年末ジャンボの確率
ジャンボ宝くじは、前後賞あわせて10億円、すごい時代になったものだ。平成元年11月年末(第270回全国自治)の1億円から、あれよあれよと膨らんでいった。
ところで、「宝くじ一等当たったらどうする」と尋ねると、
私と同年配の歳を召した人は、「使い方がわからん。どうしょうか」戸惑うばかり。
せいぜい、「孫たちに2億円ずつ。懇意な孫には、3億円。今の生活ができれば、自分はいらない」だった。
これに同調するかのように、「私には子供がいないのだが、あまりにも次の世代に赤字国債を背負わせている。どれだけの足しになるのかわからないが・・・・」と政治家気取りも。
他に「これから語学を学びながら、世界へ遊びにでかける」と元気な老人もいた。
当たってもいない宝くじの話は、あれこれと尽きない。
さて、宝くじに当たるとは、どれだけ難しいのか、現実の話に戻ろう。
年末ジャンボだけは特別で、200組。1ユニットが2,000万枚あるため、1等が当たる確率は2,000万分の1と言われている。
2,000万分の1と言っても、よくわからない。具体的なイメージができるように、例えばサイコロの「1」の目が、連続何回出せれば、ジャンボ宝くじの当たる確率に到達するか試算してみよう。
サイコロを投げても、どんな目が出るかわからない。が、その結果を予測することができる。サイコロの目は六面から構成されている。1、2、3、4、5、6の目がある、つまり6通りの目が出るねぇ。
サイコロを一回振って、1の目がでる場合の数の確率を求めると、1の目が出る場合の数は1通りである。起こりうるすべての場合の数は、6通りなので、その確率は1/6。
ここからが分かりにくくなるのだが・・・。
サイコロを二回振って連続して1の目がでる確率は、1/6の二乗で計算できる。どうして、1/6+1/6でなく1/6X1/6(1/6の二乗)なのかわかりにくいね。
それでは、起こり得る全ての組み合わせを書きだしてみれば、納得できるだろう。
一回目のサイコロの目が1のとき、二回目のサイコロの目は1~6まであるよね。
一回目のサイコロの目が2のときも、二回目のサイコロの目は1~6あるよね。
こうして順次、すべてを書き出すと、36通りあることがわかる。つまり6X6=36だ。
(表の1・1というのは一回目の出目が1二回目の出目も1の場合)
もうすこし厳密に言うと、
「区別する n 個のものから,繰り返し用いることを許して, r 個取り出して1列に並べた列」 のことをn-r重複順列といい,その並べ方の総数を nΠr とあらわせる。
この例では、n=6 r=2 nΠr =6X6だ。
こんな感じで宝くじが当たる確率になるまでサイコロの回数と連続1の目が出る確率を表に纏めた。
9回連続で1目が出れば、1/1000万台に到達する。1/2,000万分に達するには、9~10回程度必要になる。なお、コインの表裏では、同面をなんと20回連続出さなければならない。
もう一度話すが、サイコロを振って1目を出して、更にサイコロ振って1目を出し、また振って1・・・また振って・・・9回連続1目をだす。
そして、後一振りして1が出なければならない。一生涯振り続けても到達できるだろうか? まさしく、宝くじとは、夢を買い、あたらなくてもいっときの”ときめき”を与えてくれるものだ。
ところで、幸運にも億万長者を射止める方が、おられることも事実。大金を目の前にして、いかに処すのであろうか。
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