リトル比良での仲間救出

nonio

2009年11月10日 18:51

 秋の行楽シーズンを迎え、比良山系などで、山岳遭難が相次いでいる。10月25~31日のわずか1週間で、4件5人の救助要請があり、1人が死亡。滋賀県内の山は標高1000メートル前後で初心者向けのコースも多く、4人が70歳以上の高齢者だった。紅葉が見頃となれば、さらに入山者が増える。このため、県警などは7日、比良山系の登り口の大津市葛川坊村町で、登山客らにチラシを配って注意を呼びかけた。(川崎陽子)

 県警地域課によると、山岳救助の要請は2002年以降は20件を超え、昨年は35件。今年も10月末までで28件となっている。例年9~11月の紅葉狩りのシーズンに増え、昨年は15件、今年もすでに10件にのぼる。(2009年11月8日 読売新聞)

 我々も、今回予期せぬアクシデントに見舞われたが、全員のチームワークで乗り切った。

 11月7日(土)Sクラブ主催のリトル比良の高島駅…音羽…岳山(565m)…鳥越峰(702m)…見張山(音羽山517m)…高島駅ハイキングに参加した。比良連峰にはよく足を運んでいるが、シャカ岳からヤケオ山、寒風峠を経て高島市音羽にのびるリトル比良に行く機会がなかった。

 JR高島駅から音羽の長谷寺までいくと、何組ものグループが、秋の紅葉に誘われてハイキングに繰り出してきていた。ここで、準備体操など行い、今日も全員元気で下山できるようにと念じつつ、出発していった。
                    音羽の長谷寺  


 はじめは、広い道を辿っていくと、いつの間にか山道になっていた。色々のチームが休憩をしていたり、追い抜かれたり、追い越したりしながら少しずつ高度を上げていった。いくつか残る丁石や神楽石、賽の河原などを左右に見て、大きな石灯籠の広場で最初の休憩をした。眼前に見える見張山の方向を見遣って、何となく今日の下山が気になって、高島平野に落ち込んでいる尾根を眺めていた。

                  今日下山の際の尾根

 花崗岩が風化した白坂を越えて「弁慶の切石」を越えると岳観音跡に着いた。この付近には、県下有数の「アカガシ」の森が広がっていた。道脇に立派な巨木アカガシが見えたので写真に収めた。
                 立派な巨木アカガシ


 オーム岩では先客が昼食をとっていたので、早々に眺望を楽しんだ後、この場を立ち去った。ブナ林の中、アップダウンを繰り返して鳥越峰にやってきた。リトル比良を縦走する場合には、鳥越峰を直進して岩阿沙利山に向かうのだが、見張山に行く脇道に入り、少し進んだところで、昼食をとった。
                    オーム岩からの眺望    


 下山にかかった間なしに、一人が足をくじいた。

 直ぐに足首辺りをテーピングで応急措置をしてが、自力歩行不可能になっていた。
ロープを使って背負うことも考えたが、一人当たり負荷の少ないネット式担架にて下山搬送することにした。6本のシュリンゲをネットに結びつけ、各人の肩にタスキかけをして運び出すことになった。
 前には、倒木など邪魔のものを除く2~3名の先導者がルート探しを兼ねてついた。後続には、交代要員が待機し、6人は交代しながら進んだ。登山道からはみ出し、ズルズル落ちそうになって運ぶ人も汗だくで必死なら、運ばれる人も斜めになりながら必死に担架にしがみついていた。

 急な坂道では、担架で降ろすには、不安定になるので、背負って下山した。一人で全体重を支えなくてはならないので、少しでも脚力が衰え、ふらつくようになれば、頻繁に交代し、どんどん下っていった。約3時間かかり、麓まで外部の援助を要請することなく、降ろすことに成功した。
既に先発隊は、事前に下山し、自動車が入れるところまで乗り入れ、病院に直行した。

 全員の連携プレーで事なきを得た。だが、救出すのが精一杯であった。今回はたまたま救助側であったが、自分が逆の立場を考えると…。 色々考えさせられた。
                      ネット式担架
 

                      見張山      
 



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