも呼ばれています。英語名はピーナッツとして親しく呼ばれていますが、栽培している者としましては、花が落ちて花の根元から先の尖った細い茎のような子房柄(しぼうへい・写真10月1日)が 地面へ向かって伸び地中へ入り込み、莢をつけます。このことから「落花生」と呼ぶのがふさわしいと思っています。今後、南京豆と呼ばずに「落花生」と呼ぶことにしました。
一昨年、園芸サークル仲間から譲り受けたサヤ付き落花生10粒ほど譲り受けものを、大事に育ち続けています。品種は多分「落花生の王様と呼ばれている千葉半立」らしい。
昨年4月中頃芽だし後植えつけました。花が咲き地中に実が出来て収穫に至るまでに、半年以上の長い期間を要します。写真で示すように順調に育ちました。その間、黄色い花が開花後、子房柄が土中に入って行く段階で、上から土を2回被せ、二度ほど化学肥料をやる程度。誰がやってもここまでは余り変わりなく育てられます。
6月26日 8月17日 10月1日
10月1日 11月19日
栽培過程では、それほど困難な問題は起こらないのですが、収穫後、炒るまで色々失敗が発生するのです。今年は、2ツの大きな失敗がありました。そのひとつがこれです。
昨年より粒を大きくしたいとの思いで、落花生収穫時期をあえて遅らしました。確かに粒は大きくなりましたが、黒味を帯びてしまい、風味も失われたようだ。
園芸サークルの先生に収穫時期を聞くと、「種を蒔いてから130日~135日、花が咲いてから85日~90日で下枝が枯れ始めたら、収穫の目安にすること。種類によって変わるので、試し掘りして、8割程度の莢の網目がはっきりしていたら収穫活時期である」と教えられました。続けて「収穫時期を遅れると風味が極端に低下するので、適期を確認は大事である」と付け加えられました。 痛い目にあったので、来年は、目安になる花の咲いたときなど記入するなど、対策を練らなければ…。
二つ目の失敗 天日乾燥を3~4日程度した後、殻を剥がしてむき身をチャック付きビニール袋で保管しましたが、青かびが発生し、せっかく苦労して栽培したのに大半を破棄せざるを得なかったのです。
この天日乾燥3~4日は大間違いであることを、知りました。
「千葉県八街市では、落花生を野積みしている。掘り起こされた落花生が、「ぼっち」と呼ばれている野積み状態で1ヶ月ほど乾燥させて甘み・旨味をましています。脱穀前の千葉県八街市の風物詩で郷愁を誘う風景です。冬の冷たい北風にさらされ太陽にじっくりとあたり実に脂がのり熟成されていきます。この時点で美味しさは決まります」
収穫後、乾し過ぎるくらいの乾燥期間が大事なことを知りました。
落花生の生の子実は50%程度の水分を含んでいますが、20%程度で8分乾燥程度といいます。長期保存するためには7~9%まで乾燥させる必要があります。急速に乾燥させると食味を損なうなどの理由からゆっくり乾燥させるのが主流となっているようです。 市販の落花生のようにカリッと炒れないのは、乾燥不自由も影響が強いようです。
今回は、2ツの経験が出来ました。あらためて、野菜を安定して育て・収穫できるまで何年もかかるものだと実感しました。
その他失敗
今までカラスのトマト・スイカなど襲撃を受けました。まさか落花生までと高をくくっていましたが、秋の収穫時期に、「あっちこっち」と食い荒らす被害がでました。掘り起こしては、奇麗に種子だけ食べ殻が散乱していました。この対策は、既に実証済みの魚釣り用のテグスを張り、事なきを得ました。カラスは羽根が少しでもテグスに触れるのことを嫌います。二度と近寄りません。
何より収穫した後の豆の炒り方が素人には難しいのです。落花生を栽培して同じような疑問を持たれた方もきっと多いのではないかと思います。
フライパンで炒る方法もあります。この方法を何回も試したのですが、火加減が難しく一定の操作で、同一状態の炒られたピーナッツを得ることが出来なかった。毎回微妙に変わってくるこの方法はお勧めできません。
電子レンジの加熱方法で美味しく[カリカリ」する炒り方を詳しく紹介します。
「電子レンジで連続加熱でなく、1~1.5分程度加熱を繰り返すことが大切」であることを「落花生の栽培と料理」で報告しています。再現テストを行いました。
テスト条件
・南京豆はチャック付きビニール袋に冷凍保管。
・皿に10粒の南京豆を万遍なく一列に豆を並べる。
・粒は、ほぼ同じ大きさのものを揃えた。
・電子レンジ能力 1000W(定格高周波出力500W)
テスト結果 条件結果テスト13.5min 連続加熱4ツ焼けるテスト23.0min連続加熱2ツ焼けるテスト31.5min加熱X5min冷却X1.0min加熱焼けないが、生のまま2ツ~3ツテスト41.5min加熱X5min冷却X1.5min加熱2ツ焼ける。生のまま1ツテスト51.0min加熱X5min冷却X1.0min加熱X5min冷却X1.0min加熱良好
考察
電子レンジで連続3min以上加熱すると、落花生は焼け焦げますが、「1min加熱し放冷」、この繰り返しでは、焦げないことが分かりました。コツは、落花生の内部の水分をうまく脱水されるかがポイントになります。
従いまして、現在では、冷凍保存した10粒を取り出し、小皿に載せて、電子レンジに1min加熱後放冷し、触って熱く感じなければ、再び1min加熱します。この作業を繰り返します。皿に落花生を落とすと鈍い音が出ている間は、粒が「ふにゃふにゃ」です。「カラカラ」した音になると出来上がりで、落花生の独特の香ばしい匂いになってくれば出来上がりです。
今回は、カビが発生して大半を失い、ムキミ状態にして、そのまま冷凍保存をしました。たべる時に、ほぼ10粒ずつ電子レンジ加熱で頂いています。
本当に風味のある落花生は、採りたて後1ケ月~1.5ケ月程度が美味しいように思うのですが、その後は、風味が少しずつ抜けていくように思いますが、千葉の本場では、「冬の冷たい北風にさらされ太陽にじっくりとあたり実に脂がのり熟成されていきます」この点を来年確認してみたいと考えています。
冷凍保存品 テスト1 テスト2 テスト3
テスト4 テスト5
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