梅が狂い咲き/温暖化COP21

nonio

2015年12月17日 16:53

 
  山仲間から「狂い狂い、びっくり。希望が丘の梅がさいている」とのメールが届いた。早速、出掛けた。

 滋賀県希望が丘文化公園の散策路には、梅林がある。毎年2月~3月ごろ開花するのだが、今年は12月15日だと言うのに1本の梅の木に花を付けていた。
 時同じくして、高松市の特別名勝・栗林公園で14日、気象台の標本木の梅が全国で最も早く開花したとのニュースが流れた。観測史上2番目に早い記録という。

2015年12月希望が丘文化公園梅林の内一本の木に花が咲く

 
  高松地方気象台によると、11月以降に気温が高かったことが、開花が早まった原因だと報じられた。

 我畑においても、ブロッコリーの花芽が咲き始め、露地栽培のイチゴの花も、次々と咲きだしてきた。身近な植物に異変の兆候が起こっている。通常のエルニーニョ現象で上昇する海水温は通常1~2度程度と言われているが、今年 は海水温が5度も上昇。海水までが、ついに怒り出し、蓄熱した熱を放出し、温暖化が身近に迫ってきている。待ったなしだ。

        ブロッコリーの花芽             イチゴの花
 
 
 折しも、196カ国の偉い人が集まって、先進国のみに温室効果ガスの削減を義務づけた「京都議定書」に代わり、すべての国が参加する2020年以降の新たな枠組みの「パリ協定」を採択して閉幕した。石油・石炭など化石燃料に依存しない社会を目指すと言うものだ。

 中国と米国の2か国で世界全体の二酸化炭素の排出量の4割以上を占めている。これまで、消極的だった両国だが、国際社会と協力して取り組む姿勢をやっと示した。
 
 開催中、北京の大気汚染は最高レベルの赤色警告が初めて発令されたとのニュースが飛び込んできた。文字通りのレッドカードだ。
中国がCOP21に参加してきたのは、国民の間で、地球温暖化と言う大層な関心が高まったのではなく、マスクをしなければならなくなった大気汚染に怒りが渦巻いてきたからだ。中国の大気汚染の深刻さは、経済を優先してきた”つけ”が、今頃になって回ってきたようである。
かねてから、中国は念願であったドルやユーロ、英ポンド、円とともに元を「国際通貨」になったと喜んでいるようだが、環境無視の政策では、到底、先進国入りとは言えないことを感じ始めたのであろう。 
 
 米国でも、電力を石炭火力発電に依存してきたが、“脱石炭”の意識が広がってきており、温暖化対策の柱として“脱石炭”政策を進めなくてはならないと重い腰を上げたようだ。

 遅きに失した感は否めないが、この二国が排出量の削減時期を明言した。
 
 赤道直径は約12,700km。地球を覆っている大気層10km以内。つまり、直径に対して1/1000でしかない。大気の層は、茹でジャガイモの薄皮よりも薄いということだ。この薄皮に、70億人ほどの人間がひしめきあい呼吸している。大切なわずかな空気層に、何億年もかかって地中に埋め込まれた炭素(石炭・石油化石燃料)を、産業革命以後、一挙に人間によって燃料として燃やし、大気中放出するのだから、大気も汚染するだろう。



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