過日、三重県名張市の赤目四十八滝に行ってきた。四十八滝というだけあって、色んな姿形をカメラに収めた。が、私の写真技術の未熟により、低速シャッターによる白い糸が引くような幻想的な滝が一枚も撮れなかった。
日を改め先日、K氏から、「伊賀市山畑の白藤の滝が紅葉の見頃になっている」との情報を得て、小雨だったが、再挑戦した。
名阪国道下柘植ICから南へ走った。やがて、左手にある白藤の滝の道標にしたがって、人気のしない山道を上って行くと、「ようこそ白藤滝へ」の標示板を目にした。道路幅が少し広くなった所に自動車を止め、休憩所・トイレの横を通って階段を下って行った。
赤い橋が川をまたいで架けられていた。ここから特別なところであると強調したいのか、丸く反った太鼓橋が据え付けられていた。滝は、垂直に切り立った断崖の落ち口から真っ直ぐに落ち、両側の木々は、聞いていた通り紅葉していた。
水しぶきがかかる滝前の大きな岩まで近づくことができ、妙な感じがした。10m以上の落差がある滝なので、勢いついた水が地面を叩き、掘れるはずなのにと思いつつ、三脚を据え付けて、カメラの諸設定を行った。
特に、 シャッター速度の違いによって、水の流れが様々な表情を見せるので、シャッター速度を念入りに調整した。
スローシャッターにしても明るくなり過ぎないように露出を暗めにしながら、自分なりに満足できる風情のある画を取り込むことができた。
滝の降り口のところに、「白藤の 如く懸かりし 滝仰ぐ」と書かれた句碑があった。
この俳句は、滝を仰ぎ見ると、この流れ落ちる滝の水流が真っ白な藤の花が垂れ下がった房状のようだと称えている。
白藤の季語は春。白藤の滝は新緑の頃が見頃になるのかな~。