琵琶湖のかたちを求めて(琵琶湖一周第一回)

nonio

2012年08月28日 06:45

 一枚の写真により、”琵琶湖のかたち”を意識し始めた。比良山系の蓬莱山の山頂付近を登っていた時、曇天の雲がきれ、琵琶湖が出現した。最もくびれたところに琵琶湖大橋が架かっていた。この時「南湖のかたちは、このようになっているんだ」と実感した。
 
 大津辺りの湖面から反射している神々しい光を眺めていると、ここが現世なのか、一歩踏み込めばどこに導かれるのか判らなくなってしまった。確かなのは、地上に立っていることであった。大自然に包まれると、つい、自然に対して畏敬の念が生まれてしまうようだ。
 
 さらに、三上山・奥島山・賤が岳・比叡山・音羽山など近江の様々の山々から琵琶湖を眺めていると、一層湖のかたちに愛着と同時に知りたいと感じるようになった。その内、湖をぐるりと自力で歩いて、かたちを見極めたいと強くおもった。これがきっかけで一周した。この出来事は、数年前のはなし。

 付け加えると、鎌倉・室町時代、比叡山から眼下の湖のかたちが、南にくびれ北に向かって広がっていた。このかたちが、楽器の「びわ」に似ていることから琵琶湖と呼ぶようになったと言われている。それ以前では、「近江の海」「にほの海」とかで呼ばれて、琵琶湖と言わなかったようだ。


              比良山系の蓬莱山から琵琶湖を遠望


 近江の歴史的背景に精通し、伝統・文化に詳しい仲間がいる。動くことより、考えることが得意な連中である。私とは少し相容れない人達であるが、「琵琶湖を徒歩で一周しょう」と呼びかけた。

 計画にあたって、余り肉体の付加をかからないことを最優先。一回平均12kmとし、17回に分け、誰もが参加できることを合言葉に立案。I氏がきめ細かな計画立案。 
7月10日(火)、14名の仲間が集まった。雄琴温泉駅西口より唐崎の松を通り、大津港まで無事11km歩いた。 記念すべき第一回目となった。

 琵琶湖周辺240km程度を完歩することにより、五体・五感で琵琶湖を体得してもらいたと思い立ち、提案したものである。

 満々と水をたたえた琵琶湖の湖岸には内湖や砂浜、岩礁地など変化に富んで地形がある。これを取り囲むようにして比叡・比良・伊吹・鈴鹿の山々がある。さらに、これらの自然に溶け合うようにして、豊かな文化財である三井寺、湖東三山(西明寺・金剛輪寺・百済寺)など枚挙にいとまがなく点在している。書籍や文献で近江を知るのでなく、琵琶湖を一周することにより肌で近江を知ってもらいたいと思っている。

             GPSの軌跡(雄琴温泉駅西口から大津港)


 近江八景の一つとして有名な「唐崎の松」









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