2017年5月15日花が咲く時期、ビラデスト今津から大御影山に訪ねてみた。この山は、滋賀県高島市と福井県美浜町の県境尾根にある。
大御影山へ行くには、「能登野」と近江の「酒波(さなみ)」をつなぐ長大な近江坂を詰めなければならない。 なぜかこの道を近江峠とは言わない。なだらかな頂上を持つ大御影山を山越えしていくのだが、上りと下りがはっきりせず、「峠」と言いにくかったのであろう。
この古道は道程が長いが、歩きやすい。地形を知り尽くした先人達が切り開いたもので、無理せずに高みへと導いてくれる。深く掘れこんだ山道は、多くの人々が通ってきた証である。
今回ではないが、三重嶽へ向かった時だった、近江坂の伸びやかなさまが、後々まで心に深く刻みこまれた光景だった。写真に収めておいた。
三重嶽から眺めた一直線に延びた近江坂
4月下旬、山仲間が同山へ訪れた時には「残雪が多く、山を通り過ぎる風は、まだ冷たく、梅花黄連、大イワカガミ、イワウチワ、カタクリが沢山咲き、ミヤマカタバミ、イカリソウもひっそりと。石楠花も咲き始めていた」と言っていた。
今回、我々のグループが訪れた頃になると、残雪も殆ど消え、石楠花が咲き乱れ、大イワカガミ、イワウチワなど百花繚乱。そして、一番驚いたのが、大葉黄スミレの大群落に出合ったことだ。
ビラデスト今津付近の人口林
石楠花が咲き乱れ、緑豊かなブナ林のフォトコラージュ
7年前の頂上の標示板の柱が腐っていたが、兎に角、健在だった
ここには、花巡り山行に訪れる人が多いようだ。4月下旬、大御影山には登らず20名ほどで来ていたと言っていた。今回も30名ほどのツアー客に出合った。お目当ては珍しい大葉黄スミレに出会うことだ。
このスミレは出合うとしても山道の脇に数株程度。
ところで、少しルートから外れたガレ場に、百~数百いや、とても勘定できないぐらい黄色い花を見つけた。大群落を目の当たりにして、みんな声を失ってしまった。往復4時間かけても、大型写真機を持参して再挑戦してみたい。場所は、大御影山手前の林道に合流する付近だ。
大葉黄スミレの大群落を発見