4月中ごろ、今津町の浜分~桂浜園地付近の湖岸道路を自動車でゆっくり走っていると、白い花を目にした。
湖畔の砂地に降り立つと、野生化したハマダイコンが、春風にゆたゆたと。
真っ白の群れに混じって、薄い紫色の花弁も仲間入りしていた。
遠くに見える竹生島から、さざなみが筋状にのたりのたりと浜へ打ち寄せていた。
水際で、二人連れのおじさんが、投網を小脇に抱えて突っ立っていた。
小鮎が、群をつくって浅瀬の藻をはみに来るのを待っていたようだが、日が悪そう。
網を打つことなく、その場を去っていった。
バツが悪そうに、一言、「投網の打つポーズを写真に撮りたいと言う声もかからなかった」と。