先日、比叡山の裾野に夕日が沈み、束の間、太陽の四方八方へ伸び出た
残照が辺りをほんのり真っ赤に染めた。はじめて目にした神秘現象だった。
その後も、夕方になると「今日こそ」と思い、繰り返し出掛けた。そこは、比叡山の美しい姿が眺められる、人気もないのびやかな農道である。
この日の西方、いつもと違う鉛色の千切れ雲を見かけた。
「何かが起こる」と高ぶりを覚え、いそいそ出かけた
ねらい目は、夕日が山並に沈んだ後、ほんのひと時だが、雲を美しく輝かせる光景だ。
一点を中心に大規模な放射線状の赤色残光が、比叡山の左半分に現れた。僅か3分のできごとだった。