この三上山は、琵琶湖の東岸にある平野部の残丘にあるので、どこからでも目にすることができる。
さて、三上山に関して18世紀頃の江戸時代に書かれた『近江輿地志略』(おうみよちしりゃく)に興味深い記述がある。
「俗呼て近江の富士と云。 山勢略富士に似たり、然れども富峰に比すれば、萬分の一なり、此山西南より望めばよく、東北よりは恰好(かっこう)あし【堯孝道の紀】」。寒川辰清によって近江国の自然や歴史等について、まとめられた貴重な地誌である。
三上山は、小ぶりだが、富士山に似た姿から近江富士とも呼ばれている。西南から眺めると、いい山容である。が、東北からは格好が悪いと。確かに、西南方向では女山が男山と重なり、端正な近江富士に見える。
ところで、「東北よりは恰好あし」となっているが、本当だろうか。
辻ダムのところから撮った写真でも、三角錐の主峰から伸びやかな山並みが実に美しい。厳冬期の真っ白なスロープが一段と映える。