鈴鹿のクマガイソウ探し失敗

nonio

2013年06月13日 08:14

 親しい友人から一枚の写真が携帯に送られてきた。鈴鹿に自生している”クマガイソウ”の写真である。この幻の山野草について、私は、3~4年前から、探しに行く機会を狙っていた。が、もう一つ正確な場所が分からなかったこと、花が咲く、この時期に”やまひる”の襲撃も多少気になり、躊躇(ちゅうちょ)していた。

 今回は、写真付きでコグルミ谷で密かに群生している場所を正確に伝えてくれたので、5月31日(金)、山野草を愛でている友人を誘って出かける気になった。

 このコグルミ谷に行くには、滋賀県と三重県を結んでいる国道306号線の鞍掛峠を通過しなければならない。だが、昨年9月17、18日の大雨により道路が崩落し、通行止めとなっていた。仕方なく、滋賀県側の鞍掛峠駐車場に自動車を止め、コグルミ谷 の出合にむかった。
国道306号 鞍掛峠  通行止めのお知らせの看板

 滋賀側のトンネルまでは通行可能だが、三重側の道路上には土石が散乱し、路肩の路盤の土が大きくえぐり取られていた。崩落の復旧工事も遅れ気味で、開通はいつになるか判らないようだ。 

 コグルミ谷は、 元々、土石流などで谷道が荒れ、道筋がよく変わるところであったのだが、予想をはるかに超える様変わりであった。登山口周辺には、谷筋から多量に押し流されてきた土石が道路上を埋め尽くしていた。「心の谷」と刻まれた石碑は半分以上土砂に埋もれ、路肩のガイドレールもへしまがっていた。今更のように自然の脅威を見せつけられた。
コグルミ谷登山口
 

 
 4年前 花の御池岳に行った際、グルミ谷出合を通過していたので、地形的には理解していたつもりであった。しかしながら、一歩谷筋に足を踏み入れると、全くコースがわかりにくくなっていた。
 谷底の土砂はほとんど流され、堆積していた小石も無くなり石灰石の露岩がむき出しとなっていた。また両脇の土壌もえぐり取られ、各所で倒木がひどい。 コグルミ谷はほんの少し右側にわん曲しているのだが、前進できるところを探しながら登って行った。20~30分進んだところで、コグルミ谷の右岸尾根筋に入ってしまったことに気が付き、左側の谷筋に降りようとしたが、えぐれる様になった谷には降り切れなかった。 

 その結果、コグルミ谷に足を踏み入れることなく終わってしまった。あれだけ期待していたクマガイソウにも出会うことができなかったのは非常に残念であった。尾根筋を高まきすれば何とかなるだろうと安易な判断が猛省される。


 GPSの軌跡で辿ったルートをひらって見た。スタート地点から点線で示した従来のコグルミ谷ルートから逸れてしまっていた。途中、標高800m地点の高台状のところで青いテープ の目印を見つけ、それに導かれて一般道のカタクリ峠(6合目)に到達。この間、以前1時間15分程度であったが、道なき森林帯のルートファイティングを強いられ3時間強の時間を要した。

 もと来た道を辿るのも面白くないので、白船峠方面に寄り道して鈴北岳を経由して鞍掛峠へ下山した。この時期、やまヒルを心配していたが、全く出会わなかったのが、唯一の成果であった。今回は不発に終わったが、来年再挑戦だ。
今回辿ったGPSの軌跡

カタクリ峠(6合目)

 クマガイソウには出会えなかったが、コグルミ谷で友人が撮った写真を添付した。
数日前、彼女達は、御池岳周辺でクマガイソウが自生していると思われる3か所に目をつけて探しに来ていた。その内の一か所で見つけたものである。
                 友人が撮影したクマガイソウ


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