“滋賀県希望が丘文化公園”が主催する第3回ハイキングの下見に出掛けた。
職員の方とボランティアとして参加している数名の仲間で、案内予定の南陵見晴らしコースを辿った。
ボランティア仲間達とは、年に何回か希望が丘で出会うだけの間柄である。
話の内容と言えば、「今年は穂高にいったとか」「どこそこの山は台風で荒れている」とか山の情報交換をする程度で、もっぱら思い切り植物談義だ。これだけで、盛り上がる心地好い仲間である。
さて、霜月の後半にもなると、さすがに一輪の花もなく、目につくのは低木の赤や黒っぽい木の実だけだ。
兎に角、女性仲間は希望が丘一帯の地形・自生している植物に関して精通している。次から次へと木の実を見つけ出しては、「あまい、すっぱい・にがい」とか味見をしながら、歩を進めた。時折、実の色・葉っぱの形・枝ぶりなどから植物名の見解が違っていると、二人はあれこれ納得するまで論じていた。
私はもっぱら聞き役 。希望が丘の職員も聞き役だ。
ところで、何回聞いても忘れてしまう私の頭に残ったのが、“木イチゴ”だけ。
草イチゴの場合は、“苺”“の字があてられるが、木イチゴは“莓”の字を使うらしい。だから、木莓と書く。
背丈は20~30センチ程度で、這うようにして枝を長く伸ばし、花柄に実をつけていた。一房口にすると、小粒のルビー色に熟した実は、甘酸っぱく野性味そのもの。
大方の野イチゴは夏に実を付けるのだが、 樹々が冬支度をするこの時期に実を結ぶので、わざわざ”フユ”を付け加えて“フユイチゴ”と言われている。
これで、希望が丘・三上山周辺の34番目の山野草(木)になった。