小女郎ケ池・権現山
日付 2009年2月22日(日)
山名 権現山・小女郎ケ池(比良山系)
コースタイム
花折峠道入口 9:05 権現山 10:40 ホッケ山 11:10
小女郎ケ池 11:30~12:45 権現山 13:40 花折峠道入口 15:00
権現山は、比良山系の南の端にあり、これから山が終わろうとする位置にあります。
この山の想いでは、「下山が始まる合図でした」。比良縦走の最後に権現山があり、ここから当時の鯖街道(若狭街道)の花折峠口に出てきました。これからが大変。大原までテクテク歩き続けたものです。現在では、考えられないのですが、昭和30年代半ばでは、交通の便からすれば、至極当然の山行きの道程でした。目的の山に行くには、アプローチの距離が非常に長かったのです。
道路は、舗装もされず、あっちこっちに深く掘れ込み、水溜りを避けながら、わだちに沿って先を急ぎました。あまり代わり映えしない道です。ひとつの山が終わると、また新たな山が現れるこの繰り返しで、何時終わるかなと思いつつ。大原に着きました。
ところが、バスがない。当時、こんな山奥の情報も少なく、仕方ないと直にうけとめ、次のポイント八瀬に向かいました。それほど気にもせず再び歩き出したものです。ところで、縦走の終わりの権現山を出たのが、遅い昼食後でした。それでも楽しかった疲れの知らない青春時代の1日でした。
367号線のバス停"平”の手前にある僅かな駐車場に、自動車を停め、花折峠道入口(昔の鯖街道)から入山した。少し林道を進むと登山路になった。
踏み固められたトレースが杉の人工林の間を縫って付いていたので助かった。一歩踏み跡を外すと足の付け根まで埋まってしまう深さなのでトレースを忠実に辿った。おかげで快調に登ることが出来た。昨日も雪が降ったのであろう。木々の根の部分が、雪に埋もれていた。雪が降らなかったら、樹の温もりで、「ぽっかりと」穴が開いているはずなのに。
アラキ峠を目指していたが、峠の手前の斜面をショートカットしてアラキ峠の上部に出た。小生の前を行く男は、なかなかのベテランで、若い時には、岩場を専門にやってきた山男で、気心が知れた仲間です。
キーンとした冷たい空気に包まれた人工林帯
登るに従って、京都北山を背にしながら、もう息を切らすことが無くなり、緩やかな登りになってきた。振り返ると、曇天の中、峰々が幾重にも、幾重にも連なっていた。先日行った”瓢箪崩山”をくまなく探したが、分らなかった。
頂上近くの一帯は、山頂に向けてなだらかな地形で、谷も浅く、山地も高くない高原状になっていた。雪に埋まった雑木林の風景が素晴らしい一語です。 一方、琵琶湖側の急斜面になっている地形とは、対照的です。
京都北山方面の展望
権現山付近の高原状の冬景色(写真拡大はクリック)
権現山の頂上からの一望
権現山の頂から、左に見える山が霊仙山、かすんで遠くに見えるのが比叡山です。霊仙山といえば、鈴鹿山脈の北端にある霊仙山と同じ字です。琵琶湖の架かっている琵琶湖大橋も見えなくなってきた。冬型特有の曇天となり、薄暗い雲が空一杯に広がり、風も少し吹いてきた。冬山では帰還の時間制限を設けているので、長居をせず、ホッケ山を経由して、 小女郎ケ池と向かった。
権現山が996m、ホッケ山1050m小女郎峠1101mと徐々に高度が上がっていった。この間は、稜線伝いとなり、アップダウンを繰り返しながらの雪上散策となった。
進むうちに、眼前に広がる蓬莱山周辺がモノトーンとなり、琵琶湖は、かすみ僅かな輪郭程度しか見えない水墨画の世界になってきた。この厳冬期の山に少し緊張感を持って慕った。
草津市蔵の歌川広重の比良暮雪をふつふつと彷彿した。 歌川広重の比良暮雪 (クリック)
ホッケ山・地蔵さん(写真拡大はクリック)
蓬莱山を望む
小女郎峠から琵琶湖を望む
小女郎ケ池の三橋節子(
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小女郎ケ池の伝説・下山(
写真拡大はクリック)
昼食後、雪上訓練を受け、山の天気が、昼から崩れてきた。雲行きも怪しくなってきたので、12:45下山にかかった。一挙に権現山まで下り、更に、帰りはアラキ峠を経由で、もとに戻った。
お井の 晩鐘詫びに自らのまなこをく自らのまなこをくり抜いてり抜いて詫びに自らのまなこをくり
近江には、民話を描いた伝説が受け継がれてきました。小女郎が池もそのひとつです。池の近くの看板を読んで「自らのまなこをくり抜いて、…」この一文を読んだ瞬間、三橋節子が描いた「三井の晩鐘」を想い出した。この絵画の画像が鮮明に甦ってきた。滋賀県の童話を絵にした日本画家で若くしてこの世を去った。彼女は、当時まだ幼い自分の子を持っていた。だが、子どもを残して逝かなければならない節子の母としての想いが、絵画に投げつられていた。一度、見ると忘れられない、おどろおどろしいものであった。氷結し、すべてを白で包まれた小女郎が池を前にして、奇妙な気分に陥った。
大津ウォーキング(クリック)
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